ミステリー 2022年01月15日 23時00分
本物か、それとも偽物か 論争を巻き起こした1950年に撮影されたマクミンビルのUFO写真
有名なUFO写真はいくつか存在するが、1950年にアメリカ・オレゴン州にある農場で撮影された「空飛ぶ円盤」を捉えたとされる画像もその一つだ。 >>NASA、地球外生命体との遭遇に備えるために神父を雇用<< 1959年5月11日午後7時30分、オレゴン州マクミンビル近くの農家に向かっていたエヴリン・トレントさんが空をゆっくり移動する金属製の円盤を目撃。夫のポールさんに、物体を確認するよう呼びかけた。 ポールさんは慌てて家の中にカメラを取りに戻り、2枚の写真を撮影することに成功。金属製の円盤らしきものはスピードを上げて西の方角に消えていった。2枚の写真にはしっかりと円盤の姿が捉えられており、色の黒い底部や、平べったい台形でアンテナのようなものが真ん中から出ている様子が確かに残っていた。 翌月、この2枚の写真は「At Long Last - Authentic Photographs Of Flying Saucer[?](ついに公開、本物の空飛ぶ円盤の写真?)」という見出しで、地元紙のマクミンビル・テレグラフに掲載。UFO研究家や科学者、写真に関する専門家の間で真偽をめぐって議論の的になった。 多くの人はこの夫婦が本当に円盤か、非常に珍しいものを撮影したのではないかと考えていたようだ。だが中には写真に対して懐疑的で「偽造」説を主張する人もいた。最も有力な説は写真の「空飛ぶ円盤」が実は車のウイングミラーで、それを頭上のケーブルから釣り糸で吊るして、空中に浮いているように見せたというものだ。 また、この事件を調査した天文学者のウィリアム・K・ハートマン氏は、写真の照明がトレント夫妻の主張する時間帯とは異なることを示唆している、と指摘した。 「UFO、電柱、おそらく左のガレージ、そして特に遠くの家の屋根(遠くの納屋の左)が右、つまり東側から照らされているという事実から見て、矛盾している可能性があります。特に家に注目すると、屋根の下に影があるように見えるので、日中の写真であることを示唆しています。東からの入射と相まって、この写真は例えば午前10時頃の日差しの下で撮影されたと考えられます」 確かに目撃、撮影したという時期、時刻から考えると、空が明るすぎるように感じる。 現在、この写真はUFOを撮影したものではなく、トレント夫妻の話も作り話であった可能性が高いというのが通説になっている。それでも長いUFOの歴史に残る、興味深い写真であることは間違いないと言えるだろう。山口敏太郎作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中参考URLMysteries revisited: the McMinnville UFO photographs(unexplained-mysteries.com)よりhttps://www.unexplained-mysteries.com/news/354261/mysteries-revisited-the-mcminnville-ufo-photographs