自分がロコモであるかどうか、調べる方法がある。日本整形外科学会では、7つのチェック項目が取り上げられている。一つでも当てはまれば、ロコモの可能性ありだ。
(1)片足立ちで靴下が履けない。
(2)階段を登るのに手すりが必要。
(3)横断歩道を青信号で渡り切れない。
(4)15分間続けて歩けない。
(5)家の中でよくつまずく、滑る。
(6)布団の上げ下ろしが困難である。
(7)2キロ程度の買い物で、持って帰るのが難しい。
「もし、自分がロコモに該当したからといって慌てないでください。また反対に、該当しないから関係ない、と安心しないでください。急にガクンと症状が現れ、寝たきりや要介護になるわけではないのがロコモ。自分の体が今こういう状態にある、と自覚することが大事なのです」(前出・腰塚理事長)
そして、誰もが簡単に始められるロコモ予防のトレーニングが2つある。どちらも1日3回すると有効だという。始める前は転倒に注意して支えがある所で行うこと。
一つは目を開けたまま、片足立ちで左右1分間ずつ静止する「開眼片足立ち」。
そして、足を肩幅程度に広げて立ち、膝はつま先より前に出さずに椅子に腰かけるようお尻を落とし、上げる。これを5、6回繰り返す「スクワット」。この時、お尻を下ろし過ぎないように気を付けよう。
腰塚理事長は中高年からの体づくりとして、バランスの大切さを強調する。
「高齢者の転倒によるケガ・骨折は寝たきり一直線。そこで毎朝のラジオ体操はロコモ対策・転倒対策にとても効果的です。また、ウオーキングも同様。好きなスポーツを楽しむのもいいでしょう。しかし、過度な運動、過信は厳禁。体力の余裕ある範囲で行いましょう。自分の年齢と体力に合わせたケアを意識することで、健康寿命は延び、介護予防につながるのです」
常に体に注意を払うことで、体調のちょっとした変化にも敏感になれるという。また、以前に比べて体が思うように動かないとぼんやり感じただけでも、早めに専門のクリニックに行き診てもらうことも大事だ。
健康寿命を延ばし、寝たきりにならないために、自身の体調を細やかに把握して、メンテを怠らないことだ。