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「老化現象」と「脳の乾燥」のただならぬ“関係”(1)

 「ああ、あの人ね。なんていう名前だっけ?」
 頭にその顔が浮かんでも、なかなか名前が出てこなくて困ったことはないだろうか。「たびたびあって、ボケたと笑われた」と言ってるあなた、ひょっとしてそれは、脳の乾燥が原因かもしれませんよ。

 本をめくるときに、指をペロリと舐めないとめくれない。体のあちこちが痒い。これは、体が乾燥している証拠。齢を重ねるごとに体内の水分量は減っていき、皮膚の弾力は弱まりカサカサになっていく。
 とくに冬は、天気予報で乾燥注意報が発令されることも多く、空気が乾燥し湿度が低い日が多い。暖房を入れた室内では、濡らしたタオルがすぐ乾いてしまうほどだから、同じ部屋にいる人間からも水分は奪われている。
 肌のカサカサなどの外見だけでなく、食べ物の飲み込みが悪くなったり、むせたりするのも唾液という水分が不足するからだ。
 そもそも「老化現象」とは早い話が「体の乾燥」を意味する。魚を乾燥させれば干物になるように、人間も体の水分が少なくなるとシワが増える。
 ドラッグストアに行くと、「保湿」の売り場が最近拡大されている。乾燥予防のために、保湿クリームを買い求める若い男女が増えているからだ。

 肌が乾燥しているということは内臓も脳も乾燥している可能性が大きい、と言うのは、ベストセラーを連発しているイシハラクリニック(東京都江東区)院長の石原結實医師。『老化は体の乾燥が原因だった!』(三笠書房)の中で、こう話している。
 「人は齢をとれば骨も細胞も乾燥して縮み、その結果身長も縮む。細胞の中から水分が失われ、しぼんだ風体になるのは魚も人の体もさほど変わりはない。MRI(磁気共鳴画像診断装置)で脳を撮影すると、頭蓋骨が白く写り、その中に脳がすっぽり入っている。ところが、齢をとってくると、脳と頭蓋骨の間には“すき間”ができる。脳もまた、乾燥して萎縮する訳である。乾燥した脳はスカスカのスポンジ状態。画像診断ではこのすき間が老化のサインだ。認知症とはこのような脳萎縮型か、アルツハイマー型の2つしかない」

 脳が乾燥すると、認知症の脳状態になってしまうとは聞き捨てならない。
 石原院長は、さらに言う。
 「脳を鍛えるブームは続いていて『速読で脳をきたえよう!』とか『声に出して本を読もう』などでその気になっている。脳を鍛えることは大切だが、脳の乾燥、すなわち萎縮した状態で頭の体操をしても、はかばかしい効果は望めない。その前にまず、脳細胞の乾燥を防ぐことが大切です」

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