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蝶野正洋の黒の履歴書 ★新型コロナウイルスと防疫問題

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提供:週刊実話

 新型コロナウイルスの感染者が増えるにつれて、日本の防疫に対する問題が露呈してきてるね。

 なによりも、ダイヤモンド・プリンセス号への対応で、日本の防疫対策は欠陥があることが世界中に知れ渡ってしまった。

 今回の対応をみていると、行政と医療機関、それにウイルスに対する現場の処理班の統制ができてないように感じた。感染対策では、安全なグリーンゾーンと、ウイルスに汚染されたレッドゾーンを区分けすることが基本らしいけど、それもできていなかったようで、船内のどこが安全で危険なのか、全く区別できていない状態だった。それで、中で防護服に着替えているから医療活動をしていた人も感染してしまったんだよ。

 今回、こういう事態に陥ってしまった原因の一つに、日本の中で独立して動ける、防疫のトップチームがないことがあると思う。

 組織でいえば、トップが厚生労働省なんだろうけど、お役所の役人は現場の細かいことを知らない。細菌の専門家の人たちはワクチンを開発できるかもしれないけど、現場でウイルスを入れないためにはどうすればいいかまでは考えられない。チームもバラバラなら、司令系統も整ってないから、うまく機能していないんだよね。

 東日本大震災時の原発事故の対応もそうだった。いかに迅速に被害を食い止めるかって判断をしなければいけないのに、それを統括するのは大臣だと。だけど、大臣は専門家じゃないから、周りから聞いた意見をまとめるしかない。だから時間がかかってしまうし、決断がどうしても遅くなる。

 欧米各国には、未知のウイルスに対応するチームがあって、それをまとめた組織もあるという。その指揮を取るのは、やっぱり軍隊なんだよね。

★コロナの影響で3月以降に社会全体がどこかで止まる

 日本は、軍隊イコール戦争という考え方だから、こうした事態に対応した組織に自衛隊を組み込もうとすると、アレルギー反応が出てくる。だけど、細菌テロから“国を守る”っていうのも、軍隊の役割なんだよ。日本は軍隊を持てないから、そこはどうしても弱い。だから考え方を根本的に変えないといけない。

 あと、新型コロナの影響で、3月以降に日本社会全体が一度、どこかで止まるんじゃないかなと思う。

 プロレス業界では、新日本プロレスやスターダムなど、多くの団体が興行中止を公表しているけど、どの業界でもイベント活動を自粛している。政府からの注意喚起も「人混みに行くな」でしょ? そしたら、都内だと通勤電車がダメになる。そうなると、学校であったり、企業であったり、すべてが機能しなくなるよ。

 東京オリンピックも中止になるかもしれないって言われている。ただ、それは大丈夫だとオレは思っている。

 毎年、インフルエンザの流行は止められないけど、冬場の乾燥期を超えれば収束することが分かっているんだよ。だから、新型コロナが繁栄するのも4月までなんじゃないかな。

 日本政府も、今年はもう治療薬の開発が間に合わないから、なんとか4月までしのごう、という考えなんだろうね。

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1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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