「14日の14試合を終えた時点で、4勝9敗の5位。下は広島ですが、どちらに優勝の可能性があるといえば、答えるまでもありません。キャンプの雰囲気がよかったので、勝率5割ラインはキープできると思ったんですが」(在阪記者)
不振の原因はいくつかある。ベテランに頼りきった現状が最大のそれだが、優勝戦線に復帰するだけなら、もっと簡単な方法がある。藤浪晋太郎(25)の復活だ。
3月12日のオープン戦で“ノーコン病”を再発させた藤浪は試合後、矢野燿大監督(50)らと話し合い、二軍再調整が決まった。それも、時期を区切らない無期限…。その後の様子は、進歩ナシだという。
「二軍選手と一緒にアップ運動、キャッチボールをやったら、1人で別メニュー。調整方法や練習も本人任せなので、よくなったのか誰も分かりません」(関係者)
良くも悪くもマイペースの藤浪を再昇格させるという、その理由が興味深い。
「金本知憲監督時代は先発で再テストしていました。しかし、藤浪がそれに応えられないと、試合序盤でゲームが壊れてしまいます。その反省を踏まえ、今度は中継ぎで使うようです」(同)
今の阪神は、試合中盤で敗戦濃厚となる試合も多い。客が途中退席する前にワンポイントで藤浪を出し、勝敗に直接関係のないところで投げさせるというのだ。
これでは無期限調整の約束を反故にすることになるが、その理由は投手の頭数が足らないからではない。
「藤浪を見捨てていないことを、チーム内外にアピールする必要が出てきました。矢野監督の知らされないところで『藤浪の長期不振』の分析がまた始まり、精神的原因のほか、技術不足論、ついには故障説まで出てきたのです」(ベテラン記者)
藤浪はルーキーイヤーの’13年に130イニング以上を投げ、翌年からは3年連続160イニング以上を投げた。それが今年のオープン戦途中、いきなり自らスリークオーターに投球フォームを変更したため、「肩の痛みを誤魔化すため」とする説が急浮上。それを矢野監督らが「知らない」となれば、大問題になってしまう。
当然、藤浪をエースに育てたい経営陣はこの使い方に不満だが、「環境を変えてやれば…」という関係者も出始めている。その言葉には、トレードだけではなく中継ぎも含まれている。
とはいえ、藤浪で試合を落としても首脳陣の責任は問われない。いい言い訳になりそうだ。