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パナソニックが電子書籍出版部門へ進出 買収ターゲットとなった出版社の名前

 業績が低迷するパナソニックが『電子書籍部門』へ進出することが明らかになった。
 出版社本体の買収や電子書籍を扱う部門単位での買収も検討しているという。
 国内外の複数の出版社と交渉を進め、早ければ来年度にも買収先を決定する見通しだ。
 代わりに捨てる部門もある。血糖値測定センサーや補聴器、電子カルテ作成システムなどを手がける『ヘルスケア事業』は売却する方針だ。

 すでに複数の出版社などに打診しているという。
 「パナソニックにはグループ内にPHP研究所があるが、ここはあまり電子書籍に力を入れていない。そのため、ある程度コンテンツ(作品)がある電子書籍出版社を手に入れることがポイント。これでスマホやタブレットなどの販売促進の売れ行きをアップさせる相乗効果を出していこうという作戦です」(業界関係者)

 パナソニックは'04年、松下電器時代に世界初の見開き型電子書籍専用端末『Σブック』を発売した。だが、販売台数数千台という結果に終わった。
 それからも同社は2回ほど電子書籍専用端末の発売に挑戦したものの、残念ながらヒットはしていない。そんな過去があるせいか、パナソニックの新戦略にクビを傾げるITジャーナリストもいる。電子書籍には縁のない企業というイメージが強いのだ。

 ただ、パナソニックはすでに“買収”で動き始めており、出版社の名前もちらほら挙がっている。
 「最近、大手のS社に急接近していますよ。そこは、パナソニックで宣伝部にいた漫画家のヒットシリーズを出している。そのS社も赤字続きですから、可能性はなくはありません」(出版界事情通)

 大手広告代理店子会社で、漫画に強いN社も対象にあがっている。
 「N社は複数のビルやかなりの現金を保有している優良企業。漫画を中心に伸びてきたが、いまや壁にぶち当たっている。ただ、電子書籍部門はスタッフその他で充実しているとはいえず、さらなる開拓が必要です」(前出・出版界事情通)

 低迷する出版界も、多少ながらバブル時代の匂いが漂ってきたといえまいか。
(編集長・黒川誠一)

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