「香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが3月4日に報じたところでは、死亡した女性は香港の有名ファッション・ブランド『Bossini』(ボッシーニ)の創業者である羅定邦氏の孫娘エビータ・ローさん(34)だということです。羅一族は2017年に約78億ドル(約8400億円)の財産を保有していると公表され、同年に経済誌フォーブスが選定した『アジアの富豪一族ベスト50』入りした超セレブですから『失敗しました。ごめんなさい』では済まないでしょう」(韓国ウオッチャー)
実際、エビータさんの遺族は、整形外科医療陣を殺人などの疑いで香港裁判所に告訴する計画だと同紙は伝えている。
「エビータさんの夫も『妻の死で義父の資産の3分の1に相当する株を失った』として、施術した整形外科医を相手取り損害賠償請求訴訟を起こすと発表しています。韓国の警察当局も捜査に入りました」(日本在香港出身ジャーナリスト)
韓国は医療ツーリズムを国策の1つにしようと躍起だ。例えばある時期、前立腺がんのロボット手術の分野では日本より進んでいたこともあった。
「治療できる病院を数カ所に絞り、施設ごとの症例数を増やすことによって医師の経験値を高め、海外からの患者を呼び込んだのです。美容整形が、その国策の一環かどうかは分かりませんが、医療事故の起きたカンナム地域は、美容整形を行うクリニックが乱立していることで有名です。こうした乱立によって競争が激しくなり、価格破壊が起こり、韓国の美容整形の料金も低下しています。腕が良く、その上、料金が安いならそれはいいことなのですが、整形外科はもうかるとの幻想から、若く経験の少ない医師が、危なっかしいテクニックだけで独立開業してしまう現状があるのも事実です」(医療ジャーナリスト)
香港セレブが、安いからという理由で腕の悪い医師を選んだとは思えないが…。