芸能ニュース 2020年04月11日 20時00分
極貧少年だった大東駿介を救った2人の芸人 同級生の漫才師は売れっ子に
NHK大河ドラマや連続テレビ小説、“ミナミの帝王”シリーズ、映画「クローズZERO」シリーズほか、人気作品に数多く出演してきた俳優の大東駿介には、感謝してもしきれない恩人がいる。吉本興業に所属する2人の芸人だ。 そもそも大東は、複雑な家庭環境で育った。小学3年生のときに、父が蒸発。タクシー運転手で生活サイクルが合わなかったため、普段からほとんど一緒にいなかったが、母が井戸端会議で「離婚した」と話しているのを聞いて、その事実を知った。 その母も、中学1年生のときに蒸発した。当時の住まいは、自営業のクリーニング店。たった1人だけで残された大東少年は、1人で暮らすことを決めた。 クリーニング店に残っていたお金をかき集めても生活できるほどはなく、24円の駄菓子「どんどん焼き」で空腹をしのいだ。甘いジュースは飲めず、炭酸水さえぜいたくに感じた。毎日昼食を抜いている大東を不思議に思った担任の教師は、菓子パンの「スティックチョコパン」を買い与えてくれた。 しばらく極貧生活を隠して学校に通っていたが、ついに限界が来て以降、家に引きこもった。話し相手は、小5から飼っていたウサギだけ。部屋のライフラインが止まったときには、ウサギのフンが散らかったままの部屋で寝ていた。 「自暴自棄になり、終わらない生活苦の中、救いの神となったのはテレビで流れていた『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)だったそうです。特にナインティナイン・岡村隆史さんのトリコになり、毎週の放映を楽しみにして1週間を乗りきり、録画も欠かさず。きっと、辛い日々の中で唯一笑えた時間だったのでしょう」(テレビ雑誌のフリーライター) 2人は今年、岡村がトーク相手を務める「おかべろ」(関西テレビほか)で共演。大東は緊張で顔をこわばらせながらも、辛い幼少期と“めちゃイケ”、岡村への情熱を語った。 岡村の後輩で、「M‐1グランプリ2018」の敗者復活戦で大注目されたコンビ芸人の金属バット・小林圭輔も、ドン底時代をピックアップしてくれた恩人だ。 同級生で、仲良し5人組のうちの1人だった小林らはある日、大東の自宅のドアを壊して入ってきて、自宅に招いてくれた。友人の母は、ガリガリに痩せ細った大東の目の前に寿司、カレー、焼きそばほか、育ち盛りの少年が好きそうな炭水化物をズラリと並べて、歓待した。 極貧生活は、親戚に引き取られたことによって終わった。そこからは人並みの生活を取り戻し、19歳で芸能界入り。その2年後、運命を変えた映画「クローズZERO」と親友で俳優の小栗旬と出会った。現在34歳。俳優1本で食えるようになって久しい。 まぶしすぎるスポットライトを浴びるまでに流した涙の数は、誰にも負けない大東。現在のサクセスの裏には、“努力の天才”岡村とM-1芸人の小林が存在していたのだ。(伊藤由華)