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釣れた魚と旨い酒!日本全国釣り行脚 神奈川県久里浜沖・アシカ島産メジナ

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提供:週刊実話

「メジナ狙いで久里浜沖のアシカ島まで行ったんだけど、エサ取りのウミタナゴばっかりで…」
 先日、釣り仲間との会話の中で、こんな話が出ました。
 ほうほう、ウミタナゴねぇ〜。最近はめっきり狙う人が少なくなりましたが、ノベ竿を携えて小磯に立ちウミタナゴを狙う光景は、早春の風物詩として各地で親しまれてきました。中でも東北地方では、“尺タナゴ”と呼ばれる30センチを超える大型が春に釣れるため、現在でも人気が根強いターゲットです。
「う〜ん、ウミタナゴか。早春らしくていいねぇ…」
 よくよく聞けば、彼は近々に再度釣行するとのこと。「ぜひに!」と同行を願い出て、ウミタナゴ狙いで便乗を決めました。
 今回の釣り場となるアシカ島は、東京湾口に位置する離れ小島。というより、むしろ“大きな岩場”と表現したほ うがよい小さな島です。潮通しに恵まれた岩礁は様々な魚の寄り場となっており、東京湾口に浮かぶ超一級ポイントとして、知る人ぞ知る存在です。

★予定外の閑散…仲間はウハウハ

「このところシケ続きだったから、船を出すのは3日ぶりだよ」
 冬晴れの早朝、船着場に現れた船長に挨拶がてら情報交換。
「シケで海の状況が変わってなければよいが…」

 一抹の不安を抱きつつも船に乗り込み出発します。

 沖に出ると、前日までのウネリは収まっていたものの、北東風がやや強く吹いていました。

 アシカ島は灯台がある小さい島(アシカ島)と、検潮施設がある大きい島(笠島)の2島から構成されていますが、今回は冷たい北東風を遮ることができる笠島への上陸を決めました。

 この島は、ほぼ全周に釣り座が取れ、ワタクシは足場がよくて風も避けられる船着場をチョイス。まずは寄せエサを撒いて様子を見ます。

 やがて寄せエサに群がるウミタナゴの姿が見え始めたものの、数はパラパラ程度…。コイツをエサ取りと考えている仲間にとってはいい兆候な反面、ワタクシにとっては最悪の展開です。

 とりあえず魚がいないわけではないからと釣り始めると、すぐに隣の仲間のハリに20センチほどのウミタナゴがヒット。ウミタナゴを本命としている身としては羨ましい限りなのですが、メジナ狙いの仲間としては、やはり不満なようです。
「これならそのうちオイラにも釣れるでしょうよ」

 再び気合いを入れてウキを眺めたものの、相手はなかなかに渋く、そのうちに寄せエサに群がる素振りもなくなりました。嗚呼、こんなハズでは…。

 ワタクシとは対照的に、小さな島向かいの水道に面した場所に釣り座を移した仲間は、35〜40センチ弱の良型メジナを立て続けにキャッチ。聞けば「潮の流れに乗せて仕掛けを沖に流しても反応がなかったので、浅い根の周りを狙ってみたらアタリが出たよ。今日はエサ取りも少なくて、かなり釣りやすいよ〜」とか。

 いやいや、ワタクシが狙っているのは、そのエサ取りなんですけど…。

 その後も仲間は良型メジナを釣り上げ、逆にこの日に限っては、エサ取りのウミタナゴは最後まで低調に終わりました。トホホ…。

 まあ、“いつもは鬱陶しいほど釣れる小魚がいざ狙うと釣れない”というのは、自然が相手の遊びの釣りでは日常茶飯事なのではありますが…。それもまた“釣りの奥深さ”と考えるしかないんでしょうな…。

★抜群の脂乗りで刺身が甘〜い

 さて、沖揚がり後は、仲間の家でメジナパーティーです。メジナというと以前は“磯臭い”といったイメージが強く、産地以外では好んで食される魚ではありませんでした。

 ところが、インターネットによる情報拡散が飛躍的に高まった昨今では、「冬場のメジナは旨い」という事実が認知されて評価が少しずつ上がっております。以前は活魚でも安値安定でしたが、よい状態の魚には立派な値段が付くようになりましたからねぇ。

「いや〜、包丁にベッタリと脂が付くよ〜」

 台所で腕をふるう仲間からうれしそうな声が響き、やがて立派な刺身が運ばれてきました。きれいな白身を口に運ぶと、白身らしい甘味が強く感じられ、磯臭さもまったくありません。産卵前を控え、旬を迎えた魚は、やはり旨いっ!

 続いて運ばれてきた焼霜造りも、香ばしい皮目と脂の甘味が相まってやはり絶品です。

 早春のウミタナゴにはフラれたものの、仲間のお陰で旬の美味しいメジナと釣り談義を肴に楽しい晩酌となりました。

 あ、楽しみすぎてお酒の写真を撮り忘れました…。スミマセン。

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三橋雅彦(みつはしまさひこ)子供の頃から釣り好きで“釣り一筋”の青春時代をすごす。当然の如く魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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