スポーツ 2020年12月17日 17時00分
巨人戦力外選手への“ベストナイン投票”に「ふざけすぎ」ファン激怒 物議を醸す吉川大・モタへの投票、理由説明を求める声も
毎年オフに全国の新聞、通信、放送各社に所属し5年以上プロ野球を担当している記者による投票のもと、セ・リーグは7部門・9名(外野は3名)、パ・リーグはDHを含めた8部門・10名(同)が表彰されるベストナイン。1940年の創設からちょうど80年となる今年の受賞選手が16日に発表されたが、一部記者の投票先がネット上のプロ野球ファンの間で物議を醸している。 ベストナインの投票結果はセ・パそれぞれの投票総数(セ313票、パ277票)と共にNPB公式サイト上で公開されているが、問題となっているのはセ・リーグ二塁手部門と外野手部門における選手の投票数内訳。二塁手部門は広島・菊池涼介(161票)、外野手部門はDeNA・佐野恵太(260票)、巨人・丸佳浩(186票)、広島・鈴木誠也(161票)が選出されたが、投票内訳を見ると二塁手部門では巨人・吉川大幾(3票)、外野手部門では巨人・モタ(1票)に票が投じられていた。 吉川は今季「.100・0本・0打点・1安打」と打撃では全く結果を残せず、二塁での出場もわずか5試合のみ。モタも「.222・1本・4打点・2安打」と振るわず、外野には4試合しか入っていない。共に今季限りで戦力外となっているが、今回の得票結果はその両名に「ベストナインにふさわしい」という評価を与えた記者がいたことを浮き彫りにしている。 >>巨人惨敗の日本シリーズ「ウチが出た方が勝てた」?中日・大島の“毒舌”が物議、「それは無い」阪神・藤川は即否定<< 吉川、モタの得票数を見て、ネット上には「匿名投票だからってふざけすぎだろ」、「吉川については同僚の吉川(尚輝/二塁手部門で104票獲得)と間違えた可能性はある、ただモタへの得票は本当に理解できない」、「4、5試合しか出場してない選手がベストってどんな考えしてるんだ」といった批判が噴出している。 同時に、「吉川、モタに投票するような訳の分からん記者は実名を公開した方がいい」、「こんな無責任な投票を防ぐためにも記名投票にすべきだ」と、現在の無記名投票から記名投票への制度変更を求める声も高まっている。 一方、「記者が悪質な誹謗中傷受けるかもしれないのに名前明かすとかするわけない」、「球団との関係もあるだろうし記名制は現実的ではないのでは」と記名投票制の導入は厳しいとするコメントも見受けられた。 「吉川、モタの得票が物議を醸している今年のベストナイン投票結果ですが、昨年は外野で21試合しか出場していない巨人・岡本和真に1票、一昨年には捕手として31試合の出場にとどまった日本ハム・石川亮に1票が投じられるなど毎年不可解な投票が少なからず見られ、その度に記名投票制の導入を求める声が噴出しています。ただ、記名投票制にすると“記者に対するネットリンチ”、“担当球団以外の選手への投票回避”といった事態が起こるかもしれず、最悪の場合は記者同士が『これならファンに叩かれないだろう』と事前に投票先・投票数をすり合わせる談合じみた行為を行う可能性も否定できません。これらのリスクを踏まえ、記名投票制はこれからも導入されることはないだろうとみているファンも少なくないようです」(野球ライター) 一部からは「匿名でもいいから、せめて投票の理由を添えることぐらいは義務付けるべきでは?」という案も挙がっているベストナイン投票。来年度以降に現行制度が変わることは果たしてあるのだろうか。文 / 柴田雅人記事内の引用についてNPBの公式サイトよりhttps://npb.jp/