谷佳知
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スポーツ 2020年12月03日 20時30分
オリックス選手が監督の指示に何度も反発!「なんで僕がDHなんですか」伊原元監督が手を焼いた主力打者を明かす
元西武で野球解説者の石毛宏典氏が2日に自身の公式ユーチューブチャンネルに投稿した動画に、元西武、オリックス監督で野球解説者の伊原春樹氏がゲスト出演。オリックス監督時代に手を焼いた選手を明かした。 今回の動画で伊原氏は2004年に務めたオリックス監督時代について、前年途中まで約2年間同チームを率いていた石毛氏と共に振り返りながらトーク。その中で、柔道女子48キロ級で五輪2連覇(2000シドニー、2004アテネ)を果たした柔道家・谷亮子の夫としても知られる谷佳知からたびたび反発されたエピソードを語った。 >>ソフトB・中村の弔い打で思い出す、巨人・谷の“号泣満塁弾”「先に逝かれて本当に悲しくて…」急逝の盟友に捧げた魂の一打<< 動画内で具体的な日時は明かされていないが、2004年シーズン中のある時期に谷が肘や肩を痛めていたという伊原氏。前年に「.350・21本・92打点・189安打」で最多安打のタイトルを獲得するなどチームの主力だった谷の負担を軽減するため当分DHで起用することにし、報道陣の前でもこの考えを口にしたという。 すると、伊原氏を取材した記者から伝え聞いたのか、谷は翌日伊原氏の元を訪れ「なんで僕がDHなんですか」と反発。伊原氏は「誰が(谷に)喋ったんだろう?」と疑問を抱きつつも、DH起用は負傷を考慮したものだと説明し納得させたという。 また、伊原氏はDH起用だけでなく、バントの指示を巡っても谷に反抗されたことがあると告白。伊原氏によると、谷にバントのサインを出す可能性を考慮しある試合前の練習中に「バントをしっかり練習しておけよ」と指示したところ、谷から「僕は(これまで)1回もバントのサインを出されたことがないからできません」とまさかの“NG”を食らったという。 これに伊原氏は「できませんじゃないだろう」と面食らったが、「お前みたいにバッティングがうまい選手はバントも絶対できる」、「(試合展開によってはバントを)やる時もあるだろうからしっかり練習しておけ」と説得すると意外にも谷はすんなり納得。それ以降はしっかりとバントの練習をするようになったため、伊原氏は試合でも実際に何度か谷にバントのサインを出すことができたという。 「(谷は)ちゃんと説明して動機づけをしてやればスッと(指示を)受け入れる選手だった」という伊原氏。反発が多かったのは、わがままだったからというわけでは決してないと語っていた。 伊原氏はこの他にもオリックス監督就任の際に石毛氏から受けた後押しや、2002、03年に率いていた西武とオリックスの違いなどについて動画内で語っている。 今回の動画を受け、ネット上には「谷がそんな反抗的な態度とってたのは知らなかった」、「当時の谷は寡黙で職人肌という印象が強かったから伊原さんに噛みついていたのは意外」、「伊原さんの話を聞く限り、谷はわがままというよりはストイック過ぎたって感じがするな」、「指示を単に受け入れずに、理由や根拠をちゃんと理解した上で取り組むという姿勢は見習いたい」といった反応が多数寄せられている。 現役時代はオリックス(1997-2006,2014-2015)、巨人(2007-2013)でプレーし、「.297・133本・741打点・1928安打」といった数字を残した47歳の谷。何気ない指示でも「なぜ?」、「どうして?」と根拠を問う姿勢もまた、これだけの成績を残せた一因なのかもしれない。文 / 柴田雅人記事内の引用について石毛宏典氏の公式ユーチューブチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UC9uwO3E7TohCjf1X3zU_kOw
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スポーツ 2020年09月19日 11時00分
ソフトB・中村の弔い打で思い出す、巨人・谷の“号泣満塁弾” 「先に逝かれて本当に悲しくて…」急逝の盟友に捧げた魂の一打
17日に札幌ドームで行われたソフトバンク対日本ハムの一戦。試合は「2-1」でソフトバンクが勝利したが、試合結果以上に話題となったのがソフトバンク・中村晃のヒーローインタビューだった。 >>「何でコールドにしなかった」ファン激怒 “雨天強行”のソフトB対楽天戦、選手のコンディションに心配の声<< ソフトバンクは前日の16日、約30年にわたりチームを支えていた川村隆史3軍コンディショニング担当がくも膜下出血のため55歳で急逝。訃報から一夜明けた同戦、チームはユニフォームに喪章を着けて臨んだが、その試合の9回表に中村は通算1000本安打を達成した。 試合後のヒーローインタビューで、中村は「みんなつらかったし、もっともっと生きてほしかった」と悲痛な思いを吐露。その上で、「僕が18歳だった新人合同自主トレの時から、いつも選手に寄り添って支えてくださった。これからも野球選手として長く続けることが川村さんへの恩返しだと思う」と決意を述べた。 天国の恩人に思いをはせた中村の姿に、ネット上には「どうしてもこの試合で1000本安打を達成したかったって思いが伝わるな」、「結果が出て天国の川村さんもきっと喜んでるよ」といった反応が多数寄せられた。一部では「亡き人に捧げる一打っていうのは谷を思い出すな」、「あの時の谷も同じような思いを抱いてたんだろうな」といったコメントも見られた。 名前が挙がっている谷佳知は、現役時代にオリックス(1997-2006,2014-2015)、巨人(2007-2013)でプレー。プロ19年間で「.297・133本・741打点・1928安打」といった成績を残した好打者だが、巨人時代に天国の盟友へ捧げる一打を放ち多くのファンの涙を誘っている。 2010年4月24日、東京ドームで行われた巨人対広島の一戦。この試合は同月2日の対広島戦前の練習中にくも膜下出血で倒れ、同月7日に37歳の若さでこの世を去った故木村拓也コーチの追悼試合。木村コーチは現役時代に巨人、広島でそれぞれプレー経験があったため、同戦は両チームがユニフォームに喪章を着けて臨んだ。 劇的な一打が生まれたのは、「2-3」と巨人1点ビハインドで迎えた8回裏1死満塁。一打出れば同点、逆転というこの状況で、原辰徳監督は代打に谷を起用。木村コーチとは同級生で親交も深かった谷は心の中で気持ちをふるい立たせていたのか、ゆっくりとした足取りで打席に入った。 球場から大声援が送られる中、谷は広島3番手・高橋建が投じた初球、2球目をしっかり見極めボールを選ぶと、3球目は逆方向へ痛烈なファール。そして、カウント「1-2」から高橋が投じた高めの4球目を迷いなく振り抜いた。 ファンの大歓声と共に上がった打球は、大きな弧を描きながらレフトスタンドに飛び込む逆転満塁ホームランに。打った瞬間に高々とバットを放り投げた谷は、両手を挙げバンザイしながらダイヤモンドを一周した。 谷の満塁弾もありこの回一挙5点を挙げた巨人は、9回表に広島に1点を返されるも「7-4」で勝利。試合後のヒーローインタビューには、当然殊勲の一打を放った谷が呼ばれた。 お立ち台に立った谷は泣きながら「拓也とは同級生で、いつも励まし合ってプロでやってきたけど、先に逝かれて本当に悲しくて…」、「泣かないでおこうと思ったんですけど、涙が全然止まらなくて…なんとか今日の試合は、とにかく勝ちたいと思って臨みました」とコメント。天国の木村コーチに思いをはせる谷の姿は多くのファンの涙を誘った。 谷は後年、同戦での心境についてメディアのインタビューなどで明かしている。谷によると、プロ生活の中で「あれだけ気合を入れて打席に入ったことはない」といい、打席内では「絶対に打たないといけない」、「ホームランしかない」と考えていたとのこと。普段の打席で気持ちを入れすぎると空回りすることがほとんどだったというが、同戦だけは狙い通りの打撃をすることができたという。 10年前の谷と同じく、今回故人に捧げる一打を放った中村。天国の川村コンディショニング担当も、新人のころから見てきた中村のメモリアル安打をきっと喜んでいることだろう。文 / 柴田雅人
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