A:シリアル食品は小麦や玄米、トウモロコシ、オーツ麦などの穀類を加熱処理したものを主成分とし、薄い破片状に成型しています。牛乳をかけて、朝食に食べるのが一般的なようです。穀類には食物繊維やビタミン、ミネラルが含まれますが、シリアル食品の良さとして最近は特に食物繊維がPRされているようです。
食物繊維は腸内細菌に深く関わっています。腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類があります。これらのバランスがとれていれば、それは腸内環境が整っているということ。便秘や下痢にならず、良い性状の便が出ます。
また、腸は免疫器官でもあります。腸の免疫が正常に働くかどうかは、腸内細菌の状態に負うところが大きいとわかってきました。
●砂糖に要注意
腸は、皮膚とも関係が深いといわれます。腸内環境が良くないと肌が荒れますが、腸内環境が良くなると肌荒れが解消し、肌がきれいになるともいわれます。
つまり、シリアル食品は腸と排便の改善、そして美容、さらにダイエットまで効果が期待できるというわけです。
現在では、さまざまな特徴があるシリアル食品が売られています。ビタミンを配合しているものもあり、7種のビタミン配合をPRしている製品もあります。大豆や豆乳、乾燥果実、チョコレートなどを配合した製品もあります。このようにシリアル食品には多彩な特徴がありますが、意外な落とし穴があります。
それは、かなりの量の砂糖やブドウ糖、果糖などが、配合されていることです。だから、常食すると、砂糖をとり過ぎるリスクがあります。砂糖の過剰摂取は、腸にも良くないし、肥満の一因にもなるでしょう。ですから、メリットとデメリットを比較すると、絶対に健康に良いと断言はできないでしょう。砂糖の過剰摂取を避けるには、常食をしなければ良いわけです。また、精白していない穀類には食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富です。
玄米や雑穀を食べれば良いのですが、朝食は洋食を好む人もいるでしょう。その場合、玄米パンやライ麦パンを食べるのも一法です。
今井一彰氏(みらいクリニック院長)
山口大学医学部卒業。東洋医学などさまざまな医療を駆使し、薬を使わずに体を治していくという独自の観点に立って治療を行う。日本初の靴下外来も設置。