矢野監督
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スポーツ 2021年01月07日 11時10分
阪神・矢野監督、ドラ1佐藤が足かせに?「勝利優先となるシーズンなのに」勝利と育成の両立をOBも不安視か
オフの戦力補強に成功したと言っていいだろう。しかし、それは阪神・矢野燿大監督へ、最も難しい采配を“強要”したことにもなる。 「一番難しいのが、ドラフト1位ルーキーの佐藤輝明外野手(近大)です」(球界関係者) 今さらだが、佐藤はソフトバンク、巨人、オリックスとの4球団競合の末、交渉権を引き当てた強肩強打のスラッガーだ。「三塁手」ではあるが、矢野監督は外野手でスタートさせるという。 「阪神の選手構成を見ると、三塁に4番の大山悠輔がいて、矢野監督は一塁にサンズをコンバートし、新加入のメル・ロハス・ジュニアをレフトで固定する予定です。マルテの復活にも期待しており、でも、彼のポジションは一塁か、三塁。大山、サンズ、マルテの3人で一塁、三塁のポジションを回していくつもり」(前出・同) 「佐藤の外野スタート」は、外国人選手を含めた最も厳しい内野のレギュラー争いから外したとも解釈できる。しかし、実際はそんな単純な話ではないようだ。 >>阪神・矢野監督、ドラ1佐藤の今後を明言「そんなに甘くない」鮮烈デビューには否定的も、数年後の未来には期待?<< 前出の関係者は「将来性はともかく」と前置きし、こう説明する。 「佐藤には経営サイドも大きな期待を寄せています。一軍となれば、一軍スタートはもちろん、試合にも出していかなければなりません。でも、今の佐藤のレベルでは厳しいかな…」 「厳しい」とは、打撃のこと。佐藤は打撃力を評価されていたが、アマチュアとプロではレベルが違う。今の打撃フォームのままでは、「レギュラーとしてやっていけない」というのが、本当の評価だ。 「今の打撃フォームだと、内角の直球、外角の変化球に苦しむと思います」(プロ野球解説者) 矢野監督を始め、阪神首脳陣も「このままでは通用しない」と思っている。打撃フォームの修正個所など細かい話はともかく、それでも、経営サイドは「スター候補だから、どんどん試合に出していくべき」と捉えている。 「矢野監督も佐藤をスターに育てたいと思っています。でも、現段階ではレギュラーを獲る力はないと見ています。また、『二軍スタートさせるべきではない』とも考えています。二軍のピッチャーなら、今の佐藤でも打てますから。一軍ピッチャーの強い直球、鋭い変化球を体感させることで、現在の打撃フォームではレギュラーにはなれないと認識させたいんです。プロの壁にぶつかって、そこからが本当のスタートになる、と」(前出・同) 「一軍戦で使う」という点では、中身こそ違うが、フロントと現場の考えは一致しているようだ。だが、佐藤がスタメン出場した時、攻撃の勢いを止めてしまう場面も出てくるだろう。 「韓国球界で打点、本塁打の二冠王に輝いたメル・ロハス・ジュニア、同じく20勝を達成したラウル・アルカンタラ、日米通算95勝を挙げたチェン・ウェインの獲得に成功しました。これは勝つことを最優先とした補強です。勝利優先となるシーズンなのに、佐藤も試合で使って育てていくのは大変なこと。勝利と育成という、矛盾した2つを矢野監督は課せられたわけです」(プロ野球解説者) 去る1月4日、阪神OBの掛布雅之氏が関西圏のニュース番組・スポーツコーナーに出演した時のことだ。「優勝のキーマンは?」との質問に対し、「矢野監督」と答えていた。優勝を意識した補強、黄金ルーキーの育成。掛布氏は冗談めかした口調で語っていたが、佐藤を起用しなければならないことを知っていたのかもしれない。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年12月21日 11時05分
阪神・矢野監督、助っ人8人態勢で自滅? シーズン途中の緊急補強も絶望的か
オフの補強が巧くいけば、優勝できる。それがプロ野球界の定説だが、その意味では、今オフの矢野阪神の補強は、一か八かの賭けに出たのではないだろうか。 米球界挑戦も視野に入れていたロベルト・スアレス投手の残留は決定的となった。米メディアによれば、「2年675万ドル(7億200万円)で合意した」とあり、阪神側もそれを否定していない。今季のセーブ王の残留は間違いなく、プラスだ。 しかし、“定員オーバー”でペナントレース途中、「手の打ちようがない」なんてことにならなければいいのだが…。 「今季終盤、千葉ロッテで投げたチェン・ウェイン、韓国の20勝右腕、ラウル・アルカンタラの2投手も新たに獲得しました。サンズは残留、韓国で本塁打、打点の二冠王となったメル・ロハス・ジュニアも獲りました。マルテ、エドワーズ、ガンケルも残留の方向で交渉を続けています」(在阪記者) マルテたち3人も残留すれば、来季は「外国人選手の8人態勢」で臨むことになる。 新型コロナウイルスの特例措置は、来季も継続される。一軍登録できる外国人選手の人数は5人に拡大されたままだが、試合登録できるのも4人のまま。つまり、阪神は“4人の余剰人員”を作ってしまったわけだ。 「先発のチェン、アルカンタラが投げたら、その翌日に一軍登録から外し、4人の試合登録枠を他の外国人選手で使い分けていくと思います」(前出・同) クローザーのスアレス、スタメンが予定されているサンズ、ロハスの3人はシーズンを通して登録されるだろう。ここに、先発で起用するチェンとアルカンタラを加えて、5人。マルテたちは残留が決まっても、出場機会は限られてくる。 「いや、チーム全体のことも考えないと…。マルテたちが残留したら、支配下登録は69人。こちらは70人までだから、シーズン途中で主力選手が故障することになったら、定員オーバーでトレードができないかも。キャンプ、オープン戦で育成枠の選手を支配下登録することになったら、シーズン途中での補強はできなくなる」(プロ野球解説者) >>来季の阪神はブルペン陣の崩壊不可避?関西球団の明暗分けるか、能見放出で失った“トラの財産”とは<< 外国人選手が活躍すれば、原巨人追撃の一番手となる。だが、試合登録などが助っ人優先となれば、若手のヤル気にも影響してくる。こんな情報も交錯している。 「ロハスはスロースターターの傾向があります。序盤戦は打てなくても使っていくつもり。矢野燿大監督はレフトでのスタメンを予定していて、サンズが一塁に入りそう。三塁は大山で、ドライチの佐藤輝明はライトで使っていきます」(球界関係者) センターは近本光司だろう。矢野監督はポジションこそ言わなかったが、「1番・近本」の打線構想を関西系のメディアも口にしている。若手だけでなく、高山、江越、中谷らの中堅クラスの出場機会も激減しそうだ。 先の関係者によれば、「2003年の再来」なる言葉も聞こえてくるという。 同年のVチームは阪神だった。しかし、02-03年オフ、宿敵・巨人は主砲・松井秀喜をメジャー流出させている。阪神側は今オフの菅野流出を重ねて見ているそうだ。03年の再来か、外国人選手をアテにしすぎて、痛い目に見たチームは過去にたくさんあったが…。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年12月01日 11時00分
阪神・矢野監督、スアレス流出でも問題ナシか 代役は藤浪ではない? 最終盤の意味深采配で選んだ投手とは
矢野阪神が2021年に向けて動き始めた。手薄な内野手の補強にはライバル巨人の控え選手を獲り、今度は千葉ロッテに途中加入した左腕、チェン・ウェイン投手との交渉に乗り出すという。 「今季、規定投球回数に達した先発投手は西勇輝と青柳晃洋の2人だけ。左の先発と言うと、高橋遥人がいますが、シーズンを通じて投げ切った経験がありません」 関西で活動しているプロ野球解説者がそう言う。 高橋と言えば、矢野燿大監督が「エースとして…」と期待の高さを口にしたほど。その若手を不安視し、同じタイプの先発投手を補充しようとしているのだから、優勝への意気込みもホンモノと言っていい。 しかし、「チェン獲得へ」の一報が飛び込んできた11月30日、その補強への意気込みとは異なる話も聞かれた。リーグ最多の25セーブを挙げたクローザー、ロベルト・スアレスについてだ。 「慰留交渉に失敗したようです。シーズン終盤からメジャーリーグへの移籍を検討しているとの情報も流れていましたが、案の定」(在阪記者) スアレス流出に対し、複数の球団幹部が「根気強く」の言葉を発していたそうだ。残留交渉の継続というわけだ。セーブ王を引き止めたい気持ちは分かる。ある意味、チェンの獲得よりもスアレスの残留の方が来季の命運に掛かってくるからだ。 「藤川球児も引退し、スアレスまでいなくなれば、柱となる救援投手がいなくなってしまいます。チームが新しい外国人選手を探しているとの情報は聞いています。でも、それは大砲タイプのスラッガーと、先発タイプのピッチャーなんですが」(前出・同) スアレスの退団は既定路線、半ば覚悟していたのかもしれない。 ファームでクローザーを務めているのは、浜地真澄と尾仲祐哉。二軍で3点を切らない防御率では、まだ一軍戦の最終イニングは任せられない。主にセットアッパーを務めてきた岩崎優の配置換えか…。前出のプロ野球解説者がこう言う。 「今年11月5日のヤクルト戦(甲子園)ですよ。矢野監督はスアレスに休養を与えようと、ベンチ入り登録から外しました。その時、9回最後のマウンドに上ったのが岩崎でした。スアレスの流出危機は矢野監督の耳にも届いていたはず。クローザーの適性をテストしたのかもしれません」 また、16日の練習後、矢野監督は「藤浪は先発」と記者団に言い切った。チーム関係者によれば、1イニング限定で登板した時の藤浪が首脳陣の間で取り上げられていたそうだ。160キロ強を連投できる豪腕ぶりに「ポスト藤川」の意見もあったという。 >>来シーズンの阪神、山本昌氏の入閣が浮上?人望厚い“元臨時コーチ”は藤浪の復活も左右か<< 矢野監督は藤浪ではなく、岩崎を選んだようだ。今後、クローザータイプの外国人投手を見つけてくるかもしれないが、岩崎はプロ7年目の今季、初めてセーブポイントを挙げた。先発では重複するタイプを獲りに行き、リリーバーは手薄なまま。補強ポイントがぶれているのか、それとも、クローザー・岩崎の活躍に確信があるのか。今後の補強に注目だ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年09月28日 11時25分
矢野監督激怒で審判団謝罪も“疑惑”は晴れていない? 阪神を悩ます2夜連続のトラブル、地元からは“再建希望”も
矢野阪神が東京ヤクルトに快勝した(9月27日)。今季最後の神宮対決を白星で終えたことは大きい。しかし、この後味の不味さはペナントレース全日程が終了するまで続きそうだ。 >>阪神のサヨナラ勝利が誤審で取り消しに!「責任を取って辞めます」審判は覚悟、監督も激怒した史上最長試合<< 試合前、異例の光景が見られた。ホームベースを挟んで、両チームの監督がスタメン表を交換する。ここまではいつもの光景だが、審判団の対応が違った。メンバー表を交換し、矢野燿大、高津臣吾両監督が「宜しくお願いします」の挨拶をした直後、同日の責任審判が「昨日は…」と謝罪し、頭を下げたのだ。 「こんなに大ごとになるとは思わなかったのでは。矢野監督があんなに大きな声を出して怒るところなんて見たことがないし、記者団も文書で回答する可能性がありましたから」(スポーツ紙記者) 前日26日の同カードで、「事件」は起きた。8回表の阪神の攻撃終了後、矢野監督が選手交代を告げた。その際、阪神サイドは審判団から“ある疑惑”をかけられ、「試合中に言う必要かあるの?」「するわけないし!」 と、矢野監督がブチキレたのだ。 「審判も悪気があったわけでもなく、また、そんなに重要なことでもないと思っていたみたい。矢野監督がたまたま選手交代を告げにきたので、ついでに伝えておこうみたいな…」(前出・同) 7回の阪神の攻撃中だった。本塁クロスプレーのリプレー検証が行われた。その試合中断の最中、一塁コーチャーボックスの井上一樹コーチが次打者の近本光司に近づいて行った。その近づいていく途中で、井上コーチと近本がバックネット裏にある記者室の報道陣とコンタクトを取ったように見えた、と。 主審は「紛らわしい行為」として注意し、矢野監督が「あり得ない」として、猛反論した。そのゴタゴタが一夜明けても続いており、27日の試合前、審判団が頭を下げたわけだ。 「審判団が謝罪したのは、『試合進行を妨げたこと』。阪神サイドに向けた疑惑については口にしていません」(球界関係者) 立場上、疑惑を向けたことを表立って謝罪できなかったのだろう。 「試合中、井上コーチにコンタクトを取った報道陣はいません。試合前、記者数人が阪神、NPBから質問を受けています。事実無根を文書で回答することになるかもしれないと覚悟したメディアもありました」(前出・同) 3連戦での審判団はほぼ同じメンバーで構成される。モメた審判と次の日もまた顔を合わせるのは気まずいものだ。 「今季最後の神宮球場での試合を制したのに、矢野監督の表情はイマイチでした」(取材記者) 阪神は再びコロナ感染者を出してしまい、25日に10選手が離脱した。矢野監督は当然、お冠であり、関西方面の一部メディアではチーム再建論も展開されている。宿敵・原巨人の独走よりも悔しいことがチーム内に…。神宮球場からクラブハウスに引き上げる矢野監督の背中が寂しげに見えたのは筆者だけではないはずだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年09月17日 11時20分
巨人戦勝ち越し消滅の裏で、矢野阪神に大きな課題 “コスパ”の悪い助っ人砲、再契約に期待する声も?
矢野阪神が巨人戦に連敗し、今季の巨人戦カード勝ち越しも消滅した(9月16日)。これで、13年連続の巨人戦カード勝ち越しナシだ。また、敵地・東京ドームに関して言うと、開幕から8連敗。開幕からの巨人本拠地での連敗記録となると、1963年の9戦9敗以来。負の連鎖は続いている。 >>阪神・矢野監督に「勝負勘が無さすぎる」ファン激怒 大量得点を狙った強攻策に批判、本人も采配ミスを反省<< 「試合前、坂本と岡本がコンディション不良でスタメンから外れるとの情報をキャッチしていました。チームリーダーと4番がいないのなら何とかなると思った首脳陣もいましたが」(在阪記者) 8回と9回、打線が最後の意地を見せるも、あと一歩が届かなかった。そんな矢野阪神から、キナ臭い話も聞こえてきた。「ボーアとは来季も契約するのか?」というものだ。 今さらだが、ジャスティン・ボーアは4番を予定して獲得した現役メジャーリーガーだ。しかし、「左投手が苦手」という米球界時代の弱点は克服されず、この日もクリーンアップではなく、6番での出場となった。 そのボーアとの契約は「1年」。推定年俸は2億7000万円であり、打率2割5分2厘、打点36では物足りない感は否めない(同時点)。 「本塁打12をどう評価するかで、再契約するか、新しい大砲タイプの外国人選手を探すかが決まるでしょう。サンズが18本、大山が19本の本塁打を打っており、ボーアはチーム3位。長打力を秘めた若手がレギュラーを掴んでいないチームの現状を考えると…」(前出・同) 打撃成績はイマイチだが、残留・再契約か否かの評価は五分五分といった雰囲気だ。 「性格は明るく、阪神ナインとも馴染んでいます」(関係者) おそらくだが、ボーアの米球界復帰は厳しいだろう。メジャーリーグは一連のコロナ禍で無観客試合などが続き、その収入ダウンはオフのチーム補強にも影響すると言われている。「日本びいき」というボーアの性格も考えると、本人も阪神残留が第一希望ではないだろうか。 「やはり、4番を予定して獲得した外国人選手がこの数字では…。でも、春先は来日2年目のマルテの調子が物凄く良かったじゃないですか。変化球の多い日本のピッチャーに慣れた2年目のボーアに期待するという前向きも意見もあります」 関西地区で活躍するプロ野球解説者がそう言う。 近年の阪神のオフと言えば、大砲タイプの新助っ人探しが続いている。獲得が決まると、待望論一色となる。そのシーズン敗退の雰囲気を払拭させる“毎度の雰囲気作り”で、「ボーアを切って、新たな外国人を」という声もないわけではない。 敗戦ムードを消し去るため、ボーアを切るのか、それとも、覚醒を待つか…。いずれにせよ、阪神のベンチ裏では「オフの話」が色々と出始めたのは間違いない。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年09月15日 11時50分
阪神・矢野監督、藤浪二軍降格は覚悟の表れ? 負ければ“終戦”の対巨人戦、秘策は他にも「出塁率の高さに着目した」
運命の舞台は“鬼門”、矢野阪神が責任を負わされるような幕引きとならなければいいのだが…。 敵地・東京ドームでの巨人3連戦が始まる(9月15日)。初戦に敗れれば、巨人に優勝マジックナンバーが点灯し、同時に阪神は自力優勝の可能性が消滅となる。高橋、青柳、西勇輝の3人を先発マウンドに送り込む“必勝態勢”も伝えられるが、他球団からは冷めた声も聞かれた。 「首位巨人と2位阪神のゲーム差は、9・5。これをパ・リーグの順位表に照らし合わせてみると、首位ソフトバンクと5位埼玉西武のゲーム差になるんです。3位以下の全チームにも責任はありますが、仮に阪神がこの3連戦で勝ち越したとしても、巨人優勢の図式は変わりません」 この“優勝カウントダウン”の決戦前(12日)、12球団実行委員会が開かれている。一連の新型コロナウイルス禍により、「5000人まで」とした観客動員数の規定について、解除できるか否か、社会情勢などの情報を整理した。 「政府が大規模イベントの人数制限を収容人数の50%に緩和する方針を発表しています。この発表を名目に、5000人の上限値を大幅に引き上げる選択肢もあったはずですが、12球団は慎重でした。感染防止の観点はもちろんありますが、肝心のペナントレースが『消化試合』となってしまっては、客足も遠のくだけ。昨季、12球団トップの観客動員数を誇った阪神が1万人で様子見という慎重さです」(ベテラン記者) 僅差での接戦が続いていたのであれば、特にセ・リーグ各球団はまた違う判断をしたのかもしれない。 >>阪神・藤浪に「常に力が入っている」斎藤氏が苦言 3戦未勝利で登録抹消、一軍帰還を左右するカギは<< このままマジックナンバー点灯となれば、矢野阪神は「ペナントレースを終わらせた」と思われるだろう。 「矢野燿大監督は巨人を独走させてしまった責任を痛感しています。本当に阪神は巨人とのゲーム差を縮めようとしています」(在阪記者) その一例が、藤浪晋太郎の二軍降格だという。来季以降を見据えて、チャンスを与え続ける選択肢もあったわけだが、それをしなかった。また、昨今は守備面での負担の大きい捕手の梅野隆太郎を2番に置く新打順で臨んでいる。2番は機動力も求められる場面も多い。もっとも、先頭バッターが出塁して、2番バッターが揺さぶるという場面は「初回の攻撃だけ」との意見も聞かれたが、こんな指摘もある。 「打順変更について、何度かコーチ陣と話し合ってきました。その中で出たのが2番ではなく、『4番・梅野』でした」(関係者) 矢野監督は梅野の「出塁率の高さに着目した」と2番を任せた理由を語っていた。4番の重圧を託すのは得策ではないと考えたという。4番の重圧を背負わせなかったということは、こうも解釈できる。打撃好調な梅野が調子を落とした時が、本当の意味でのジ・エンドだと…。 「梅野を2番に置く打順には反対意見も多いんです。矢野監督は自分の意見を貫き通すのか、それとも、また打順を変更するのか…。仮に巨人3連戦の初戦を落とし、その後にまた打順を変更したら、阪神ナインも浮足立つかもしれません」(前出・在阪記者) チームは現在4連勝中。しかし、巨人も7連勝中(引き分けを挟む)であり、今季、どういうわけか、東京ドームでは6戦全敗と相性が悪い。2番・梅野が活躍できなかったら、矢野監督の心も折れてしまうだろう。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年09月10日 11時50分
阪神、解雇投手から逆襲される? 自力V消滅危機の裏で起きていた復活劇とは
1分けを挟む3連敗で勝率5割に逆戻り。今日9月10日の勝敗如何では矢野阪神の自力優勝の可能性が消滅してしまう。今季最大となった首位・巨人とのゲーム差「10」を指し、こんな話も聞かれた。 「阪神と巨人の対戦成績は、巨人の10勝3敗。『貯金7』も献上したチームは他にありません」(ベテラン記者) 矢野阪神を土俵際まで追いやった舞台は、横浜スタジアムだった(9月9日)。つまり、DeNAの本拠地だが、そこからクルマで40分ほど離れた横須賀に横浜DeNAベイスターズの二軍施設がある。その横須賀スタジアムで、DeNA二軍戦が同時間帯に行われたのだが、対戦チームのヤクルト二軍が先発マウンドに送ったのが、元阪神・歳内宏明投手。歳内は6イニングを投げ、被安打3、無失点と好投。昨年オフ、阪神を解雇され、独立リーグ・香川に転じたが、ヤクルトに見込まれ、NPB復帰を果たしたのだ。 近日中の一軍昇格も伝えられていたが、案の定と言うべきか、「まだ通用するのに、何で、阪神はクビにしたんだ!?」なんて声も聞こえてきた。 >>阪神・坂本に「フォローのしようがない」達川元監督が苦言 勝敗に関わるミス連発、ファンからも批判相次ぐ<< 関西地区で活躍しているプロ野球解説者がこう言う。 「歳内は主に中継ぎで活躍してきました。でも、近年は右肩の故障で結果を残せず、見切りをつけたというわけです」 中継ぎで…。3連敗を喫した9日だが、8回に中継ぎ投手2人が「1安打2四球3暴投」と自滅し、その時点で敗戦が決定的になった。歳内に「もう1年のラストチャンス」を与えていたら、結果論だが、今季の継投策はまた違ったかもしれない。 「歳内は高卒でプロ入りし、8年目のシーズンに戦力外となりました。高卒8年目でブレイクした阪神投手と言うと、秋山拓巳がいます。6年目あたりから首脳陣も厳しい目で見るようになり、でも、一部コーチが『もう少しだけ待ってやってくれ』と訴えたんです。その8年目の2017年に秋山が先発で2ケタ勝利を残しました。以後、阪神には『8年は待つ』みたいな雰囲気になりました」(球界関係者) プロは結果が全てなので、歳内を解雇した阪神の決断も間違っていない。とは言え、伸び悩んだ原因である右肩の故障を巡って、「治った」「治っていない」の意見衝突があったとの情報も駆け巡っている。短期間でのNPB復帰を果たした歳内本人の努力もあったのだろうが…。 「昨秋のドラフト会議では、高校生中心の指名となりました。高校生を大量に指名すると、育成の夢が膨らむので、ファンも盛り上がります。それと同時に、伸び悩んでいる20代半ばの中堅選手が見劣りしてしまい、球団も人員整理を急ぎます」(前出・同) 歳内を獲得したヤクルトもペナントレースでは厳しい局面に立たされている。中継ぎではなく、先発要員として歳内を使って行くそうだが、その舞台に阪神戦が選ばれる可能性もゼロではない。 自力優勝の可能性を失い、解雇した投手に封じ込まれるなんてことになったら、矢野阪神の受けるダメージはかなり大きなものになりそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年09月04日 11時45分
阪神・矢野監督、ベンチにスアレスを入れなかった真意 選手も直前まで知らされていなかった?
この大敗は、他球団にもダメージを与えていた(9月3日)。甲子園球場でこんなシーンが見られた。2回裏の阪神の攻撃が終わったところで、センターバックスクリーンに他球場の途中経過が映し出されるのが恒例だが、巨人対DeNAのスコアは「13対1」。この大差にスタンドがざわついた。攻守交代でグラウンドに向かう阪神ナインは一瞬、何が起きたのか分からず、顔を見合わせた。対戦チームの東京ヤクルトナインも“巨人圧勝”に気づいたが、両チームとも、暫くはダンマリといった雰囲気だった。 「巨人はこの後、阪神、中日と敵地での連戦が続きます。マジックナンバー点灯を阻止できるかどうかは、阪神次第となりました。翌日から対戦するチームがワンサイドで勝っていると聞いたら、イヤな気持ちにもなりますよ。DeNAに対し、もうちょっと頑張ってくれたらの心境だったと思います」(スポーツ紙記者) 同日の阪神はヤクルトのリリーフ投手、マクガフが走者のいない一塁へけん制球を投じる凡ミスで勝ちを拾った。 >>広島・達川元監督がコーチに「相当反省しなきゃ」 阪神・ボーアの“拙守”にファン・OBから苦言、バッテリーにも「不用意」と批判<< 「矢野監督はゲームセットの瞬間まで祈るような気持ちだったはず」(球界関係者) 1点リードの9回表、クローザーとしてマウンドに上ったのは、スアレスではなく、岩崎優だった。 試合後の共同インタビューで、矢野監督はこう語っていた。 「今日、(スアレスは)ベンチに入れてなかったのでね。登板がかなり多くなっていましたし、ベンチにいるとどうしても僕も使いたくなるんで。今日は帰れ、と。そういうことで…」 試合出場登録のメンバー表にはスアレスの名前があった。登板過多となっているので、リフレッシュ休暇を与えたというわけだ。その選択は決して間違っていないが、こんな指摘も聞かれた。 「岩崎がクローザーとして登板することは、直前に知らされたようです。スアレスを休ませるつもりでいたのなら、岩崎や他リリーバーにも事前に伝えておけば、彼らの精神的負担も違ったのでは?」(前出・同) 岩崎は先頭打者にヒットを許し、四球も出している。一打同点という場面まで陥っただけに、「事前通達」の意見も間違いではないだろう。投手出身のプロ野球解説者がこう続ける。 「原監督も登板過多のリリーフ投手を、やはり試合出場登録しているのに、ベンチ入りさせずに帰らせたことが何度かありました。第二期政権で、セットアッパーの山口鉄也(現コーチ)に対し、そういう配慮をしたことが何度かありました」 スアレスを休ませたということは、翌4日からの巨人戦に向けて万全を期すためだろう。原采配を模倣したとは思わないが、共同インタビューで「スアレス温存の意図」が知らされるなり、「そう言えば…」の声は記者団から漏れていた。ベンチに待機させたまま登板させない選択肢もあったわけだが、「スアレスがいたら使いたくなるから」の矢野監督の言葉には、“巨人を止めるためなら、なりふり構わず”の決意も秘められていた。 セ・リーグが長い消化試合を送ることになるのか否か、矢野阪神が命運を握っている。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年07月17日 11時45分
阪神、藤川不在でも復調は濃厚? 各球団のクローザーに明暗、原因は登板過多だけではない?
矢野阪神がヤクルトに逆転勝ちし、4カード連続の勝ち越しを決めた。その7月16日のヒーローは勝ち越し2ランを含む4打点の福留孝介だが、今後のペナントレースを好転してくれそうなキーマンはほかにいた。故障離脱の藤川球児に代わって、クローザーになったロベルト・スアレスだ。 関西地区で活動しているプロ野球解説者が「トラ救援陣」について、こう説明する。 「矢野燿大監督は藤川をクローザーで使う予定でした。今年40歳になる年齢も考慮し、途中で休ませる時期も設けなければなりません。頼りになるセットアッパー、藤川のリフレッシュ休暇中の代役クローザーとして、スアレスを獲得しました」 スアレスは2016年にソフトバンク入りしたが、トミー・ジョン手術を受けた影響で近年は精彩を欠いていた。ようやく、本来の調子を取り戻したのか、同日の登板も150キロ台後半のストレートを連発させていた。しかも、試合後、こんなコメントも発していた。 「今日はセーブのつく場面(での登板)だったから、楽しんで、チャンスを生かそうと思って投げたよ」 今季、クローザーが本調子ではないチームが少なくないのだ。広島のスコットは不振で二軍落ち、巨人・デラロサも早くも故障で戦線を離脱してしまった。それだけではない。(以下成績=同時点)※DeNA 山崎 0勝1敗6S 防御率4・70ソフトバンク 森 0勝1敗3S防御率3・12千葉ロッテ 益田0勝1敗7S防御率3・27東京ヤクルト石山1勝1敗4S防御率4・22阪神 藤川 0勝2敗2S 防御率15・75※ 東北楽天、埼玉西武などクローザーが好調なチームもある。しかし、クローザーの不振は「逆転サヨナラ」の楽しみを増やすかもしれないが、これだけ揃って不振だと、何か他に原因があるかもしれない。 >>元阪神・下柳氏、藤川の“異変”を指摘「全然らしくなかった」 降格前に感じた右肩故障の予兆とは<< 真っ先に考えられる原因は昨季までの登板過多による勤続疲労だが…。 「無観客試合が影響しているのかもしれません。今、各球場とも上限付きでの入場が許されましたが、大きな声を上げるのはNGとされており、球場がシーンとしています。クローザーのモチベーションのせいではないか」(ベテラン記者) 昨季まで、クローザーがアナウンスされるのと同時に球場全体が盛り上がっていた。今季はそれがない。 「そもそも、今季はオリンピックイヤーだったので、例年よりも約1週間早い開幕が予定されていました。2月のキャンプも体力強化の週を飛ばして、いきなり実戦に近い練習となりました。その分、選手たちは自主トレ期間を長くして調整していましたが、加えて新型コロナ禍でペナントレースのスタートが約3か月も遅延してしまいました」(前出・プロ野球解説者) スケジュールがメチャクチャになり、特に投手陣は精神的にも疲れているのだろう。 12球団のチーム防御率を見てみると、4点台が9球団もある。クローザーは「1球の失投」が命取りになるので、先発投手よりも不振が分かりやすい。その意味では、好調で投げることにも飢えていたスアレスのいる阪神が息を吹き返してくるのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年07月03日 11時40分
阪神・矢野監督、金本前監督と同じ末路に? 100敗ペースの大不振、迷走采配は選手にも悪影響か
矢野阪神が中日戦に3連敗し、12球団最速で「10敗」に到達した(7月2日)。ここまで2勝10敗。計算上だが、120試合制だから、このまま行けばシーズン100敗の屈辱ということになるが…。 「4番を予定していたジャスティン・ボーアの不振が痛い。でも、連敗はボーア一人の責任ではありません。矢野燿大監督が思い詰めるようなことにならなければいいのですが」(在阪記者) 前任の金本知憲氏も就任3年目に「さらに3年契約を交わした」という一報が出た後に、“辞任”となった。契約途中での退団となった理由は、成績不振に尽きるが、この続投から辞任に急転した当時の流れが、今の矢野監督に重なりつつある。 「昨秋のドラフト会議ですよ。阪神は本拠地の甲子園、つまり、春夏の甲子園大会で活躍した高校球児ばかりを指名し、『自分トコの庭でスカウト活動をしたな(笑)』と他球団も苦笑いしていました。次年度の戦力補強を捨て、将来への投資をしました。ある意味、補強ゼロとも言えるドラフト指名でした」(ライバル球団スタッフ) 他球団の目には、矢野監督には長期的な視野に立って、チームの基盤作りをしてもらうと映っていた。育成と勝利の両立は難しい。 >>阪神・ボーアに「今すぐ二軍に落とせ」ファン激怒相手に救われた“怠慢走塁”、矢野監督のカミナリは必至?<< しかし、19-20年オフの間、ボーア以外にもジェリー・サンズ外野手、ジョン・エドワーズ投手らも獲得し、新加入の外国人選手は計5人、投手のガルシア、呂彦青、内野手のマルテの残留も決め、球団史上最多となる“助っ人8人体制”を編成した。 「ドラフト指名した高校生たちは二軍で育成、一軍の戦力補強は外国人選手。フロントは矢野監督に『勝利』を要求したんです」(前出・同) 2日の中日戦、2点ビハインドで迎えた9回表だった。ベテラン福留がチャンスを広げ、無死一、二塁。続く近本に「送りバント」のサインが出たが決められず、矢野監督はヒッティングのサインを出し直した。しかし、力のない打球がショート頭上に上がり、追い上げムードにも水を差してしまった。あと、1本のヒットが出ない…。 「自分が試合を決めなければと、ヘンに固くなっている選手が多い」(ベテラン記者) 矢野監督はここまで12試合で9通りの打線を作っている。「打線を固定し、我慢しろ」という指摘するプロ野球解説者は多い。矢野監督はレギュラーを固定しないことで、選手に「出場のチャンスあり」と発奮材料を与えている。解説者たち、矢野監督のどちらも正論だが、先日に失敗した選手、ヒットを打てなかった選手がベンチスタートとなっている。「ミスをしたら使ってもらえない」と、矢野監督の温情をはき違えている選手もいるのではないだろうか。 阪神フロントもチーム再建を長く待つつもりはない。「優勝の圧力」が矢野監督に重くのしかかりつつあるようだ。(スポーツライター・飯山満)
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