芸能ニュース 2020年08月09日 16時00分
「女版半沢直樹」を描くのはキングオブコント王者、元ナベプロ芸人
終電後に駅をウロつく一般人に、テレビ東京スタッフが「家、ついて行ってイイですか?」と声をかけるのは、同局のドキュメンタリー番組。その類似フレーズ「あなたの家、行ってもいいですか?」で、上目遣いのオンナがオトコを誘うのは、テレ東の深夜ドラマ「おしゃ家ソムリエおしゃ子!」だ。7月15日から新設されたドラマ枠・水ドラ25(毎週水曜深夜1時28分~)の脱力系。主役は矢作穂香で、現在、美容皮膚科レジーナクリニックのテレビCMに伊藤健太郎と出演中だ。 >>M-1ファイナリストは朝ドラ女優の兄だった!<< モデル兼女優とあって、実に整った顔立ち。だが、本作で演じる“イエーガー・おしゃ子”は、おしゃれな家に住む男としか交際できないおしゃ家ソムリエで、付き合う前にお持ち帰りされる。そして、毒舌と矢継ぎ早のダメ出しで、男を降伏させる。 圧巻は顔芸だ。ドラマ「半沢直樹」(TBS系)の香川照之さながらで、“女版香川”を襲名しても不思議ではない迫力だ。 狙った男の部屋に入るとまず、「入って5秒で内見完了!」と発声。持ち帰られてもいいと思うハードル、呼称「おしゃードル」を発動させる。これは「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」(日本テレビ系)で見られる得点ボードを模したもの。画面右下に15点満点のおしゃードルが映し出され、頂上にたどり着くとお持ち帰りが確定となる。 ほかにも、パクリが満載。「おしゃ、みっつですっ!」は、堺正章がMCを務めた人気料理番組「チューボーですよ!」(TBS系)。「おしゃペディア」は、ウィキペディア。「おしゃクイズ」「おしゃんきんぐタイム」「おしゃれ語録」ほか、量産っぷりはすさまじい。 おしゃ子の手にかかれば、どんな男もこっぱみじん。築浅の高級タワーマンションに住むイケメン、下北沢の築50年のアパートを完全リノベーションしたグラフィックデザイナー、自然素材を生かした部屋に住むアパレルショップの店員。みんな、撃沈した。 脚本家は持ち回り。屁理屈っぽい正論が台詞の随所に散りばめられているのは、お笑い畑の人間が台本を書いているからだ。 がじん祥太も、そんな1人。元ワタナベエンターテインメントに所属していたピン芸人で、我人祥太として「R-1ぐらんぷり2010」のファイナリストになっている。だが、飛躍することなく芸人業を廃業。作家に転身後は多くの作品に参画し、ドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う」チェインストーリー(日テレ系)も担当した。 「キングオブコント2013」優勝コンビ・かもめんたるの岩崎う大も名を連ねる。メジャーコンテストの実績保持者が同作を書いているのだから、面白くないはずがない。 8月12日放送の第5話以降は、“お持ち帰る男”として佐伯大地、佐野岳、藤田玲らが登場。コロコロチキチキペッパーズ・ナダルもドラマに初挑戦する。 おしゃ子で新機軸を打ち出した矢作。罵倒されたいM男に勧めたいハイスペックな顔面プログラムだ。(伊藤由華)