「ここ最近、交流戦の観客数が伸び悩んでいるのは“マンネリ”のせいです。ふだん、対戦しないセパのチームが真剣勝負する新鮮さも薄れてきました」(パ出身のプロ野球解説者)
交流戦期間中に『DH制』をセ・リーグ主催球場で実施し、パ・リーグ主催球場では採用しないという試験的移行を始めたのも、マンネリ打破のためだ。
交流戦の興行改革は必須であり、プロ野球実行委員会等でも話し合われてきたが、セとパの思惑が違うらしく、意見が一致しないという。NPB関係者が改革案に関する内幕をこう説明する。
「セ、パともに一致しているのは日程問題です。一定期間内に『1チーム24試合、合計144試合』を消化するのは厳しい。雨天中止ともなれば、スケジュールが過酷となり、かといって、順調にスケジュールを消化できたチームはペナントレース再開まで5日もゲームがない状況となり、ファンの熱気も冷めてしまう。セ側は現状の24試合を18試合に減らすべきと提案していますが…」
しかし、パ・リーグ側の見解は違う。『試合数を変えず、5月と秋の2部制へ』との一部報道もあったが、その情報はパ・リーグ側から出たものなのだ。前出の関係者によれば、「春と秋に分散したら、間延びしてしまい、スポンサーを募りにくい」とし、NPB内にも2部制に反対する者は少なくないという。
「セ6球団は交流戦になると、ペナントレースとは違う移動も強いられます。北海道から福岡までを移動することになるので体力的負担も感じているようです」(前出・同)
『対セ』の勝率が高いパ・リーグ6球団だが、交流戦を分けてペナントレース佳境に後半を移行させられれば有利に展開できる。しかも、商売上手のパは『交流戦限定グッズ』を販売するなどし、チケット収入以外の収益も挙げている。セ6球団もそれに追随したが、勝率が悪いせいか限定グッズの売上げはあまり高くないそうだ。
「Tシャツ、キーホルダーなどのグッズの売上げはご贔屓チームの勝敗に影響する」(スポーツ紙記者)
阪神は甲子園での交流戦12試合で『パを食い尽くせ!』なる飲食メニューフェアを行っている。『ずんだ餅ソフトサンデー』(=楽天)、『博多豚骨風 鉄板焼きラーメン』(=ソフト)、『ジンギスカン丼』(=日本ハム)…。一部のパのチームではすでに採用されている交流戦特別飲食メニューだが、球場で食べるものの売上げは勝敗に影響しない。交流戦で儲けるにはアイデアとしたたかさも必要なようだ。