裁判を傍聴しているジャーナリスト・今井亮一氏は公判の様子をこう語る。
「伊東さんは初公判のときに傍聴席に座っていました。私が見た限りではずっと、縮こまるように俯いていましたよ。その時の佐々木被告は、上下グレーのジャージ、右手の人差し指にリングのタトゥーがありました。悪びれた感じもなく、他人事のような素振りでした。2012年2月、伊東さん宅に出入りしていた際、隙をみてカギを盗み、空き巣等も働いていたほか、同年6月、自宅マンションで寝ていた伊東さんの裸体を撮影し、『この写真が出回れば芸能活動ができなくなるぞ』と言って脅したこともあったようです」
長年、その裸体画像をネタに脅されていたエスパー伊東は、調書でその苦しみをこう語った。
「約2年もの長い間…ネットに書いてやるぞと脅され…ゴールが見えないストレスを感じて辛かった。時間を奪われることが辛かった。突然来て居座り、外へ誘い、断ってもしつこくて…。佐々木被告は働くことを嫌がるくせにクルマを持って、競馬をしていた。身の丈にあった生活をすべきだと思います。解放され、ようやく生きていると実感しています」
一方、“地獄の苦しみ”を味わわせていた佐々木被告は、「悪いこととはわかっていた。30歳になったら…それまでは伊東さんの金で食わせてもらおう、というくらいの気持ちでやっていた」と調書で語っていたが、皮肉にも拘留中に30歳を迎えた。
佐々木被告の言う通り、20代で恐喝生活に終止符が打たれたわけだが、エスパー伊東はとんだ人生計画に付き合わされたものだ。