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伝説のスリ師「デパ地下の“さと婆”の私生活は悠々自適だった

 「競艇で遊ぶカネと生活費に困ってやった」
 「財布を見るととりたくなった
 83歳、女スリの供述だ。

 警視庁捜査3課のベテラン捜査員から“デパ地下のさと婆”と呼ばれていた女スリが3月18日、窃盗容疑の現行犯で逮捕された。“さと婆”は東京都中野区に住む本名・神山さと容疑者(83)。なんとスリ歴は60年以上にわたり、今回で通算24回目の逮捕となる超ベテランだった。

 神山容疑者はその日、上野駅構内で開かれていた物産展に顔を出し、買い物をしていた65歳の女性の手提げバッグから財布を抜き取ったという。左手に持っていたストールを右腕に巻き周囲から手元が見えないようにしていたが、張り込んでいた警官の目は誤魔化せなかった。
 「彼女がスリを始めたのは19歳。当時は電車内でのスリを専門とし、“箱師のさと”と呼ばれていました。ところが年齢を重ね、体力が衰えるとともに、比較的逃げやすいためなのか稼ぎ場所をデパート地下の食品売り場やイベント会場に変え、“デパ地下のさと婆”となった。前回逮捕されたのが2011年の吉祥寺のデパート食品売り場でしたから、5年ぶりですね」(捜査関係者)

 ベテランの老スリと聞けば、刑務所とシャバの生活を繰り返す孤独な人生を想像するが、神山容疑者の場合は少々違う。
 「名門の家へ嫁ぎ、男女2人の子供をもうけたが30代に離婚。しかし、慰謝料として中野区の一等地に土地建物を譲り受け、以来、女手ひとつで2人の子供を育てました。還暦を迎える頃には、この土地にマンションを建て、息子一家とともに住み、残りの数部屋を賃貸にして家賃収入で暮らしていたのです」(神山家の知人)

 知人の話によれば、その間も神山容疑者はスリ稼業を続け、マンションの建設費も賄ったという。
 「それでも彼女の周囲は、悪い手癖が出ないように監視していたのですが、競艇が趣味で遊ぶ金がなくなるとすぐにスリで稼ごうとする。多く稼いだ時は、鰻や寿司の出前を取りまくり、派手な服にアクセサリーをジャラジャラと着け、スキップをするように出掛けるためすぐに分かるんです。そして、突然しばらく姿を消し、帰ってくると『病気で入院していた』、『関西に旅行に行っていた』などと言う。たぶん、また捕まっていたんだろうと話していましたよ」(近隣住民)

 “さと婆”の悪い手癖…まだまだ気分は現役なのか。

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