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神経障害、失明、がん発症率上昇… カラダを蝕む高血糖を防ぐ自己管理術(2)

 神経は、手足のみならず全身に張り巡らされている。高血糖の状態が続くと、神経の“さや”がむくんで異常が表われるが、それは1カ所だけではなく至る所に出るようになり、大別すると次の三つになる。
 (1)多発性神経障害…両手足のシビレ感、チクチクする痛み、感覚が鈍る。
 (2)自律神経障害…立ちくらみ、発汗異常、便通異常、勃起障害など。
 (3)単一性神経障害…顔面マヒ、片方の目が動かなくなる動眼神経マヒなど。
 「糖尿病性神経障害は、ある日突然、自覚症状として表れます。顔面マヒは、顔の片方だけが神経がマヒし、コップの水も飲めなくなる。根本的な解決策は血糖値のコントロールにありますが、神経障害の症状がなぜ出てしまったのか、理由を知らない人は多い。高血糖の体内には、すでに神経に異常が起こり始めているのです」(専門医)

 もうひとつ、高血糖を放置していると腎臓まで壊してしまうことも知っておく必要がある。
 腎臓は血液を濾過(ろか)して、体内の老廃物や余分な水分を排出する重要な臓器だ。この腎臓も、高血糖が長く続くと上手く機能しなくなる。
 「そうなると、血液中のタンパク質が尿中に出てきて、やがて一つの腎臓に100万個存在する細かい血管を集めた糸球体(しきゅうたい)が硬くなり、腎機能が働かなくなります。早期に腎障害を発見するためには、タンパク質の一種、アルブミンが尿に出ているか調べる検査が重要になる。アルブミンは微量でも出ると濾過機能が上手く働いていないことになり、健診などで『高血糖』と言われたら医療機関で受診すべきです」(同)
 また、アルブミンだけではなく、尿蛋白が持続的に出てくると肝機能の低下は著しく、糖尿患者は高血圧を合併しやすくなる。そして糖尿病で高血圧を合併すると、より強い圧力で血液が押し出されるため、尿タンパクが増え、腎臓障害がさらに進む。こうした症状に脂質性腎症も加わると、今度は動脈硬化を加速させるため、腎機能はさらに低下し、心筋梗塞なども起こすことになる。

 「とにかく、糖尿病や高血糖の人、糖尿病予備軍の人も、今からでも遅くはありません。食生活を改善することです」と言うのは、大学病院の元管理栄養士で料理研究家・林康子氏だ。
 「食事の最初に野菜をたくさん食べること。種類を問わず1食400〜500グラムがベストです。それでお腹一杯になるので、大好きなご飯も少量で済み、満腹感、満足感が得られます」

 林氏によると、実際の満腹感に加え、脳も「たくさん食べた」と錯覚するのがカロリーを抑えるコツだという。
 カロリーは、成人で1600キロカロリーが目安とされている。その上、野菜は食物繊維が豊富で、血糖値の上昇を緩やかにし、しかもカロリーも抑えられるという優れもの。
 利点を最大限生かさない手はないという。

 糖尿病は、過去のツケが回ってくる病気です。(1)食前に野菜、(2)毎朝体重を測る、(3)毎朝血圧を測る。この三つを何とか習慣づけたお蔭で、「突然死に至るリスクを下げられた」「合併症も防げた」という患者の声を聞いた専門医は、こうした努力を奨励し、それが難しいようなら医療機関に相談して欲しいと語る。ぜひ参考にしよう。

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