A:水虫は白癬菌というカビの一種が原因。菌が付着しているマットなどに触れることによって感染します。蔓延しているので、男性の大半は水虫を持っています。
水虫は足の裏にできやすいのですが、それ以外のところ、たとえば手や背中にもまれにできることがあります。
足にはよくできるのに、なぜ手にはできにくいのか。
その理由としては、足が蒸れやすいことが挙げられます。蒸れる、つまり湿気がある環境や季節では、水虫の菌の活動が活発になるため症状がひどくなります。
言い換えると、それ以外はあまり蒸れることもないので、水虫はおとなしくしているだけ。症状も比較的なりを潜めているのです。
●免疫力と菌の力
もうひとつの理由として考えられるのが、足の血行障害です。靴や靴下は、足や足の指を締め付ける原因になります。締め付けられることによって、局所的な血行障害が生じ免疫力が低下します。
免疫力と菌の力は相対的なもの。そのため、免疫力が低下すると、菌が活発に活動してきます。ですから、蒸れと免疫力の低下が重なると、水虫は盛んに繁殖するわけです。
●「握足手」の勧め
対策として、基本は足を清潔に保つこと。ご質問の方は、外回りの営業職とのことですが、会社に替えの靴下を用意しておきましょう。帰社後、足を洗ってから履き替えるのも一つの方法です。
足の局所的な血流障害を改善するためには、「握足手」をお勧めします。
「握足手」は次のような手順で行います。
(1)左足の指と指の間に、右手の指の人差し指から小指までの4本をそれぞれ差し込みます。
(2)足の指にはさんだ手の指をギュッと強く握ります。
(3)最後に、左手で右足の足首を押さえ、右手で左の足の指全体を握って、グルグル回します。以上を、右足にも左の手の指を使って行います。
(1)では、おそらく、手の指がスッと入らないでしょう。とにかく、無理やりにでも入れてください。
(2)で、手の指で強く握ると、最初は痛いはず。けれど、慣れてくると、痛みが心地よさに変わってきます。
終わった後は、手を洗うことを忘れずに。「握足手」は局所の免疫力を上げるので、ぜひ習慣にしてください。
今井一彰氏(みらいクリニック院長)
山口大学医学部卒業。東洋医学などさまざまな医療を駆使し、薬を使わずに体を治していくという独自の観点に立って治療を行う。日本初の靴下外来も設置。