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体温36度以下は黄色信号 オトコも陥る“冷え性”対策(1)

 「冷えは誰にも起こりうる望ましくない状態。体質ではありません」
 関東中央病院循環器内科・熊谷雅生担当医は断言する。
 体の冷えが続くと免疫力が低下し、病気になりやすく、内臓の働きも落ちる。「足が冷えて眠れない」などの訴えは女性に多いが、最近は男性や子どもの冷え性も珍しくないという。

 冷え性かどうかは自覚の有無では決まらない。判断するには、脇の下に手を挟む。その手で腹、尻、太腿、二の腕の下側などに触れてみよう。
 「脇の温度は内臓に近い。それに比べて、1カ所でも冷たければ冷え性といえます」(熊谷医師)

 なぜ「冷え」は体に悪いのか。その点について東京社会医療研究所の主任・村上剛志氏はこう説明する。
 「体が冷え、低体温症になると血管が収縮し、血流が滞ります。血液は全身の細胞に酸素や栄養素を運び、二酸化炭素や老廃物を回収する役割を担っている。これが不十分になると、細胞が合成や分解を正常に行えず、細胞の活動が低下してしまうのです。老廃物が体内に溜まると血流がさらに滞り冷えも進みます」

 そして、以下のような症状が出る。
 「人間が生きていくうえで必須の栄養素・酵素は、体内温度37℃〜38℃、体表温度36.5℃〜37℃で最も活発に働きます。それが冷えで酵素の働きが著しく低下すると、糖やコレストロール、中性脂肪などがスムーズに分解されなくなり、肥満、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化といった生活習慣病のリスクを高めてしまいます」(同)

 また、低体温症の全国調査をまとめた『日本救急医学会-熱中症に関する委員会』の委員長、三宅康史教授は次のように冷えに対する警鐘を鳴らす。
 「人体の中心部の温度(中心温度)は、通常だと36〜37℃程度に保たれていますが、それが36℃を切ると低体温症と診断します。当初は皮膚表面の血管の収縮から鳥肌が立ち、熱を得るための筋肉の収縮から体がガタガタと激しく震え始める。そして体熱の喪失が発熱を上回ると、中心温度は33℃以下に下がる。すると体の震えは止まるが、意識障害から朦朧となり、支離滅裂なことを言い、呼びかけにも反応しなくなります」

 にわかには信じ難い事だが、さらに30℃以下に下がると半昏睡状態に陥り、脈拍も微弱となり、そのまま進めば心肺停止、つまり死に至るというのが低体温症の怖いところなのだ。

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