その他 2023年05月01日 22時20分
「おぐらが斬る!」その考え方と行動が幸運と不運を左右する
世の中には幸運な人、不運な人というのがいる。運には「自分ではどうしようもないもの」がある。生まれた国、環境、いま流行りの言葉である「親ガチャ」、つまり子どもに親は選べない。しかしそんな「運」も、その捉え方や考え方で、大きな違いが出てくるようだ。イギリスの心理学者リチャード・ワイズマン博士は「いつも運がいい人と悪い人」がいることに気が付き、いろいろな調査や実験をした。例えば、計700人に宝くじの当選番号を予想してもらったところ、運のいい人も悪い人も当選確率は同じであった。ただ心理面に違いがあった。運がいい人は「当たる自信がある」と答えた人が、運の悪い人の2倍もいたのだ。つまり宝くじのような当選確率は変わらないが、「当たる自信がある」というようなポジティブさ楽観性が、普段の運の良し悪しを左右していたのだ。ワイズマン博士の実験の中には「あなたは、銀行強盗に遭遇し、腕を撃たれた。運がいいと思うか? 悪いと思うか?」という質問がある。運が悪い人は「何をバカなことを! 運が悪いに決まってる!」と答え、運がいい人は「運が良かった。頭なら死んでいた」と答えたという。運がいい人は「生きてるだけで儲けもの」「不幸中の幸い」とポジティブに物事を考え、運が悪い人はネガティブなところに目が行き、そこに囚われてしまう傾向があったというわけだ。また、運がいい人悪い人の心理実験によると・運がいい人は、外向性(社交性)が高く、運が悪い人は低い。・運がいい人は、開放性(新しい経験に前向き)が高く、運が悪い人は低い。・運がいい人は、神経症的傾向が低く(つまりメンタルが強い)、運が悪い人は高い(つまりメンタルが弱い)。と、このような傾向があった。外向性や自己解放性が高い人は、人から好かれ、そのためますます自己肯定感が高くなり、メンタルも強くなるという好循環になり、その逆の人は自信を失いメンタルが弱くなるという悪循環になる。恋人ひとつとっても、こちらから話しかけない人は、恋人ができにくいのと同じだ。恋人が出来ない人がいくら「運が悪い」と嘆いているだけでは恋人はできない。運がいい人は、いろいろな人に話しかけ、その中に「運よく」いい相手と出会って恋人になる。このようにちょっとした思考習慣が幸運と不運、幸福と不幸を左右する。しかし人付き合いが苦手という人やメンタルに自信がないという人も多いかと思う。そんな人はまず、自分は「運がいい」と考えるようにしたらいかがだろうか。実際、人間の脳は生き残るために全力で働いている。おかげでまだ「運よく」生き残れているのだから。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。