芸能 2025年12月04日 15時30分
是枝裕和監督が話題作アニメ「ルックバック」の実写化にファン論争 「同じ感動は生まれない」「アニメは越えられない」とバッサリ
映画監督・是枝裕和氏が、漫画家・藤本タツキ氏の話題作「ルックバック」(集英社)を実写映画化することが3日、メディアで報じられた。公開は2026年を予定している。是枝氏は2017年の「三度目の殺人」、2018年の「万引き家族」、2023年の「怪物」といった名作映画のメガホンを取った名監督である。さらに、「ルックバック」は2024年6月にアニメ映画化され、興行収入は20億4000万円を記録した大ヒット作。同年の興行収入ランキングでは14位に輝き、世界最大規模のアニメーション映画祭である「アヌシー国際アニメーション映画祭」で上映されるなど、国内外で高い評価を得た。現在公開中の藤本氏原作のアニメ映画「チェンソーマン レゼ篇」の興行収入も100億円突破を目前とする好調ぶり。藤本氏の作品では初の実写化となるため、大きな注目が集まっている。撮影は秋田県にかほ市を中心に行われ、すでに終了しているとのこと。現在は編集作業に入り、韓国・台湾での公開も決定し、全世界での公開に向けて準備が進められているようだ。是枝氏は、偶然立ち寄った品川駅の書店で原作漫画を購入し、「きっと藤本タツキさんはこの作品を描かないと先に進めなかったのだろうなと、そんな気持ちが痛いほど伝わってきました。自分にとっては、『誰も知らない』がそんな作品でした」と、一気に読み切った感想をコメント。その後、「ルックバック」実写映画化のオファーを受け、藤本氏と対面し、その帰り道に「“やらないわけにはいかない”と覚悟を決めた」と語っている。一方の藤本氏は、「是枝監督がルックバックを撮ってくれるなら僕はもう何も言う事はないです。楽しみにしています!」と期待のコメントを寄せた。同映画の実写化にネット上では、「是枝監督は『海街diary』も良かったし、ティザービジュアル見るだけでも期待できそう。原作の骨格はリスペクトして、きっちりアレンジして新たな魅力を放つ作品にまとめそう」「え、って思ったけど是枝監督の作品なら絶対に見たい。あとは配役次第!」「是枝裕和が監督なら不安どころか期待しかないな!!今から楽しみ!!」といった称賛の声が上がる一方で、「そのままにしてくれないか。ヒューマンドラマだからと言って実写化は上手くいくわけがない」「雨上がりの田んぼのあぜ道を主人公が浮かれて走る『あの名シーン』をどうやって表現するんだ。ストーリーをなぞって映画化しても同じ感動は生まれない」「漫画として、アニメとして満足度高い作品なのになぜわざわざ実写化するの?いくら是枝監督でもアニメは越えられない」といったネガティブなコメントも見られた。また、同日のニュースサイト「アサジョ」(徳間書店)では、実写化について「懸念点もある」と指摘する。エンタメ誌ライターによると、「漫画『ルックバック』は、2021年7月19日にウェブサイト『少年ジャンプ+』で、全143ページの大長編として発表。ところが1巻読みきりだったため、劇場アニメ映画にすると58分間しかない短編となった。今回の実写版も、原作に忠実に制作すれば短くなる可能性もあるのですが、是枝作品ということを考えると短尺になることは考えられせん。かといって、原作にない部分で演出過多になれば世界観を壊すことにもなりかねず、原作ファンは楽しみにしながらも、この点にはやきもきしている」(原文ママ)と語る。ちなみに、是枝監督の代表作「三度目の殺人」の上映時間は124分、「万引き家族」は120分、「怪物」は126分であることから、昨今の話題作品「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」(155分)、「国宝」(175分)と比較した際、上映時間の長さがマイナスになっておらず、作品のクオリティーが高ければ長くてもむしろ興行成績はよくなると思われる。はたして、人気漫画の実写化は功を奏するのか。公開が楽しみでならない。