A:アメリカの研究報告では、痛風ではない男女を対象に最長54年の経過を調べたところ、男性のみ、喫煙者が痛風にかかる率が低いことが判明しました。
以前から、喫煙習慣がある人は、ない人よりも、血中の尿酸値が低いという報告はありました。タバコのどのような物質が痛風の発症に影響を与えているかは不明で、今後の研究が必要とされています。
ですから、この研究結果に基づくと、質問の男性の方は、タバコを吸い続けると痛風にかかる率が低くなるといえるでしょう。しかし、です。喫煙は肺気腫や肺癌にかかる率は増すのでお薦めはしません。
尿酸値が高くなる原因は、実はあまりはっきりしていません。尿酸は、エネルギー代謝の結果、作られます。作られる量と排泄される量のバランスがとれず体内に過剰にあると、血中の尿酸値が高くなります。尿酸は、摂取した食物に含まれるプリン体からも作られます。
●飲みながら吸うのは最悪
よく、原因として肉食や食べ過ぎなど食事が指摘されますが、食事から作られる尿酸は全体の20%程度です。しかし、動物性食品も摂り過ぎないようにしたいし、ビールはプリン体が含まれているため、お酒は飲み過ぎないように。野菜類を多く摂取し、尿をアルカリ性に保つことが勧められています。
この他、適度な運動をすること、ストレスを溜めないようにし、日々解消することも勧められています。
ご質問の方はまず、ご自身の生活習慣を見直してみましょう。
ご質問の方は、お酒もかなり飲むということですから、飲み方に注意してください。飲酒中にタバコを吸うと、煙に含まれるニコチンやタールをアルコール抽出した形となり、口腔内や咽頭、食道にそれらの発がん物質が濃い濃度で接触する機会が増すからです。
酒、タバコの両方を嗜まれる方はぜひ、ストレートでの飲酒とタバコの併用はお避けになってください。ビール、焼酎のお湯割りなどが無難です。
牧典彦氏(小山病院院長)
自律神経免疫療法(刺絡)や加圧トレーニング、温熱療法、オゾン療法など保険診療の枠に捕われずベストな治療を実践。小山病院(大阪市東住吉区)院長。