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神戸山口組 山健組内部方針全容 スローガンから消えた「報復」の文字

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提供:週刊実話

 神戸山口組では特定抗争指定の効力が発揮されて以降、兵庫県の警戒区域外でひそかに会合を行うなどし、結束を強化してきた。中核組織である山健組も、トップの中田浩司組長が殺人未遂などの容疑で逮捕、起訴され、不在が続く中で、2月には新人事を発表。新たな執行部が始動した。

 それにより、山健組本部の至近距離で起きた組員射殺事件への報復が予想されており、3月には内部方針が再確認されたという。

「六代目山口組・髙山清司若頭の自宅に銃弾が撃ち込まれた件で、実行犯と神戸山口組との関係も取り沙汰されたが、三重県警がさらなる逮捕に動いているという話は聞こえていない。山健組による報復ならば、組員が2人も命を奪われたのだから、それ相応の返しになるはずだ。実際、山健組内部では『強い山健組』という今までと変わらない方針が、改めて示されたと聞く」(山口組ウオッチャー)

 特定抗争指定の影響で、山健組では定例会を休止しているようだが、3月上旬に一部の直参らが区域外に集まり、会合を行ったという。その席で、暗に今後も臨戦態勢を敷いていくという方針が確認されたのだ。

 さらに、山本健一組長の初代山健組時代から受け継がれるスローガンについても、触れられたようだ。

「団結と沈黙やったらしいが、どうも変なんや。本来は団結、報復、沈黙の3つで、大阪戦争の時代に掲げられたんや。平成に入って報復の文字がなくなり、中田組長の五代目体制になってから、また報復の文字が戻っていたはずなんやが…」(関西の組織関係者)

 報復の文字が再び消された背景を、ある業界ジャーナリストはこう推察する。

「中田組長の勾留中、全直参の前で『必ず戻る』というメッセージが代読された。身の潔白を訴えた言葉であり、指揮官としての意欲も感じさせた。その意を汲みつつ、組員2人が射殺されたことで組織内部に怒りが渦巻いているはずで、あえて報復という言葉を省いたのではないか。行動に移した場合、組織的な犯行と取られかねないからだ」

 それ以前から、警察当局は神戸山口組への攻勢を強めており、井上組長と密接な関係にある九代目酒梅組・吉村光男総裁(大阪)を傷害などの容疑で逮捕(起訴)し、側近である山健組直参の藤岡宏文若頭補佐も恐喝容疑で逮捕。

 さらに、3月3日には神戸山口組直参の福原辰広幹部(邦楽會会長=兵庫姫路)を、兵庫県警が電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで逮捕したのだ。

「邦楽會の関係者1人も逮捕され、自動車の移転登録の際、共謀して虚偽の申請を行ったという内容でした。この容疑で分裂前から多くの関係者が逮捕されてきましたが、不起訴や略式命令がほとんどです。今回も勾留は短期間と見られ、警察の“点数稼ぎ”のように思えてなりません」(全国紙社会部記者)

 その一方で、脱退を申し出た幹部を脅したとする暴力行為等処罰法違反の容疑で、昨年6月に逮捕、起訴された神戸山口組・藤田恭道若頭補佐(二代目英組組長=大阪西淀川)の勾留は長引いた。しかも今年3月4日、東京地裁は藤田若頭補佐に懲役1年2月の実刑判決を言い渡したのだ。

 公判の争点は、抗争中であることを理由に脱退を許されなかった英組の元幹部が、改めて電話で意思を伝えた際、「破門にしたるわ。その代わり、きっちりケジメ付けたるからな」や「どこに逃げても追い込んだるからな」などと、脅迫的な文言を発したか否かだった。

 会話の録音は残されておらず、当事者同士の供述などが判断材料となった。藤田若頭補佐は「内容が違う」と主張したが、裁判長は弁護側の意見を退け、「言葉によるものとしては相当に強度」とし、「脱退を希望した者を敵対視するという暴力団特有の発想に基づく犯行」と厳しい判断を下したのである。

「藤田若頭補佐は、平成29年に出資法違反などの罪に問われ、懲役2年8月、執行猶予4年の判決を受けていた。今回の判決によって執行猶予が取り消されることも含め、控訴する方針のようだ。直接会ったならまだしも、電話で唸り飛ばしたことが罪になるとは…。しかも被害者の元幹部は、長期服役して絶縁処分を受けた間、藤田若頭補佐の支援を受け続け、出所してからは組織に再加入していた。何が逮捕の要因になるか、分かったもんじゃない」(関東の組織関係者)

 また、3月9日には大阪府警が神戸山口組舎弟の小嶋恵介・二代目中野組組長(大阪堺)を恐喝容疑で逮捕。警察当局による分裂問題への“介入”が顕著になったといえそうだ。

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