A:インフルエンザの予防ワクチンの効果については、医学雑誌『ランセット 感染症』の2010年10月号に、大規模な研究が掲載されました。
それによると、「結論として、健康な成人にはインフルエンザワクチンに中程度の効果があることを示す証拠(エビデンス)があっただけで、65歳以上や子供の場合の予防効果に関する証拠(エビデンス)がない」ということでした。
まずは、なぜインフルエンザにかかるのでしょうか。それは、免疫力が低下しているからです。運動不足、食生活の乱れ、低体温、ストレスなどの生活習慣に関わる事柄が、現代人の免疫力を低下させています。ですから、インフルエンザ予防のためには、免疫力をアップさせればよいわけです。
・運動を習慣にして体温を上げる。
・ストレスを溜めない生活
・普段から余計な薬を飲まない、使わない。
・体を冷やさないような住環境、服装。
以上のことを実行すれば、自分の体を守る免疫力は上がってきます。これで十分なのです。
●免疫力が予防の決め手
免疫力が高ければ、インフルエンザにかかっても自分の免疫細胞の力で対処できるはずです。ですから、私自身はインフルエンザの予防接種は受けません。インフルエンザに感染すると高熱が出るかもしれませんが、免疫力が高ければ、しっかり熱を出したあと、さーっと解熱していきます。高熱は出ますが、引くのが早いのです。
普段から免疫力が高まるような生活を実践することは、インフルエンザの予防接種をするよりも、対処法としては有効で確実だと思います。副作用もないですし…。
ただし、免疫力に自信がない方、予防接種を受けないと不安な方は、受けないこと自体がストレス源になってしまうので、予防接種を受けてよいでしょう。ただし、予防接種はインフルエンザの型がはずれれば効果はないし、接種してもかかる人はいます。アトピーなどのアレルギーが増加するとの話もあります。そういったことを理解した上で受けましょう。
首藤紳介氏(表参道首藤クリニック院長)
久留米大学病院小児科、大分こども病院、聖マリア病院、湯島清水坂クリニック等の勤務を経て、表参道首藤クリニック院長。自然療法や代替医療をはじめ、水素温熱免疫療法や再生医療(臍帯血幹細胞治療)などの高度先進医療を実践。