ミステリー
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ミステリー 2020年09月13日 23時00分
黒死病がリビング・デッドという怪物を産んだ?
新型コロナウイルス感染症がいまだ収束を見ない昨今、過去の伝染病の事例に注目が集まっている。 現代よりも医療技術に乏しかった時代、当時の人々はどのようにして感染症の脅威から身を守り、克服していったのか。病気の存在が与えた影響にはどのようなものがあったのか、など。民俗学の分野であれば、病気の恐怖を克服しようとして「病魔」の伝説が生まれたという点が特筆すべきことだろう。 >>あの『大予言』を残した予言者、ノストラダムスの医療活動<< 新型コロナウイルス感染症で改めて注目を集めた感染症といえば、中世や近世に猛威を振るった黒死病(ペスト)だ。今回のコロナ禍で欧米を中心に、また日本でもアルベール・カミュの小説『ペスト』がベストセラーとなったことはニュースでも報じられた。黒死病は昔から大流行を引き起こしてきたこともあり、様々な作品の題材ともなっている。 そんな黒死病から、ある妖怪が生まれた可能性がある、という新しい研究結果が出てきて話題になっている。その妖怪は「ゾンビ」。正確にはゾンビというよりも埋葬された死者が墓からよみがえり動き出す、吸血鬼やリビング・デッド系の伝説になるが、これらの伝説が生まれた背景には、黒死病の流行との関係があったのではないか、というのだ。 ドイツ・テュービンゲン大学の考古学者マティアス・トプラック氏によれば、13〜14世紀頃の中央ヨーロッパの埋葬地を調査すると、遺体が仰向けではなくうつ伏せの状態で埋葬されるようになっていたという。当初は神への謙遜を示すものと考えられていたが、「うつ伏せで埋葬される」ケースが始まった期間が14世紀を中心とした黒死病の大流行期と重なること、また流行地域と合致したことなどから、黒死病という病気そのものへの恐怖、また黒死病によって亡くなった者への恐怖がうかがえるという。 また、病死したと診断された患者が埋葬されたのち、仮死状態から蘇生してしまったケースもあったそうで、そこから「墓から蘇った死者」というモンスターの伝説が生まれるに至ったという話もある。そこで、「人々が超自然の存在である霊を恐れ、また死者が現世に舞い戻ってくるのを防ぐために、埋葬方法を変えたのではないか」とトプラック氏は語る。 なお、このうつ伏せ式の埋葬は17世紀になるとドイツやスイス、オーストリアでも確認されている。黒死病の大流行の時期を過ぎてもなお、人々は病気がもたらした恐怖から逃れられずにいた、ということなのだろう。(山口敏太郎)参考記事Plague victim burials hint at 'zombie' fearshttps://www.unexplained-mysteries.com/news/339359/plague-victim-burials-hint-at-zombie-fears
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ミステリー 2020年09月12日 23時00分
「あなたは好きでしたか?」2020年で消える?かもしれない都市伝説『赤い部屋』
みなさんは都市伝説の「赤い部屋」をご存じだろうか。 この話には何パターンかあり、「タクシー運転手が全身赤の服の女性を人里離れた洋館へ送る。興味が湧いて扉の鍵穴から部屋をのぞくとその向こうは真っ赤だった。のちにこの女性の噂を聞き、女性の『瞳』が真っ赤であることを知る。つまり、運転手が部屋をのぞいている間、女性もこちらをのぞき返していたのだ」…というパターンと、「ネット上に出現する謎の広告」の2パターンがある。 >>お化け屋敷、ミラーハウス・・・としまえんに残る怪談<< 後者のパターンについては、2007年頃にネット上に登場した同名のFlash動画から有名になった。Flash動画とは、Adobe Systems社(旧Macromedia社)のWebコンテンツ制作ツール「Adobe Flash」のフォーマットで作成されたデータ。中でもFlashを用いた短編アニメーションやゲームなどは、90年代から一時代を築き、人気を博したものも少なくなかった。 そんなFlash動画の中で、かなり古くからあるホラー系の短編動画が「赤い部屋」だった。 動画で紹介される「赤い部屋」の内容は以下の通りだ。 主人公の友人が「赤い部屋」という奇妙なウェブサイトの噂を持ってくる。それはネットを見ていると急に出てくる広告で、閉じると殺されてしまう、というもの。主人公もネットで探してみると、忘れた頃に奇妙なバナー広告がポップアップされた。真っ赤なバナー広告には『あなたは 好きですか?』とだけ書かれており、思わず主人公がクリックして閉じようとすると…という流れで進んでいく。 最後に友人と主人公が血まみれで「真っ赤になった自室」で自殺していたことが明らかになる。そこで話は終わるのだが、同時にある仕掛けが組み込まれており、動画を見ていた人たちを恐怖に陥れていた。 さて、こちらのパターンの「赤い部屋」について、技術の進歩により消えてしまうのではないか、という話が出てきている。まず、「赤い部屋」のFlashだが、Adobe社は2017年にAdobe Flash Playerのサポートを2020年末で終了すると宣言。つまり、来年になるとFlashを用いた動画やゲームは楽しめなくなってしまうのだ。HTML5やWebAssembly等に移行しているものもあるが、大半が閲覧不可になると考えられている。また、このFlash動画の恐怖を倍増させている仕掛けも、Webブラウザの進歩により数年前から作動しなくなっていた。 技術の進歩により恐怖を感じるギミックが封じられ、最後にはストーリー自体も楽しめなくなってしまう「赤い部屋」は、消えゆく都市伝説なのかもしれない。関連URLおもしろフラッシュ総合サイト赤い部屋http://29g.net/html/072513.php(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年09月06日 23時00分
アメリカにて、旅客機が「ジェットパックで飛行する人物」とニアミス!?
8月30日、アメリカで旅客機のパイロットが奇妙な物体を目撃し、ニアミスするという事件が起きた。 同日、アメリカン航空1997便がロサンゼルス国際空港に着陸しようとしていたところ、2人のパイロットが空港の上空に奇妙な物体を発見。その物体はよく見てみると背中にジェットパックを背負った人間にも見え、空港の上空をジェット噴射で飛び回っていることが確認できたという。なお、この時の高度は約900メートルだったという。パイロットは2人とも、ジェットパックを装備した人物が旅客機の翼から約270メートル離れたところを飛行しているところも確認したそうだ。 >>幽霊飛行機がレーダーに!?永久欠番の日航機JAL0123がフライトレーダーアプリに出現<< 昨年ニュースにもなったが、ジェットパックを背負って飛べる「空飛ぶ服」が開発され、欧米では販売に至っている。もちろんかなり高額で誰もが手に取ることのできる代物ではないし、購入した人物が快適なフライトを日々楽しんでいる、という話はそう聞かない。また、実用化された「空飛ぶ服」であっても約900メートルもの高度を自由に飛び回ることは技術的に不可能だという。 では、この「ジェットパックの人物」は何者だったのか。実はオカルト業界ではたびたびこのような「飛行する人のような物体」が目撃されている。2008年にはルーマニアのジェミニという村落で、青いスーツに見を包んだスーパーマンのような人物(飛行物体?)が目撃されたという。地元の警察によると「あらゆる世代の村民がこの謎の飛行物体を目撃していた」そうだ。 また、「背中に何かを背負った姿で飛行している人間」も昔から目撃されている。日本では大阪の生駒山で、昭和の頃に上空を飛び回る「空飛ぶ人間」がいるという話が流布されていた。実際に目撃した人も数名いるとされ、当時の子ども向けのオカルト本にも収録されていたと筆者は記憶している。また、19世紀には欧州で「ロケットマン」なる謎の飛行人間も目撃されていたようだ。 現代ではこのような飛行する人型の生物らしき物体はUMAの一種とされ、「フライング・ヒューマノイド」と呼ばれている。南米を中心に目撃されていたが、近年では日本でも目撃されている。2010年には上野で空を飛びながら片手を挙げている姿が確認されているし、2015年正月には日本で教育に従事する外国人がスカイツリーの横を回転しながら上昇していくフライング・ヒューマノイドの写真撮影に成功、報道され注目を集めていた。 今回アメリカの旅客機とニアミスしそうになった「ジェットパックの人物」がフライング・ヒューマノイドなのかは明らかになっていない。米軍が開発した「単独飛行できるジェットパックのついた特殊服」という説も出てきている。現在、当局は空港上空で目撃された「ジェットパックの人物」について調べているそうなので、今後の情報に期待したいところだ。(山口敏太郎)参照元Airline pilots report 'guy with jetpack' at 3,000fthttps://www.unexplained-mysteries.com/news/339191/airline-pilots-report-guy-with-jetpack-at-3000ft
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ミステリー 2020年09月05日 23時00分
お化け屋敷、ミラーハウス・・・としまえんに残る怪談
2020年8月31日、日本で最古の遊園地のひとつである「としまえん」が惜しまれつつも営業終了した。大正15(1926)年9月に部分開園し、94年にわたって多くの人々を楽しませ続けてきたことになる。 室町時代に築城された練馬城址が明治時代後期に豊島公園となり、その後大衆向けの景勝地として整備され「豊島園」となった。以後、太平洋戦争中に一時閉園となるも、戦後は日本初のウォーターシュートや世界初の流れるプールなど、様々な仕掛けを取り入れ人々に親しまれる遊園地となっていた。 >>中国の“パクリ遊園地”は今? 潜入取材でわかった「偽キャラクター」の行方<< さて、としまえんはかなり歴史のある遊園地であるがゆえ、いわゆる「遊園地怪談」も多くささやかれていた。 有名どころでは、「お化け屋敷の火の玉」「ミラーハウスの怪」だろう。お化け屋敷は遊園地には欠かせない。としまえんは最近よくある人間が脅かすタイプではなく、センサー式で仕掛けが動くタイプなのだが、ここでは昔から「本物の火の玉が飛んでくる」と噂されていた。あまりにも噂が広まりすぎて、新聞にも取り上げられたという。 また、全面が鏡になった回廊を歩く「ミラーハウス」では、「鏡の中にそこにいないはずの少女が写り込み、こちらをにらんでくる」「ミラーハウスの中を逃げ回っていると異次元の鏡の世界に連れ込まれる」という噂があった。こちらは「合わせ鏡の怪談」などの都市伝説と組み合わせられて生まれた点もあるのかもしれない。普通の家にも鏡はあれど、姿見がない家は少なくない。ましてや鏡の回廊もあるはずがない。一番「異界」を感じる空間だからこそ、ミラーハウスにまつわる都市伝説が生まれたのではないだろうか。 だが、「普通のお化け屋敷の怪談やミラーハウスは序の口で、本当の心霊スポットは西洋お化け屋敷だ」という噂もある。こちらは1990年代で閉鎖されてしまったアトラクションであり、本来は西洋風のウォークスルー型のお化け屋敷だったという。しかし、子どもたちを中心に「幽霊を見た」という噂が相次ぎ、さらには奇妙な出来事も相次いだため、そのまま廃止となってしまった不幸なアトラクションだ。 しかし奇妙な点がある。奇妙な噂が立って封鎖された後、建物はそのまま残されているのだ。中身を変えたり、建物を取り壊したりといったこともなく、立ち入りを禁止する目的でカラーコーンによる封鎖が行われているのみ。結局西洋お化け屋敷はそのまま閉じることとなった。実際には事業用の施設として利用されていたそうだが、外観もある程度残されていたことから、「取り壊したりできないほどの怪現象が起きたのでは」「西洋お化け屋敷で利用されているのは1階のみ、2階は封印されていて誰も入れない」という都市伝説がまことしやかにささやかれている。 これら「としまえんの怪談」は全て都市伝説、遊園地怪談の原型とも言われているが、ネット上では「実際に心霊体験をした」という人や、過去に中でバイトしていた人が奇妙な体験をした、と語ることもある。もしかすると、都市伝説や噂の背後にはいくらかの真実もあったのかもしれない。(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年08月30日 23時00分
大阪万博のロゴ「いのちの輝きくん」は室町時代から存在した?名前のない「赤い妖怪」
2025年に開催される大阪万博のロゴマークが8月25日に決定した。8月頭には総数5894件の応募作品の中から5作品に絞られており、公募サイトで一般からの意見を募ってから審査が行われる流れとなっていた。そして採用されたのはアートディレクター・シマダタモツさん率いる「TEAM INARI(チームイナリ)」が作成したE案。シマダさんは小さい頃に万博の会場で見た太陽の塔に衝撃を受けたと会見で言及し、70年に開催された大阪万博のDNAを表現したと説明。「いのちの輝き」をテーマに、赤い「細胞」をモチーフとした球体をつなげた斬新なデザインとなっている。 >>日本の伝説に登場するネズミのテーマパーク「鼠浄土」<< これまでにはない斬新なデザインのためか、発表後はネットで「気持ち悪い」「不気味」という感想も多く見られた。しかし、時間がたつごとにパロディ化したイラストや創作物が増えていき、「いのちの輝きくん」という通称もつけられ、ロゴであるにもかかわらず公式マスコットのように受け止められている。 さて、このロゴの斬新さや単純さ、また細胞がモチーフになっていることから、多くの人が何かしらのキャラクター性を感じ取っていたようだが、実はこのロゴと共通点のある妖怪が昔から日本には存在していたのである。 一番有名な妖怪絵巻とされる京都・大徳寺真珠庵蔵の百鬼夜行絵巻の中には、多くの妖怪に交じって一匹の奇妙な妖怪が存在している。赤くて丸い体に大きな一つ目がある、奇妙な姿の妖怪だ。短い手足としっぽらしき細い器官がついているが、あまりに単純すぎる姿形をしているため、かえって他の妖怪と比べて目立っている。 いったいどんな妖怪なのか気になるところだが、百鬼夜行絵巻の妖怪には伝説や名称が存在しないため、まったく分からない。この百鬼夜行絵巻をもとにした別の妖怪絵巻には「大化(おっか)」「ちからここ」といった名称が添えられたものもあるが、いずれも本当の名称とは断定できない。 しかし、やはり絵巻の中では目を引く存在なのは間違いないようで、たくさんの妖怪が群れをなして登場する真珠庵系統の妖怪絵巻にはこの「赤い一つ目の奇妙な妖怪」がかなりの頻度で登場する。やはり、単純な構造と目を引く色合いは絵師の創作意欲と、見る者の興味の両方をそそるものなのかもしれない。謎が多いが、現代でも多くの人を魅了する妖怪でもあるのだ。 21世紀になって生まれた「いのちの輝きくん」があっという間に人気キャラとなったのも、日本人が昔からよく似た姿の妖怪に引き付けられてきたからなのかもしれない?(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年08月29日 23時00分
撮影者が謎の失踪を遂げていた!?デジタルリマスターで蘇る132年前に撮影された「世界初の動画」
デジタル加工技術が発展した現代、昔の写真や画像を加工し、当時の雰囲気を再現する試みが行われるようになった。個人が再現した画像がネットに上がり、話題になることも少なくない。 そんな中、海外で132年前に撮影された最古の映像が4K画像にリマスターされ、話題となっている。 >>江戸時代、富山に11メートルの人魚「海雷」が出現していた!?<< 現在最古のフィルム動画とされているものは、1888年10月14日に撮影された「ラウンドヘイの庭の場面(Roundhay Garden Scene)」。撮影実験、もしくはカメラのプロモーションとして撮影されたもので、全体の長さはわずか1.66秒、フレーム数は20しかない。撮影したのはフランスの発明家であるルイ・ル・プランス。彼の息子や義理の両親、友人の4人が歩いていくのみの光景である。しかし「人間が映っている映像」としてはこの動画が世界初である。 こちらの動画を、古い映像をリマスターするYouTuberのDenis Shiryaev氏が4K動画に変換。130年前の動画が色鮮やかな動画として生まれ変わったのである。 さて、この動画には少し不気味な背景もある。この動画には前述の通り、撮影者であるル・プランスの近縁者らが登場しているのだが、動画に映っている高齢の女性(ル・プランスの義母)はこの撮影の10日後に亡くなっている。もしかしたら、高齢で体調が悪かったのかもしれない。 さらには、この動画が撮影されてから2年後には撮影者のル・プランス本人も謎の失踪を遂げてしまうのである。 1890年9月、彼は自分で特許を取得した単レンズカメラを売り込もうと、アメリカに向かった。その後、フランスに戻ってから各地を移動し、9月16日にはパリで友人と会う予定だったという。しかし、友人らの前に彼が現れることはなかった。荷物もなく、遺体すらも見つからない「蒸発」という単語がぴったり合う状況となってしまったのである。 なぜ、彼が失踪してしまったのか。特許を取得したものの、経済的に苦しかったため失踪し自殺した、という説も出たが、後の研究で事業が利益を上げていたことが判明しており、経済苦説は否定されている。発明したカメラの特許や金銭絡みのトラブルで殺害されたのではないか、という説も出たが、いずれも玉虫色のまま。フランス警察やスコットランドヤード、家族らが彼の行方を必死に探したが、何の証拠も見つからず迷宮入りとなってしまった。 なお、2003年になってパリ警察の記録の中から、ル・プランスに似た人物の溺死体の写真が発見された。記録によれば1890年に発見され、撮影されたものだそうだが、ル・プランス本人だったのかは明らかになっていない。 初めて動画を撮影したことから「映画の真の父」と呼ばれているが、ミステリアスな逸話と数奇な運命に満ちた人物であるといえよう。関連動画[60 fps] The oldest recorded video, “Roundhay Garden Scene”, England,1888https://www.youtube.com/watch?v=Fxd8XJ_J0Gc
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ミステリー 2020年08月23日 23時00分
江戸時代、富山に11メートルの人魚「海雷」が出現していた!?
新型コロナウイルスの流行から、江戸時代の妖怪アマビエが話題になったこともあり、ここ最近ネット上で様々な妖怪伝説を見ることも多くなった。妖怪好きに知られたアマビエだが、多くの人に知られたことをきっかけに、その原型と考えられているアマヒコ(漢字表記多数)や神社姫など類似した特徴を持つ妖怪がネットで紹介され、話題になることも少なくない。 >>スサノオノミコトはファッションリーダー?日本画に描かれた神様の姿に驚き<< 先日、ネットで話題になったのは江戸時代の日本に出現したとある「人魚」だった。それは文化2(1805)年に越中国放生渕四方浦(現在の富山県新湊市旧町部か)で「人魚」が出現、漁師たちを脅かしたため人々が討ち取る騒ぎになった、というもの。人魚と言えば、わが国日本の伝説であれば「食べれば不老不死になる」とか、西洋であればきれいな女性の姿をしており歌声が美しく…となるが、富山に出た人魚は全身が「三丈五尺(約11メートル)」もある巨大なもので、頭に般若を思わせる金色の角が2本生え、鳴き声は歌どころか「一里(約4キロ)先まで響き渡る」ほどだったという。 もはや妖怪を通り越して怪獣レベルであり、普通の人魚とさすがにスケールが違うためか「海雷(かいらい)」という別の妖怪としての名前もつけられている。そんな巨大な人魚を、地元の人々が50丁もの鉄砲を持ち出して仕留めた顛末が当時の瓦版に書かれている。 果たして、この人魚の正体は一体何だったのだろうか。クジラやイルカとの誤認説もあるが、髪の毛があったり腹部などが赤い、という描写から「現代でいうリュウグウノツカイだったのではないか」という説も存在している。富山の方ではリュウグウノツカイやサケガシラなどの深海魚を、長く伸びた赤いひれが衣装やかんざし、髪をイメージさせることから「花魁(おいらん)」と読んでいたという。現代でも富山近海ではリュウグウノツカイが漂着することがたびたびあるため、巨大な人魚も「大きなリュウグウノツカイの漂着例だったのでは」と考えられるのだ。実際、問題の人魚の顔は女性的に描かれている。 一方で、地元漁師に「花魁」と呼ばれてきたリュウグウノツカイが、ただ大きかっただけで化け物と受け取られるのだろうか、という疑問も残る。話が伝わっていく際に姿が変貌したのか、それとも当時の社会不安や事件を巨大魚の話に投影させ、恐ろしい人魚の姿へ変貌したのか。今となっては、真相は分からない。(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年08月22日 23時00分
日本にスレンダーマンが出現か!?ネットを騒がせた人型UMA
8月15日、Twitterに投稿されたある画像が話題を呼んだ。 8月14日、ある人物が都内の某駅で、無人のホームを撮影していたところ、奥の方から奇妙な動きをした"何か”が向かってくるように見えたため、慌ててその場を後にしたというのだ。問題のツイートにはその時に撮影されたという写真も掲載されている。1枚目では駅のホームの奥に人影のようなものが確認できるが、2枚目で「人間を縦に引き伸ばしたような黒い影」がしっかりと捉えられていた。 >>40年経って目撃証言が復活 奇妙なUMAオウルマン<< 果たして、この映り込んでしまったものは何だったのか。合成や加工を疑う人もいたが、本人は無加工であると語っている。単なる駅員や普通の人である可能性もあるが、「奇妙な動きをしていた」という点から「幽霊」や「スレンダーマン」ではないかという人も出てきているようだ。 「スレンダーマン」はこのリアルライブで筆者が過去に紹介したこともある、比較的最近の人型未確認生物ともいうべき存在だ。その名の通り、やたらと背の高い謎の怪人で黒のスーツを着込んでおり、身長は180センチの人間サイズから3メートルの巨人サイズまで様々。体のバランスも成人男性を縦に引き伸ばしたような異様なもので、顔は人間と同じサイズで白いのっぺらぼう、中には背中から無数の触手が伸びているものも存在する。2012年頃にアメリカで目撃され、姿を捉えた写真も出回って話題となったが、実はこの写真は海外のオカルト系サイトに投稿された創作だということが判明している。 2009年、Something Awfulというサイトで恐怖画像を作成するコンテストが行われ、ある人物が作成した画像と添えられたテキストが人気を呼んで『ネット怪談』としてブレイクしたのである。 しかし、これで終わらないのが不思議なところ。実際に「スレンダーマンを目撃した」という人が出始め、さらには「スレンダーマンに会うために友人を殺害する」という事件まで起きてしまい、社会問題になった。よくできた創作は現実にも影響を及ぼすというが、はじめはいち創作にすぎなかったスレンダーマンも、語り伝えられるうちに「妖怪」「人型UMA」としての実体を得てしまったのだろうか。※過去のリアルライブ記事蜘蛛男か?ゴム人間か? 2013年は怪人「スレンダーマン」が日本に現れる?http://npn.co.jp/article/detail/35988380/(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年08月09日 23時00分
幽霊飛行機がレーダーに!?永久欠番の日航機JAL0123がフライトレーダーアプリに出現
実態のない幽霊船や幽霊飛行機が出現して人々に目撃されることはよくあった。現代では技術の進歩もあって少なくなっているが、そんな幽霊飛行機の話をほうふつとさせる事態が本日6日の深夜に起きていた。 発端はTwitterにアップされた、あるつぶやきと画像だった。画像はフライトレーダーアプリのもので、成田空港の滑走路付近に旅客機が写っている。その飛行機はJL123/JAL0123ということで、日本航空の123便であることが分かる。 >>新型コロナウイルスで心霊現象の報告例も多発中?海外の報告より<< この時点で何かがおかしいと気がついた人もいるのではないだろうか。実は日本航空の123便は存在しない。欠番の旅客機なのだ。 1985年8月12日、羽田空港から大阪の伊丹空港に向けて飛び立った日本航空123便は途中、群馬県の高天原山の尾根(通称・御巣鷹の尾根)に墜落。乗組員、乗客の大半が死亡する凄惨な航空機事故となった。日本航空123便墜落事故である。それ以来、日本航空123便は永久欠番となっている。今回フライトレーダーアプリに記録されたJL123/JAL0123は、本来なら存在しないはずの飛行機だったのだ。 ちなみにこの123便は成田空港を8月6日午前0時半に離陸しており、到着予定地は「N/A(該当なし、not applicable)」となっていた。その後、同0時43分には姿を消したそうだが、履歴はきちんと残っており現在でも確認ができる(なお、その履歴は成田空港に発着したように受け取れる内容だった)。 果たして、レーダーアプリにだけ出現したこの「日本航空123便」の正体は何だったのだろうか。過去にもレーダーアプリ上にJL123/JAL0123が登場したことが何度かあったこと、また到着予定地が「N/A」と表示されてしまうことは少なくないそうで、機体番号の誤入力や誤認識ではないかとみられている。しかし1週間ほど早いにせよ、凄惨な事故が起きた時期とそう離れていないだけに、ネット上では様々な憶測が飛び交っていた。 あの日本航空123便墜落事故が起きてから35年が経つ。もしかすると、あの悲劇を忘れてはいけない、ということなのかもしれない。(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年08月08日 23時00分
四谷怪談初演から決まった7月26日の「幽霊の日」
一年365日、様々な記念日がある。先日の7月26日はなんと「幽霊の日」だった。幽霊の日は代表的な怪談「東海道四谷怪談」の初演が行われた日、1825年7月26日にちなんでいる。 四代目鶴屋南北による怪談ものの傑作、四谷怪談は田宮伊右衛門が隣家の伊東喜兵衛と結託し、妻のお岩に顔がひどく崩れる薬を飲ませ、喜兵衛の娘と伊右衛門の結婚を画策する。その後、お岩の怨念が様々な怪異を引き起こすのは皆さんもご存じの通りだ。 四谷怪談は、芝居小屋の中村屋で上演される際に「忠臣蔵」と合わせて興行するという手法をとっている。四谷怪談の登場人物は「仮名手本忠臣蔵」の登場人部と一部が被っており、忠臣蔵の外伝という体裁だった。そのため、2つの芝居でキャラクターが違った姿を見せるという楽しみもあった。 また、毒を飲んで顔が崩れたお岩がもだえ死ぬシーンを筆頭に、怪談ものならではのおどろおどろしくも趣向を凝らしたシーンが多数登場。役者の迫真の縁起や、心霊現象を再現する新しい仕掛けが取り入れられたこともあり、「この芝居には本物のお岩の霊が出てきている」と噂され、評判となったのである。 さて、本記事の画像は有名な浮世絵師・歌川国芳による三枚続きの「芝居絵」というジャンルの浮世絵だ。千葉県銚子市のある人物が所有している。場面は四谷怪談で有名な「砂村隠亡堀」で、川に流したはずの戸板が伊右衛門のところに偶然流れ着く「戸板返し」のシーンだ。この絵ではひどくゆがんだお岩の姿が真ん中に描かれているが、舞台では一人の役者が舞台上で即座に衣装を着替える早替わりで、怨霊の恐ろしさを表現するシーンとなっている。 登場人物の横には役名と現代も続く有名な歌舞伎役者の名前が並んで書かれており、左から田宮伊右衛門の五代目市川海老蔵、薬売権兵衛を五代目松本幸四郎、与茂七女房おそでを三代目尾上栄三郎が演じている。現代で考えてもそうそうたるメンバーがそろっているが、このぜいたくな出演者が同座したのは天保7(1836)年7月に森田座で行われた公演のものだそうだ。 長かった梅雨も明け、夏本番となった今だからこそ「四谷怪談」で心の底から冷えてみるのも面白いのではないだろうか。(山口敏太郎)
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