監督/キャシー・ヤン
出演/マーゴット・ロビー、ロージー・ペレスほか
2月公開の『スキャンダル』ではシャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマンというパツキン大先輩に伍して一歩も引かない印象を見せつけ、これが赤丸急上昇の女優の勢い、と思わせたパツキン美人女優マーゴット・ロビー。彼女の当たり役で、天真爛漫のノリで悪事を働くブッ飛びヒロイン映画『スーサイド・スクワッド』(16年)の続編である。そのケバくて過剰なメークも超絶美女なら“化粧負け”しない。劇中、泥だらけ、血まみれ、汗みどろになっても、その美貌は衰えず、さらにエスカレートして、大暴れだもの。うれしいぞ。
あの“ジョーカー”にフラれた心の痛みを忘れるため、ウップン晴らしに精を出し過ぎたハーレイ(マーゴット・ロビー)。その怖いモノ知らずの行状がゴッサムシティの極悪人たちの恨みを買ってしまう。そこに加えて、ダイア盗難騒動が起こり大混戦に拍車が掛かる。彼女は市警で疎外される女刑事レニー(ロージー・ペレス)らアウトローな女たちと手を組み“悪対悪”の闘いを始める…。
今となっては「ジョーカーの元カノ」という設定が“勲章”にもなろうか、というキャラが小気味よい。手にする武器も、1作目の金属バットからパワーアップ。さらに失恋の痛手を癒やすペットは何と、獰猛なハイエナってのが素晴らしい。美女と猛獣は昔から相性がいい。それにつけても、目がクギ付けになるのはそのアンヨ美。もう“脚フェチ”垂涎の逸品で、ボクも“イカだってゲソが好き”なくらいのアンヨ好き。もうブーツからニョキニョキ生えて育った白くて長い脚にブラボー! おまけに太股はむっちりで、タトゥーで汚しても大丈夫。思わず、あの長い脚に“首四の字固め”されたい、蹴り飛ばされたい、という妄想大魔王になってしまいそう。
ハーレイを筆頭に確かに女たちもワルいけど、男どもは犯罪組織でも警察組織でも、もっと悪辣で腐り切った奴らばかり。この際、“街の大掃除”とばかりに、てんでバラバラだった女同士を束ねてウザい男どもをブッ飛ばそうヨ、とハーレイ様のツルの一声で大同団結。前出の孤立無援の女デカ、敵側に囲われていた武闘派歌姫、クロスボウを操る女殺し屋など精鋭ぞろい、というのがいいね。
それにしても今年に入って、女性たちが男をブッ飛ばす作品が目立つ。ジェニファー・ロペスの『ハスラーズ』、前出の『スキャンダル』、さらには『チャーリーズ・エンジェル』…いわゆる“シスターフッド(女性たちの団結)映画”のトドメが、この新作だぜ。
こういう映画を楽しむくらいの余裕を、男として持ちたいね。
《映画評論家・秋本鉄次》