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検察が狙う本丸は安倍首相か 河井案里参院議員の秘書逮捕

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提供:週刊実話

 広島地検が公職選挙法違反(運動員買収)容疑で河井案里参院議員の公設秘書と夫である河井克行前法相の政策秘書ら3人を逮捕したことで永田町が大揺れだ。電撃逮捕に安倍政権や自民党内からは「検察の最終ターゲットは、もはや河井夫妻ではない。検察の視線の先には安倍首相を本丸と見ている節がアリアリ」というおののきの声さえ飛び交い始めた――。

 広島地検が突然動いたのは3月3日、ひな祭りの日だ。被疑者らの逮捕容疑は昨年7月、案里氏が初当選した参院選で、ウグイス嬢に対し、公選法施行令で定められた上限額(1日1万5000円)を超える3万円の日当、計204万円を支払ったというもの。

 広島地検の動きを元検察関係者がこう分析する。

「秘書らの有罪が確定したら、連座制が適用され案里氏の失職もある。それだけではない。この事件が注目を集めているのは、裏で大きな対立があるからです」

 事件裏の対立…。それを説明する前に、まずは昨年7月に繰り広げられた参院広島選挙区事情を簡単に振り返っておこう。

 広島選挙区は自民党重鎮で岸田派の溝手顕正元国家公安委員長が単独立候補予定だった。だが、溝手氏は安倍首相を「過去の人」と評したことがあるなど、反安倍の急先鋒だった。

「溝手氏の発言に立腹した安倍首相は、総裁外交特別補佐を務め、覚えめでたい河井前法相の妻、案里氏擁立を画策した」(自民党幹部)

 広島選挙区は定員2で自民党候補が2人当選できる票田ではない。首相周辺は案里氏当選に向け、なりふり構わぬ作戦に打って出る。豊富な党資金の投入だ。案里氏には溝手氏の10倍、1億5000万円という巨額の金をバラまいた。

 さらに、安倍事務所の秘書4人を含め、自民党から大量の人海戦術。加えて安倍首相、菅官房長官ら党幹部が何度も広島へ応援に入っているのだ。案の定、案里氏は当選し、溝手氏は落選した。そして、夫の克行氏は9月の内閣改造で法相に大抜擢された。

 河井夫婦の栄華はここまで。昨年10月末、週刊文春は案里陣営からウグイス嬢へ公選法違反となる支払いがあったことなどを報じた。結果、河井法相は辞任に追い込まれ、広島地検は今年1月、案里氏の広島事務所などをガサ入れする。一気に事件は核心に迫るかに見えたが、なぜか捜査はピタリと止まる。そして、約2カ月後の3月3日に秘書3人の一斉逮捕となった。

 さて、ここから事件裏の対立だ。前出の元検察関係者が、今回の捜査の2つのカギを指摘する。

「1つは検察VS安倍官邸の構図です。検察サイドは一度は官邸にKO寸前まで追い込まれたが、検察内部から猛反発が起き、巻き返したといわれています。そもそも、甘利明元経済再生担当相の現金授受UR疑惑、小渕優子元経産相の政治資金疑惑など、最近の検察捜査にストップをかけてきたとされる最大の功労者が官邸とズブズブの黒川弘務・東京高検検事長だ。その黒川氏が定年退職目前で検事総長含みの定年延長が突如1月末、官邸主導で閣議決定された。検察は真っ青となった。これで広島地検の動きがピタリと止まった。河井前法相も周囲に『総理が動いてくれています。安心してください』と強気発言を漏らしていたといわれるほどです」

 しかし、事態は一変する。

「検察庁法では検察官の定年延長はできないのが取り決め。それを歪める安倍政権の政治介入に対し、2月19日の全国検察幹部会議で多くが猛反発し、批判が噴き出した。これを受け、稲田伸夫検事総長が安倍政権とガチンコで対峙し、案里事件捜査続行で腹を括ったといわれています」(全国紙司法担当記者)

 河井夫婦秘書逮捕裏には、抜き差しならない検察のメンツがあったのだ。

「しかし、反発だけでは安倍一強のパワーには検察といえども勝てません」(同)

 そこで検察が徹底したのは事件核心の裏付け。

「ウグイス嬢の日当2倍増しだけで国会議員を追い詰めるには幼稚すぎる。河井夫婦事件の本筋は、案里陣営に支払われた1億5000万円から票の買収資金が出ているかどうかの証拠固めです。実は、86万円の買収資金が振り込まれたという人物証言がすでにある。問題は河井夫妻が関わり、そこから捜査の網が広げられるかどうか。その証拠が確実に残されている裏証言を得たから、広島地検は3月3日の逮捕に踏み切ったようです」(同)

 検察消息筋が語る。

「すべての証拠が残されていた“モノ”は、河井夫妻の携帯電話です。3日深夜、検察は都内ホテルに籠っていた河井夫妻を電撃急襲し、携帯電話提供を試みた。この際、河井前法相とは肉弾戦になったという話や案里氏も『携帯押収なら素っ裸になる』と抵抗し、大騒動になった情報も出回ったほどです」

 だが、検察はついに克行氏が「あらいぐま」、案里氏が「アンジー」の隠語でやりとりするSNSが残された携帯を入手したという。

「これが2つ目のカギです。どうも、その携帯は『宝の山』らしい。1億5000万円の使途、安倍首相秘書らの選挙中の動向が見えつつある。仮に、1億5000万円の不正使途に安倍事務所秘書らが何らかの形で関わっていたら、安倍首相のクビが飛ぶほどの非常事態です」(同)

 検察の本丸は安倍首相に向けられている。

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