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万病の元である「口呼吸」から「鼻呼吸」への治し方(2)

 「鼻で呼吸が出来ている人は、免疫系の活性化が期待できるわけですが、激しいスポーツをしている時は当然、鼻では呼吸が追いつかず、口呼吸をすることになります。それが、免疫系を傷める原因にもなるといえます。ですから、最近、スポーツ選手がよく使う鼻腔拡張テープ(アクティブマックスなど)を使うのも鼻呼吸をするためのもので、効果があります」
 こう話すのは、東京社会医学研究センターの村上剛主任。さらに、説明を続ける。
 「呼吸をする時に、口を少し開けた状態の口呼吸になっている人は、よく注意してほしい。いろんな病気の元であるウイルスをたくさん含んだ外気を、常にダイレクトに吸い込んでいるわけですから。危ない話をすれば、喉の粘膜にウイルスが付着すれば腫れが起こり、喉の粘膜に起こる炎症が原因でリンパなどもバランスを崩し、体内の免疫力が低下してしまいます」

 そうなると、前述したような花粉症やアトピーなどのアレルギーを誘発したり、糖尿病や白血病、高血圧などの病気の原因につながる、と村上主任は指摘する。
 また、口呼吸していると口の中が乾燥して唾液が出にくくなり、口臭や虫歯、歯周病などにもなりやすく、味覚障害の危険もある。
 ある歯科医師も「口が開いたままの呼吸なので、舌にかかる圧力が変わり、歯(特に前歯)が少しずつ押し出されるように動き、歯並びも悪くなる」と語っている。

 弊害が多く“万病の元”といえなくもない口呼吸。これを“正義の味方”の鼻呼吸に直すことはできるのだろうか。
 「まず、口呼吸の原因をきちんと理解した方がいいでしょう。鼻の奥にあるアデノイド(咽頭扁桃)が大きくなり、空気の通り道が狭くなっている事が考えられる。鼻で呼吸がしづらい状態が続くため、口呼吸が習慣になってしまうのです。アデノイドは、風邪などでも腫れて大きくなる。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻詰まりも、口呼吸のきっかけになります」(中尾院長)

 そして、口呼吸を治す方法について、こう語る。
 「何はさておき、口を閉じる習慣を身に付けること。顎の筋肉が弱いのも一因なので、よく噛んで食べる習慣をつけ、顎を鍛えましょう。もし鼻炎などの原因となる病気があるなら、専門医で治療を受けてください。手術でアデノイドを取る事もできます」

 この他に、鼻呼吸を促進する方法を、次に挙げてみた。
(1)鼻腔拡張テープやノーズクリップなどを使う。
(2)少し濡らしたマスクを口にして寝る。
(3)口に“逆ハの字”にテープを張る。
 ただし、いずれも鼻呼吸が出来る事を確認してから行うこと。花粉症やアレルギー症などがあって、クシャミが出やすい場合、テープを貼るのは注意が必要。クシャミのために、耳の鼓膜にダメージが及ぶことがあるからだ。

 家に帰ったら、鼻の下にプラスチック板を当て、鼻息でそれが曇るかどうかで、鼻呼吸派か口呼吸派かわかるという。もし口呼吸派だったなら、すぐに改善する努力をする必要がある。

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