社会 2025年09月08日 09時00分
ネトフリ共同CEO、WBC独占放映権獲得の狙いを明かす
Netflix(ネトフリ)がアメリカでサービスを開始したのは2007年で、現在は190超の国・地域で展開し、世界の有料会員数は3億世帯を超える。この成長を支えてきたのはオリジナルコンテンツだ。日本でサービスを開始したのは2015年で、「全裸監督」や「地面師たち」などが大ヒットした。ネトフリは8月、第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の全試合を日本で独占中継すると発表した。有料の動画配信なので、テレビ地上波での無料中継はなくなる見込みだ。テレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」が同社のグレッグ・ピーターズ共同CEOに独占インタビューした。日本法人設立に携わったピーターズCEOにとって、日本は特別な国だそうだ。夫人が日本人であり、日本語を2年間学んでいたこともあるという。CEOは、同社のアジア進出にあたり拠点を日本に構えたと振り返る。そして、「人々が親しみを込めて『ネトフリ』と呼んでくれることは、とても大きな意味がある」と話す。現在、日本では1000万超の世帯がユーザーとなっている。10周年を迎える今年、同社の次の挑戦は「ライブ配信」だ。本国アメリカに次いでライブ配信を多く行う国が日本。その新たな挑戦の幕開けとなるのが、来年3月に開催されるWBCというわけである。「“瞬間”を作り出す作業だ。同じものを見て会話する瞬間だ。非常に強力な取り組みだと確信している。日本でも同じ戦略を試せるイベントが何かないかと考えていたが、ちょうどWBCの放映権が話題になっていた。日本には熱心な野球ファンが多くいるので絶好の機会だ」アメリカではすでにスポーツのライブ配信に力を入れていて、マイク・タイソンの試合では6500万世帯が視聴した。ただ、日本の野球ファンが気にしているのは、試合を見られるのはネトフリの有料会員だけになってしまうのではないかということだが、この質問に対しピーターズCEOは「そうなる。それが複数の場所で追求してきたビジネスモデルだ」と答えた。有料会員だけが見るスポーツ中継は日本で広がるのかという質問に対しては、次のように答えた。「それはよくわからない。しかし高品質の体験を提供できるし、今の会員を満足させられる。有料の独占スポーツ配信は放送でもストリーミングサービスでも長年業界に存在した」次にCEOが語ったのは日本のコンテンツ力だ。「われわれの多くが日本の創造性や物語に対し非常に大きな敬意を抱いている。マンガ、アニメ、小説といった膨大な創造的な資源が思い浮かぶ。素晴らしい日本のクリエーターと協力し、その物語を世界に届けるチャンスがあると考えた」ネトフリで日本作品は世界で累計250億時間以上も視聴され、世界93カ国でトップ10にランクインされているという。CEOは「2029年末までに50以上の日本オリジナル作品をリリースする計画がある」と話す。日本のコンテンツに大きな期待を寄せているとした。現在、東京・渋谷では上陸10周年を記念して「Netflix 10周年アニバーサリーセレブレーション」が行われている(14日まで)。