前半は、『冗談会議』。レギュラーメンバーの座を勝ち取った若手芸人たちが考えた企画をプレゼンする内容だ。ジャッジするのは、森三中・大島美幸のダンナで、大人気放送作家の鈴木おさむ。その両サイドを固めるのは、現役東大生で偏差値99の葛西祐美。そして、出版社・幻冬舎の現役編集者で、最近では女優・石原さとみや剛力彩芽の交際相手のIT社長と交流があることでメディアに引っ張りダコの箕輪厚介だ。
精鋭3人を前にした若手芸人たちは、何を提供するのか。知名度がないだけに、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)のような万人受けする甘い企画じゃ、ナメられる。だから、知恵を振り絞るのだ。
彼・彼女たちは、実に不均等なメンツ。ベテランだが、もはや番組オーディションにさえ呼ばれなくなってしまった、虹の黄昏。一方では、『女芸人No.1決定戦 THE W』のファイナリスト・どんぐりパワーズ、『キングオブコント 2017』のファイナリスト・パーパーとGAG少年楽団(現GAG)、『M-1グランプリ2017』のファイナリスト・マヂカルラブリー。さらに、地上波出演は数える程度ながらも、話術は群を抜いている番組イチの大穴・街裏ぴんく。この中から次代のバラエティ界を支える革命児が出てきそうな予感だ。
そして後半は、『冗談手帖』。これは、毎回1組の次世代芸人が、まずはもっとも自信があるネタを披露。続いて、鈴木が与えたお題をテーマにした実験ネタをもう1本見せたうえで、今後売れるためのブレストを重ね、鈴木から最終的な答えを導きだせるというものだ。同番組出演がきっかけとなって売れたわけではないが、東京ホテイソンや完熟フレッシュ、カミナリ、とろサーモンといった面々も、この関門をくぐっている。
ニコイチ番組の特徴は、粗削りではない芸人ばかりが出ている点だ。つまり、売れていないけど、オモロイ。知られていないけど、達者。そんな発見と知的好奇心をさらに育んでくれる“リアルお笑いディスカバリー”だ。タイトル題字やイラストを描いているのは、かつて『さんまのまんま』(関西テレビほか)にも出演したピン芸人・ZAZY。総合演出は、ギャル曽根の夫・名城ラリータ。
舞台は整っている。あとは、芸人がガチで売れてくれることを待つのみだ。