アマビエ
-
ミステリー 2020年06月13日 23時00分
オランダに日本の「妖怪のミイラ」が!?オランダ・ライデン国立民族学博物館
先日、Twitterを騒がせた一枚の写真がある。それは「オランダから鑑定して欲しいという依頼が来た」というある妖怪のミイラだ。箱に入ったそのミイラは、くちばしがあり大きな鳥の足が生えた、最近日本で話題になった妖怪「アマビエ」にそっくりの外見だったのだ。かなり衝撃的な写真だったこともあって、Twitterではアマビエなのかそれとも別の妖怪なのか、そもそもなぜ日本の妖怪のミイラがオランダにあるのか、と話題になった。 >>アマビエだけじゃない!?コロナウイルス騒動で再注目される予言妖怪「神社姫」<< 現在でも寺などに安置されていて、たびたび話題にのぼる妖怪のミイラたちは、主に江戸時代に一種の工芸品として作成されたものが大半だと考えられている。そんな妖怪のミイラのコレクションが多数保管・展示されている場所で有名なのが、オランダのライデン国立民族学博物館だ。 この博物館は自然物よりも人工物や民族学的価値のあるものを蒐集の対象とした博物館であり、当初は「日本博物館」と呼ばれていた。設立には過去に日本を訪れたシーボルトの業績が大きい。医師として日本を訪れたシーボルトは、日本で様々な動植物標本から文学・民族学的標本を大量にオランダに持ち帰った。その後、約5000点の日本に関するコレクションを王家のコレクションの一部として寄付し、民族学的見地から博物館を設立するに至る。その後、様々な国の物品が集まっていき、現在の国立民族学博物館へ成長していくのである。オランダに日本の物品が集まるのも当然。江戸時代の日本は鎖国していたが、オランダは数少ない国交のある外国だったからだ。 国立民族学博物館に展示されている妖怪ミイラで有名なものには、「人魚」や「ろくろ首」等のミイラが存在する。いずれも長崎県の出島からオランダ商人が買い付けて自国に持ち帰るなどした、由来や経歴が判明している点でも貴重な資料と言えるものだ。剥製をつなぎあわせ、紙や竹ひごを用いて精巧に造られたミイラの数々は、当時の人々を驚かせたであろう事が窺えるものとなっている。 ちなみに、国立民族学博物館のミイラは、日本国内での企画展で日本に「里帰り」し、見ることができる時もあるので、興味のある人は調べてみてはいかがだろうか。(山口敏太郎)
-
ミステリー 2020年05月02日 23時00分
まるで怪獣!?病気や災いを食らう巨大な虫「辟邪絵」の「神虫」
世界中で新型コロナウイルス肺炎が猛威を振るっている現在、感染防止対策として都市封鎖や外出自粛の要請が相次いでいる。しかし同時に、経済活動の停滞から社会不安も増大している。 コロナ禍のさなかに日本のTwitterを中心に広まった「アマビエ」ブームも、そんな不安を解消するためのものだったのだろう。「アマビエ」は江戸時代に肥後の国の海に出現し、6年間豊作が続いた後に疫病が蔓延することを予言。「似姿を描いた絵を飾るように」と告げて去ったという妖怪で、終わりの見えない新型コロナウイルス感染症が広がるにつれて、改めて注目されるようになった。 病気は病原菌やウイルスが原因と判明している現代でも、特効薬の存在しない病気は恐ろしいものである。ましてや、病原菌やウイルスの存在を知らなかった昔の人の抱いていた恐怖感は相当なものがあっただろう。そこで、洋の東西を問わず病気は、悪魔や悪神などが人々に悪さをすることによって起きるものだと考えられていた。よって、病気を司る悪魔や悪神らは病気を恐れる人々の心理を投影したかのように、恐ろしげな姿で描かれる事が多い。 だが、そんな病気の悪魔や悪神を退治してくれる存在は、並みの悪魔や鬼よりもずっと恐ろしげな姿で描かれる事がままある。以前紹介した「天刑星」もそうだが、今回紹介する「神虫」もそうだ。人間よりはるかに大きく、色の黒いカミキリ虫のように見える虫が、8本ある足で病気の鬼たちを捕まえ、大あごで貪り食う様子が描かれている。その迫力は現代の怪獣のようだ。 実に恐ろしい姿をしているが、この虫も「災厄や疫病を退散させる」聖なる存在であり、須彌山(しゅみせん)の南方の海にある大陸の瞻部州(仏教の世界観で人間が住むとされる大陸)の南の山中に生息していて、朝に三千、夕には三百の悪鬼を貪り食うという。 この絵は「天刑星」と同じく、奈良国立博物館所蔵の国宝となっている「地獄草紙益田家乙本」の中に存在する「辟邪絵」の一つ。「神虫」は中国で蚕の美称だそうだが、神虫が恐ろしい姿で描かれているのは、人々を不安に陥れる病気や災いを何としても食い止めて欲しい、という当時の人々の思いが込められたものだったからなのかもしれない。(山口敏太郎)
-
ミステリー 2020年04月26日 23時00分
病気の鬼を貪り食う善神「辟邪絵」の「天刑星」
現在、世界中で新型コロナウイルス肺炎が猛威を振るっている。日本でも感染者が日に日に増大しており、緊急事態宣言から来る外出自粛など、全国で感染防止対策が行われている。パンデミックの終わりが見えない現状だが、現在Twitter上で、奇妙な生物を描いたイラストが多くのユーザーによって投稿されている。過去にリアルライブでも紹介させていただいた江戸時代の妖怪「アマビエ」だ。 アマビエは、肥後の国の海に出現した予言をする妖怪で、頭部には長い髪、顔にはくちばし、目は菱型をした人と魚を混ぜたような奇怪な姿をしていた。6年間の豊作の後に疫病が流行ることを予言。その時には、自分の姿を写した絵を見せるように告げて去ったというもの。この通り、アマビエ本人(?)は予言をしただけで、疫病退散の効果を持つわけではないのだが、文脈からは「病気を治す力がある」ように取れてしまうため、当時の人々の間で流行した。そして、時代を超えて2020年の現在、新型コロナウイルス感染症とともに再評価されて、多くの人がアマビエに注目するに至った。 現代では、病気は病原菌やウイルスが原因と判明しているが、洋の東西を問わず、古くから人々は病気を目に見えない何かによってもたらされるものだと考えていた。病気の悪魔や悪神などが人々に悪さをさせているというもので、日本の場合は、古代中国の病気を司る鬼神「疫鬼」の伝説が伝わった事も影響している。そこで、昔の人は流行り病に悩まされると、病気平癒を祈願して様々な「疫鬼」を退治する絵を描いていた。これが「辟邪絵(へきじゃえ)」である。日本で最も有名なものは、奈良国立博物館所蔵の国宝となっている「地獄草紙益田家乙本」の一部で、天から遣わされ悪鬼を退散させる善神「天刑星」が、子鬼の姿で描かれている「疫鬼」たちを貪り食う様子が描かれている。後白河法皇の蓮華王院宝蔵に保管されていた「六道絵」の一部とされており、12世紀、平安時代末期から鎌倉時代初期に作成されたと考えられている。 流行当初から比べて猛威を増しているように思える新型コロナウイルス感染症には、これほど強烈なものも必要なのかもしれない。(山口敏太郎)
-
-
ミステリー 2020年03月21日 23時00分
アマビエだけじゃない!?コロナウイルス騒動で再注目される予言妖怪「神社姫」
以前こちらでも紹介させていただいたが、現在ネットで「新型コロナウイルスよけ」と銘打ち、江戸時代に現れた妖怪「アマビエ」の絵が流行している。 江戸時代、肥後の国の海に全身がうろこで覆われて光り輝く奇妙な妖怪が姿を現した。頭部には長い髪があった。顔にはくちばし、目は菱型をした人と魚を合わせたような姿で、6年間の豊作の後に疫病が流行ると予言。自分の姿を写した絵があれば病を防ぐことができると予言して去った。その後、アマビエを描いた絵は疫病よけになるとされ、相当流行したという。この話が語り継がれ、そして病気が流行っている現代に再びよみがえるというのは非常に興味深い話である。主にTwitterで流行したアマビエ祭りだが、ついには海外へ進出してもいる。「#Amabie」とハッシュタグを付け、海外の人々も「日本の伝説に登場する妖怪だ」として描いているので、気になる人は検索してみてほしい。 さて、アマビエのように人語を話し、近い将来に起きることを予言する妖怪は多数おり、有名どころでは人面の牛の「件(くだん)」がある。これらの予言する妖怪は天変地異の前に出没するといわれ、他にも様々なものがいる。例えば「神社姫」というものがいる。これは文政2(1819)年に肥前国に出現したもので、二本の角を生やし、女性の顔をした全長2丈(約6メートル)の魚のような生物が出現。「竜宮から来た神社姫である」と語り、コレラの流行を予言したという。神社姫もまたアマビエと同様に姿を描いた絵を見れば病難を除けることができるとされ、流行ったそうだ。 アマビエに類似の妖怪がいたように、神社姫にも似た妖怪がいる。文政初期に肥前平戸に似た姿で龍神の使者と名乗る「姫魚」が現れ病気が流行ることを予言したという話が水野皓山による『以文会随筆』にて紹介されている。神社姫の場合、もともと日本各地に「人魚が姿を現し、災害が起きることを予言する」という伝説があったり、悪天候の時に人魚が姿を現した話があったため、それらを下敷きにして生まれたものと考えられている。 ちなみに前述のアマビエ祭りでは神社姫を描く人も出てきていた。ユーモラスなアマビエと対照的に、神社姫は結構、美人に描く人が多かった。(山口敏太郎)
-
ミステリー 2020年03月08日 23時00分
江戸時代に現れた妖怪がコロナウィルス騒動で再注目!?「アマビエ」
現在、Twitter上で奇妙な生物を描いたイラストが多くのユーザーによって投稿されている。その生物は「アマビエ」。その昔、江戸時代に肥後の国に出たという妖怪だ。 アマビエは弘化3(1846)年、肥後国(現在の熊本県)の海に現れたという。4月中旬、毎晩のように海中に光るものが現れたため、役人が現場に赴いた。そこには光り輝く奇妙な生物がいたという。足、ないしは尾ひれは三つ股に分かれ、全身はうろこで覆われており、頭部には長い髪があった。顔にはくちばし、目はひし型をした、人と魚を合わせたような姿をしていた。 生物は役人に、自分は海中にすむ『アマビエ』であるといい、6年間の豊作の後に疫病がはやると予言。自分の姿を写した絵があれば病を防ぐことができると予言して去った。その後、江戸時代にこの生物の姿を描いた絵が広まったようだ。 同様の生物は他の地域でも目撃されている。日向国(現在の宮崎県)イリノ浜沖には「尼彦入道」なる妖怪が出没したそうで、熊本士族の芝田忠太郎という人物の前に現れた尼彦入道は「これから6年、大豊作が続く」、「悪病が蔓延する」と予言したとされている。そんな尼彦入道の外見は、顔はしわも深く眉毛とひげの濃い、はげ頭の男性だが、胴体はペンギンのようで、大きな一対のヒレないしは翼を備えており、体表面をびっしりとうろこが覆っている。そして、細い鳥のような足がなんと9本も生えている。 この尼彦入道は前述のアマビエと予言の内容も似通っているため、アマビエの伝説が変形したものではないかと考えられている。 また、熊本には明治期にも同じ三本足の『アマビコ』なる妖怪が出現して予言したといわれる。妖怪研究家の湯本豪一氏は『アマビコ』は『天響』で、神と人とをつなぐ存在とされたのだろう、との説を掲げている。 江戸から明治にかけてたびたびアマビエとその派生妖怪の報告があったということは、それだけ人気だったのだろうか。それとも、妖怪の名を借りなければならないほど不安に満ちた社会だったのだろうか。 いずれにせよ、江戸時代に話題になった妖怪が現代に再度注目されるというのは興味深いことである。(山口敏太郎)
-
特集
-
少年隊・錦織、東山ジャニーズ新社長就任に意味深投稿? 植草とのYouTubeもストップ、現在の活動は
芸能ネタ
2023年09月18日 12時00分
-
ジャニーズ最大のタブー? 嵐メンバー4人と“男女の仲”報道、セクシー女優の死【芸能界、別れた二人の真相】
芸能ネタ
2023年09月17日 12時00分
-
-
Snow Man向井、ジャニー氏お小遣い秘話が拡散? グループ不仲説の真相は<実は不仲?【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月16日 12時00分
-
一転しジャニーズ契約継続なし、モス広告Snow Manの顔を紙で隠した画像が拡散「イジメ」「涙出てきた」ファン怒り
芸能ニュース
2023年09月13日 18時00分
-
株上げた井ノ原快彦、年下に嫌われていた? 森田剛から「嫌い」緊張関係続く<芸能界【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月10日 17時00分