A:糖質は、米、小麦などの炭水化物食品にたくさん含まれています。でんぷん、糖類なども同類で、菓子にも多く含まれます。
糖質以外の栄養素のタンパク質や脂質もブドウ糖に変換されてエネルギーとして使われます。しかし、食後に血糖値を上げるのは糖質だけです。
血糖値を上げないためには、摂取エネルギーを減らせばよいといわれてきました。けれど、いくら摂取カロリーを減らしても、糖質の摂取量を減らさない限り、食後の血糖値の急上昇は防げないのです。
●肉食に強い体質ではない
それなのに、日本人の多くは、ごはん、麺類、パンなど糖質の多い食事を好んで食べています。
日本人は遺伝的に血糖を下げるインスリンを分泌する能力が低いため、糖質を摂り過ぎると、ブドウ糖が十分に細胞に取り込まれません。それゆえに、血中にあまってしまうわけです。これが高血糖の状態です。
言い替えると、欧米人のようにインスリンの分泌能力が高ければ、少々多めに炭水化物食品を摂っても、食後に血糖値が急上昇することはありません。一般に日本人は、体質的に炭水化物に弱く、特に弱い人が糖尿病になりやすいのです。
逆に、炭水化物食品をカットすれば、食後の血糖値の急上昇を防ぐことができます。だから、糖質カットの食事が人気になり、広まったわけです。
●飲酒後に軽くごはんを
ご質問の方は、それを実践し、米から肉中心の食事に切り替えたようですが、痛風を起こしたということは、けっして肉食に強い体質ではありません。肉食は尿酸値を上げます。
結論としては、極端に偏りすぎた食事はよくないということです。
炭水化物食品をすべてカットするのではなく、穀類、野菜、豆類、肉類、魚などをバランスよく食べましょう。
また、お酒を飲んだ後にふらふらすることがあるそうですが、おそらく糖質不足のためでしょう。お酒は糖質を消費します。そのため、糖質をあまり含まない食品をつまみにすると、低血糖を引き起こします。
糖質をあまり気にせず、飲んだ後に軽くごはんを食べればいいのです。
偏った方法には、落とし穴があることを認識してください。
岡田研吉氏(玉川学園・岡田医院院長)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病に成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。