A:尿酸値を上げる要因に、カロリーの摂取過多と肥満、肉や魚の内臓類などプリン体を多く含む食品の摂り過ぎなどが挙げられています。
また、お酒は尿への尿酸の排泄を抑えるので血中尿酸値が上昇します。ビールは、そのものにもプリン体が多く含まれ、痛風持ちにはやっかいな存在です。
●運動で減量しよう
実は私は、10年ほど前、40歳過ぎで痛風発作を一年間に3回ほど繰り返し起こしました。その痛みは激烈です。あまりの痛さで恐ろしくなり、その数年後に一年半ほど禁酒しました。そして、運動を日課にしました。
一年半禁酒したのち、恐る恐る飲んだ梅酒のソーダ割りから成長して、今や立ち飲み屋に行けば5杯はアルコール飲料を注文するもとの体質に戻りました。
夜は必ず飲みますが、以前と唯一違うのは、ビールは極力、生の中ジョッキ一杯にとどめていることです。飲酒後はラーメンを食べたくなりますが、食べるのは3カ月に1回と決めています。夕食は炭水化物(ご飯)は食べず、お酒と副食のみで肉は制限していません。
53歳の今、体重は78kgから10kg減り、68kgです。高尿酸血症の薬は飲まず、尿酸値は4.9で、痛風の発作は起きていません。
このように、私は食事制限をあまりせず、運動によって体重をコントロールすることで尿酸値を低く保てています。私の個人的体験ですが、ご質問の方も試してみてはどうでしょうか。
生活では、早寝早起きをお薦めします。生活も健康も、寝ることと働くことがセットで成り立っています。早起きしてジョギングなどの運動を日課にすると、生活も健康も変わってきます。
なお、ビール以外にも日本酒、葡萄酒などの醸造酒は痛風持ちにはカロリーオーバーとなり、発作の原因となります。とりあえず一杯のビールの後は焼酎、ウイスキーを水割りで飲み(ストレートは咽頭がんや食道がんの危険がある)、計5杯までとしてください。とはいえ飲酒を勧めているわけではないですから、その点は誤解なきように。
牧典彦氏(小山病院院長)
自律神経免疫療法(刺絡)や加圧トレーニング、温熱療法、オゾン療法など保険診療の枠に捕われずベストな治療を実践。小山病院(大阪市東住吉区)院長。