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蝶野正洋の黒の履歴書 ★経済不況に備える「コロ活」

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提供:週刊実話

 新型コロナウイルスによって、経済活動は大打撃を受けている。それに合わせて、俺自身だけでなく、仕事や会社もコロナに合わせて見直していかなきゃいけない。だから受け身になってるだけじゃなく、自分からコロナに対してアクションしていく活動、いわば「コロ活」を俺は進めていきたいと思ってる。

 新型コロナが流行して以降、俺の会社は前年度比で3〜4割減の売上高になってしまった。最初のうちはコロナさえ収束すれば持ち直すんじゃないかと考えていたけど、いまは以前のようには戻らないんじゃないかなと思っている。
 主力のひとつだった俺のイベント出演なんかも、イベント自体がまだまだお客さんを入れることが難しい状態。来年になっても完全に回復しないだろうね。それに、興行やイベントは今回のようなパンデミックや災害の影響を受けやすいから、いつまたダメになるか分からない。事業としては計算を立てるのが難しいんだよ。だから、今後のイベント事業の売上高は、コロナ以前の8掛けぐらいが目標かなと感じている。

 居酒屋やレストランなどの飲食店も、前年度までの売り上げには戻らないと思う。今は3〜4割くらいの客数でかろうじて営業していて、戻ったところで6〜7割ぐらい。今は延命してるけど、遅かれ早かれなん割かは脱落して店をたたんでしまうんじゃないか。

 だから、今後もその業界に携わるんであれば、より小さな船に乗り換えてやっていくしかないと思う。例えば、ディナーメニューが30あるなら半分に絞るとか、メインメニューを専門店に切り替えて仕入れロスを減らすとか。

 このダウンサイジング的な考え方は、事業をやっていくにはやむを得ないし、いろんな業界で進んでいくと思う。アパレル業界でも、コロナで外に出かけなくなると、ファッションに対する興味も薄れてしまう。それにTシャツひとつとっても、いまは安くていい物が手に入る。そうなると、毎シーズン3枚買っていたのが、コロナということもあって「1枚でいいか」という考え方になって、市場が小さくなっていく。

 コロナ不況で怖いのが、リーマンショック時みたいにガンッと落ちるんじゃなくて、様子見をしながらジリジリと下がっていくところ。これは精神的にもよくない。なんとか踏ん張ってたけど、心身ともに耐えきれなくなってきて、ある日ガクッとやる気がなくなって廃業するみたいなケースが増えるんじゃないかな。会社の倒産や失業者が溢れる世界的な不況のピークは、来年から3年後と長いんじゃないか。

 それまでに、事業の体制や生き方を変えておこうというのが「コロ活」だよ。

 俺が「コロ活」としてまず手をつけようかと思っているのが、会社の事務所の移転なんだよ。リモートワークが普通になれば社員は事務所に出る必要性がないし、外出自粛で来客も少ない。いまは銀座に事務所を構えているけど、その意味が薄くなっている。だったら、調布銀座とか、戸越銀座とかの商店街でもいいんじゃないかな(笑)。

 逆を言えば、事務所なんてどこにあっても揺るがない体制とブランド力を作っていかなきゃならないってことだよね。

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1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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