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おやじ雑学 静かなブーム「田舎暮らし」理想と現実(4)

 お金以外にも、大切なチェック事項がある。
 「田舎生活は、隣近所や地元の不動産業者とのコミュニケーションから始まるといえます」(朝倉さん)

 都会生活では絶対にわからないことが、田舎生活にはある。例えば、田舎では都会ほど就業機会があるわけではない。仕事を見つけるには地元のシルバー人材センターやタウン誌の情報、地元の人々とのネットワークが大切になる。
 「古民家や中古住宅は、設備が古いだけに暖房光熱費が掛かります。新築する場合は、地盤や地下水の流れ方、風向きなどを考えて建てる必要があります」(同)

 その地域特有の風土に合った技術を持った工務店でないと対処できないのだ。そうでないと膨大な光熱費に驚いたり、新築の家が土台から崩れてしまうなんてこともある。毎年冬になると、玄関先が雪の吹きだまりになってしまうということにもなりかねない。地元の人間でないとわからないことが多々あるのだ。
 「1〜2年通ってでも、信頼できる不動産業者や地元の人と知り合いになることです。そのためには、最初は地域主催のイベントに参加することをお薦めします。自治体のサポート制度も確認を。『認定NPO法人ふるさと回帰支援センター』に相談するのもいいでしょう」(同)

 田舎暮らしを支援するサービスを提供している地域の団体や自治体は多い。中には“週末田舎生活”にも対応してくれる地域もある。
 全国を網羅する『ふるさと回帰支援センター』は、地域のボランティアや業者の情報も多く心強い。移住経験者による田舎生活や就農のセミナー、田舎体験ツアーなど、現地の生の声を聞ける企画も多数ある。
 「地域イベントへの参加など、共同作業は都会に比べればたくさんあります。そういうお付き合いも、田舎生活の醍醐味です」(同)

 田舎暮らしには準備段階、居住後と、何かとクリアしなければならない数多の難題が待ち構えている。だからといって、「じゃ、やめようか」と簡単にあきらめるのは寂しい限り。何事も行動を起こすこと、第一歩を踏み出すことが肝要だ。

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