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蝶野正洋の黒の履歴書 ★新日レスリングネットワーク 中西学&タイガー服部の引退

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提供:週刊実話

 2月22日に、新日本プロレスの中西学選手が引退した。

 中西選手、永田裕志選手、天山広吉選手、小島聡選手の世代は、新日本プロレスの「第三世代」と呼ばれている。藤波(辰爾)さん、長州(力)さん、タイガーマスクの第一世代、闘魂三銃士を中心とした第二世代と時代は移り変わり、それぞれ新日本を盛り上げたが、第三世代は世間を巻き込むほどのブームを起こせなかった。

 俺はその原因を、みんな顔が“ブス”だったからだと分析してる。中西選手、天山選手あたりがもう少しシュッとしてたら、もっと早く暗黒時代を乗り越えられたんじゃないかな(笑)。

 まぁ、俺はよくこうやって第三世代をネタにするんだけど、この世代は新日本プロレスの混乱期をすごして、そこで踏ん張ったという偉大な実績がある。中西選手も異種格闘技戦に挑んだし、永田選手はチャンピオンとしてノアとの外交をやったり、俺たちが経験しなかった難しいこともやってきた。その経験を、会社や次世代の選手に伝えていってほしいね。

 俺が新日本プロレスを退団した頃、親会社がユークスに変わって、選手を50歳定年制にするという話が進んでいたことがあった。選手が試合で100%のパフォーマンスができない状態だったら、会社側から線を引いてあげるべきじゃないかという趣旨でね。50歳だと選手はまだまだやれると思ってしまうものだけど、リング上で事故が起きて、その後の半生に関わるようなケガをしてしまってからでは遅い。中西選手も首のケガがよくならないという部分があったみたいだから、ここで引退というのもいい選択かもしれないね。

★新日本の参謀として活躍したタイガー服部

 2月19日には、新日本プロレスでレフェリーとして活躍していたタイガー服部さんも引退した。

 服部さんは、学生時代にレスリング世界選手権で優勝しているアマレスの猛者。だけど、南米の世界選手権後に、そのまま日本に帰らずにアメリカに居着いてしまったという、“アマレス界の逃亡犯”なんだよ(笑)。それでアメリカのプロレス界でマサ(斎藤)さんや、ザ・グレート・カブキさんのマネジャーを務めたり、日本でもいろんな団体のブッカーをやっていた。

 新日本プロレスではマサさん、長州さんを中心に、馳(浩)先生、中西選手、ケンドー・カシン選手、永田選手というレスリングネットワークが、新日派閥の中心だった時代がある。その派閥の参謀であり、中心にいたのがタイガー服部さんなんだよ。

 マサさんのアメリカレスリングネットワークを中心に、ロシア、モンゴルの外国人選手と交渉して日本に招聘してきたし、異国で不安になる彼らをリングに上がるまでしっかりサポートしていた。レフェリーとしても優秀で、時には厳しく、時にはユーモアあるレフリングをして、会場を何度も盛り上げてくれたな。

 服部さんは名レフェリーだと思うし、世界中のプロレスビジネスを知り尽くした、まさに生き字引みたいな存在だ。俺もすごくお世話になったし、プロレス界に大きな功績を残した尊敬する大先輩だよ。

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蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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