市政担当記者が言う。
「橋下は、地域政党『大阪維新の会』の推薦は受けるが、『日本維新の会』からの推薦は自ら拒否したという。このため、原発や中国、改憲問題などで、またぞろ石原慎太郎共同代表が大暴言を吐くことを警戒したとの見方が浮上したのです。ところが、その後、大阪維新内部から『これは選挙後に石原氏率いる旧太陽の党に三くだり半を突きつける布石』との話が聞こえだし、評判となっているのです」
日本維新の会内部では、以前から旧太陽の党系と大阪維新の会系議員らの隙間風が、何度も取り沙汰されてきた。そのため、在阪記者の間では「橋下氏は当選後、大阪維新の会からの出直しを画策している」との声まで上がり始めているのである。
もっとも、こうした噂に旧太陽の党系の対応は、冷ややかなもの。「やるならやってみろ!」と言わんばかりの物言いなのだ。
「市長選では自民、公明、民主、共産が候補者擁立を見送っているが、ここにきて北区の区長が出馬を検討中と報じられた。ただ、この人物は橋下氏が市長になった時に行った、区長の公募に応募してきたいわば子飼い。市長選を独り相撲にしようとする他党の策略に慌てた橋下氏が、裏から手を回したと評判で、分裂すれば自らの政治家生命を危うくする可能性も大なのです」(旧太陽の党系議員)
要は、虚勢は張っているものの、橋下氏の求心力は風前の灯。当選しても大阪市民に見限られ、分裂などできないと見ているのだ。
政治部記者がこう語る。
「橋下が、旧太陽の党議員系といずれ決裂しようと考えているのは確か。ただ今回の推薦拒否がその布石だとしても、市長選後に求心力が戻らなければ、その野望も潰えてしまうのです」
その意味では、市長選はのるか、そるかの大バクチと言えそうだ。