A:ワーファリンは抗凝固薬で、アスピリンは抗血小板薬です。これらは血液をサラサラにします。ということは、効き過ぎると出血するリスクがあります。
また、ワーファリンは一定期間服用を続けると以前と同じ服用量では効果が落ちてくることがあります。その場合は服用量を増やします。ご質問の方もこのケースです。
出血に関しては、肝機能が悪い人は凝固系が正常に働かないため、出血傾向があります。
こういう人が抗凝固薬を服用すると、いっそう出血しやすくなります。
●漢方薬を補完的に使うとよい
ご質問の方は、出血のリスクを考えると、できればワーファリンの量を増やしたくないとのこと。でも、増やさないと心筋梗塞や脳梗塞が再発するリスクが高まります。
では、どうすればいいか。その問題を解決するために漢方薬が役立ちます。
漢方薬を併用することによって、抗凝固薬の服用量が増えるのを避けることができるのです。
そのための代表的な漢方薬に「冠元顆粒」や「生薬II号方」があります。これらは現代になって考案された漢方薬で、どちらも田七人参を配合しています。
二つとも健康保険の適用になっていないので、費用の面では健康保険適用のエキス剤に比べて割高です。
この他、生薬のヒル(生薬名、水蛭)やミミズ(生薬名、地竜)、漢方薬の「帰膠艾湯」も効果的です。
なお、以上の漢方薬や生薬を服用するためには、必ず漢方の専門医を受診してください。病院で出されている処方箋を持参し、相談するとよいでしょう。くれぐれも自己判断で服用することはしないで下さい。
それから、病院で出されている抗凝固薬も、勝手に服用をやめたり量を減らしたりしないようにしましょう。特にワーファリンは、急に服用を中止すると危険な場合もあるので、自己判断でやめないでください。
岡田研吉氏(玉川学園・岡田医院院長)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病などに成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。