これは銘柄によって全然違う。購入に必要な最低株式数である「単元株数」があり、一定株数が1単元とされる。100株と1000株単位の銘柄が多く、つまり、100株あるいは1000株が一つのまとまりということ。
売買は基本的には単元株数単位となる。最低購入代金は、現在の株価にその単元株数をかけたものだ。たとえば、先ごろサムスンからの出資と業務提携が決まったシャープの株価は、3月22日現在で304円。1000株単位の売買なので、最低限30万4000円の元手が必要ということになる。
株式投資というと、大変な金持ちがやっているようなイメージが強いが、必ずしもそうでもないことがわかるだろう。5〜10万円の元手で買える株なんてワンサカある。5万円で買った株が半年後に7万円になっていたら2万円のもうけだ。素人投資家の小遣い稼ぎとしては十分だろう。
それでも、何を買っていいのかやっぱりわからないという人には「投資信託」というものもある。これは投資家から集められた資金を一つのファンド(基金)にまとめ、それを株や債権、不動産などに投資する金融商品だ。小さな資金を集めて運用するので、小資金では投資できないものにも投資をすることを可能にした商品といえる。
さて、株にしても投資信託にしても、安いときに買って高くなったら売るというのが鉄則。当たり前といえば当たり前なのだが、この当たり前のことが実に難しいのだ。
現在の日経平均株価は1万2000円台を回復しているが、昨年11月はまだ9000円台だったから、そのころに買っていた人は大儲けしている可能性がある。要するに、みんなが買わない安いときに仕入れておくということだ。
では、今から買うのは遅いのかといえば、決してそんなことはない。経済評論家やアナリストたちの見通しによれば、現在の株高基調はもうしばらく続きそうだ。とはいえ、いくつか注意しなければならない出来事がある。
まず、今年夏の参院選だ。その結果次第では、風向きが変わることもあるだろう。次にTPP。政府は交渉参加を決めているが、これも日本の輸出産業に不利だと市場が見れば、一気に冷え込む可能性が出てくる。
もうひとつ、株式売買益や配当金などにかかる税率は現在10%だが、これが来年1月1日から20%に引き上げられる予定。ということは、年末には駆け込みで株を売ろうとする人が増え、一時的に株価が下がると予想できる。
たとえ株を買わなくても、
「株でもうけるには、経済状況に臨機応変に対応することが大切なんだよ」
こんな一言が言えるようになれば、接客してくれるキャバ嬢の“ヤル気”も断然アップするのは間違いない! これこそ『アベノミクス』の“アゲアゲ効果”というものだ。