ミステリー 2022年09月18日 23時00分
人類は不老不死になれる?スペインの研究チームが「不死の生物」のDNAを解析することに成功
人類が昔から追い求めてきたもの、不老不死。ギルガメシュ叙事詩や秦の始皇帝の伝説や歴史をひもといても古くから人々が老いや死を恐れ、どうにかして遠ざけようとしてきたことが分かる。現代では科学や医療技術の発展により、治らなかった病気が治せるようになって結果的に長寿になってきているが、それでも若返りや不老不死の技術は得られていない。 そんな中、スペインの大学の科学者グループが不老不死という驚くべき性質を持つクラゲの謎を解き明かすことに成功。近いうちに人類の役に立つかもしれないとして注目を集めている。 >>江戸時代、富山に11メートルの人魚「海雷」が出現していた!?<< 『米国科学アカデミー紀要』に掲載された「死せる刺胞動物と死せざる刺胞動物の比較ゲノム学により、若返りの背後にある新しい鍵が明らかになる」というレポートを執筆したのはスペインのオビエド大学生化学・分子生物学部の研究チーム。ここでは地球上で唯一「不死」に分類される生き物の一つ、Turritopsis Dohrniiことベニクラゲを研究している。 ベニクラゲは多くの生き物の中でも珍しい、「成体から幼生に自由に戻ることができる」という若返りの能力を持っている。なおこのクラゲも水質の悪化や病気、補食されるとあっさり死んでしまうため、厳密には不死身ではない。しかし老化を逆転させる能力を持ち、実際に生きようと思えばいくらでも生きられるため、不死の生物と言われることが多い。 今回の研究はこのベニクラゲをほぼ同類のクラゲと比較、ベニクラゲが自分自身を若い状態に戻すために使っているDNAの正確な部分を分離することに成功したというもの。「複製、修復、テロメア維持、酸化還元環境、幹細胞集団、細胞間コミュニケーション」に関連する遺伝子の変異や伸長を同定したという。さらに、本質的に逆年齢化させるDNAがどの部分に影響するかを見つけるため、さらに研究を進めているとのこと。 ベニクラゲを研究、利用して不老不死に、という話は創作の世界でも登場している話だ。だがもしかすると近い将来、本当にベニクラゲのDNAを利用して人間の老いを止めたり、現在では治せない多くの病気の治療に役立てることができるかもしれない。山口敏太郎作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中関連記事Humans could become 'immortal' thanks to a breakthrough in unique jellyfish science(The Daily Star)よりhttps://www.dailystar.co.uk/news/weird-news/humans-could-become-immortal-thanks-27933868