松井颯
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スポーツ 2023年05月24日 11時05分
巨人・松井の初勝利で再燃「育成枠をFA人的補償逃れにするな」 メジャー見習い故障者リスト作るべきと指摘も
「育成選手枠」はどうあるべきか? 巨人の育成1位・松井颯が「プロ初登板初勝利」を収めたのは、5月21日の中日戦だった。“無名選手”が素質を開花させ、チャンスをモノにするのは爽快だが、育成選手枠の在り方について、プロ野球界は再検討しなければならないだろう。 「昨年10月、巨人は、梶谷隆幸、立岡宗一郎、中川皓太、高橋優貴、平内龍太にも『自由契約』を通告し、育成契約を結び直しました。故障者をこぞって育成選手にしたので、『フリーエージェント選手(以下=FA)の獲得を狙っているのでは? 獲得後の人的補償を恐れ、28人のプロテクト名簿に若手をたくさん入れるためだろう』と指摘されました」(ベテラン記者) FA選手の獲得後、人的補償の対象となるのは支配下登録された選手だ。育成選手は人的補償の対象外である。人的補償による好選手の流出を防ぐため、育成選手枠が「第2のプロテクト名簿」にされているのではないかというのだ。 >>巨人・中田、秋広に「あんま調子乗るな」 LINEでの軽口にチクリ? 劇勝収めた広島戦後の裏話明かす<< 巨人は昨年オフのFA市場には参入していない。育成選手枠を「第2のプロテクト名簿」にしていないが、こんな指摘も聞かれた。 「メジャーリーグのように、故障選手の専門リストを作ればいいんです。70人の支配下登録、育成選手枠のどちらにも属さないILリストを設ければ、ヘンな誤解もされません。数年前からILリストの話は出ていましたが、一向に進まないのは何かワケがあるからでしょう」(関係者) そもそも、育成選手とは、不況で社会人チームが次々と活動休止となり、行き場を失った選手や、高校、大学を卒業した後も「野球を続けたい」とする学生たちを救うために設けられた。千賀滉大のように“メジャーリーガー”にまで飛躍した選手もいる以上、育成選手枠はなくしていけないのだが、今後、「第2のプロテクト名簿」として本当に悪用されてしまうかもしれない。 やはり、故障・リハビリ選手と育成選手は分けるべきだろう。 「よく言われているのが、FAに伴う人的補償をなくして、選手を獲得した球団は、喪失した球団にドラフト1位の指名枠を譲る案です」(前出・同) NPBは二軍戦に限定した新規参入チームの“募集”を開始した。前出の関係者によれば、複数の企業が興味を示しているという。 このファーム新規球団が軌道に乗れば、行き場を失った「アマチュア選手の救済」の責務は分担できる。 新規参入チームが育成選手枠を見直す契機にもなるのではないだろうか。 「巨人・松井は首都リーグ2部で投げていたので、実力を見極めるのが難しかったんです。どの球団も支配下で指名するか、育成で獲るか迷っていました」(前出・ベテラン記者) 支配下から育成に降格させる選手数の人数制限を設ければ、「FAの人的補償を逃れようとした」との疑いも向けられないのでは? 育成枠は「第2の松井」が誕生するようなシステムであってほしいものだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2023年05月22日 11時05分
巨人・原監督、中田の早期復帰を画策? 松井のローテ抜擢も成功、上位浮上に自信か
育成出身投手の「初登板初勝利」は史上2人目、セ・リーグ初の快挙である。 巨人の育成ドラフト1位・松井颯がプロ初勝利をマークした(5月21日)。5回被安打2、失点ゼロ。直球のキレ、スライダー、チェンジアップの精度の高さはファーム戦で証明されていたが、良い意味で「新人らしさ」を持った投手だと思った。自軍の攻撃中にそう思ったのだが、「楽しそうな表情」でグラウンドを見ていた。 試合序盤は東京ドームの晴れ舞台に上り詰めた喜びもあったと思うが、後続ピッチャーにマウンドを譲った後も、楽しそうに試合を見守っていた。 >>巨人・中田、秋広に「あんま調子乗るな」 LINEでの軽口にチクリ? 劇勝収めた広島戦後の裏話明かす<< 「経歴も異色です。大学はスポーツ推薦でしたが、専攻は物理学。埼玉の強豪校・花咲徳栄高では控え投手でしたが、国立大学の受験も勧められたほどです」(チーム関係者) 「楽しそうな表情」について聞いてみると、「この世代はそういうところもあると思います」と言う。 「コロナ禍の影響で、活動が制限された世代です。松井も大学1、2年生の頃はランニングや筋トレばかりで、対外試合もほとんどできなかったそうです」(前出・同) そんな松井が次回登板でも結果を出せば、チームの状況も変わってくる。 「先発ローテーションは、戸郷、山崎、横川、グリフィン、赤星、松井。救援も中川、三上、新加入の鈴木康平が安定しており、打線も含め、ようやくメンバーを固定できるようになりました。巨人が浮上してきそう」(プロ野球解説者) 試合後の原辰徳監督のコメントが興味深かった。 同日の松井の先発登板は早くから決めていたようだが、 「全体的に二回りというプランニング。良いイメージの中で、また次(の登板)を迎えてもらい…」 と言う。慎重な起用だったわけだが、ウラを返せば、松井でコケたら、次にテストさせる先発候補がいない“弾切れ状態”でもあったのだろう。 また、同日の試合前練習に中田翔も参加していた。中田がフリー打撃を行っている際、ケージ後方に張り付いていたのが原監督。中田も「もう大丈夫!」と言わんばかりのフルスイングで、スタンド・インは5連発を含む10本だった。 「原監督が頼りにしているのは、中田」(ベテラン記者) 試合後、「我々の戦い方ができれば、勝率も上がっていくと思いますよ」と、ちょっと強気な発言もしていた。指揮官にそう言われたのは中田の早期復帰を確信したからだろう。 「原監督は四球を出すのが大嫌いなんです。松井に合格点を与えたのは『四球1』に抑えたからです」(前出・同) 5月7日の同カードで直江大輔が2者連続四球を出したシーンが思い出される。自らマウンドまで行き、直江の後頭部を“ナデナデ”していた。 原監督の言う「我々の戦い方」とは先発投手が好投し、打線爆発、救援投手も四球を出さないことか? それができる若い選手も多いのだが、上昇ムードを継続させるのは指揮官の仕事だ。23日から始まる2位・DeNA。首位・阪神との6連戦で、「我々の戦い方」がホンモノかどうかが問われる。(スポーツライター・飯山満)
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