ミステリー
-
ミステリー 2020年03月07日 23時00分
稀代の予言者、出口王仁三郎
現在筆者はYouTubeチャンネルで「ATLASラジオ」というオカルト系のトーク番組を毎日配信している。さまざまなオカルト系の話題を取り上げているのだが、日本のオカルト史における偉人・稀人たちを紹介することも多い。筆者が注目している偉人は多数存在しているが、今回は出口王仁三郎を紹介したい。 稀代の予言者、出口王仁三郎(本名・上田善三郎)は、1871年に京都府亀岡市で生まれた。2011年の今年は140年目に当たり、これを機会に王仁三郎を再考しようとする動きがある。幼き頃から神童としてならし、青年時代は侠客(きょうかく)の中に身を置き、瀕死体験を経てからは心眼が開き、天狗と呼ばれる人物と共に高熊山で修行に励んだ。人を驚嘆させる能力と、他人を食ったような言動で多くの人を引き付け、政界や財界さえも動かした王仁三郎。近代日本の宗教家の中で最も異彩を放った怪人であり、巨人であった。彼は明治以降に生まれた新派神道「大本」を率い世界的宗教団体に育て上げるのだが、恐るべき「予言」の能力を駆使して、世間を震撼させた。 現在、複数に分かれている「大本」は、もともとは出口ナオを開祖としている。貧困な家庭に育ったナオは、もともと熱心な金光教布教者であったが、満足に文字が書けないような教育レベルであった。だが、1892年のある日、突如「お筆先」という現象が起きる。ナオの持つ筆に”丑寅の金神(うしとらのこんじん)”が降臨し、数々の神示を示し始めたのだ。神々の手によって、古代に鬼門の邦楽に封印された“丑寅の金神”が降臨し、曲がった世の立て直しに取り組み始めたのだ。 そんな中、神の導きで上田(後の王仁三郎)が大本を訪問。実直な性格のナオは、豪放磊落(ごうほうらいらく)な王仁三郎の行動に戸惑いの気持ちを抱きつつも、アマテラスとスサノオのように引き合いながら大本を二人三脚で大きくしていった。 その後、王仁三郎はナオの娘・澄と結婚し、上田姓から出口に改め、実質的な大本の指導者となり、『大本神論』や『霊界物語』を著し、勢力を伸ばしていく。特に『瑞能神歌』と『続・瑞能神歌』は、重要である。『続・瑞能神歌』は多くの王仁三郎研究家によって『日月神示』との関連性を指摘されているのだ。 霊的には現代よりはるかにレベルが高いと言われている戦前の日本でさえ、王仁三郎は「体主霊従」(肉体が主体で、魂がそれに従っている状態)であるとこれを悲嘆し、日本人が本来持っていた「霊主体従」という正統な姿に戻したいと願っていたのである。 多くの人々の耳目を集めた王仁三郎の予言は、驚異的な的中率を誇った。これら一連の予言は、神道でよく唱えられる雛型思想に裏打ちされている。つまり、王仁三郎は、天界で起きることが人間界で起こり、人間界においては大本で起こることが日本で起きる、さらに日本で起きることは全世界に起こると説いているのだ。この流れを「三段の型」と呼び、王仁三郎の霊的な予言はこれをもとに行われることが多い。 「霊界物語」をはじめとした著作や、王仁三郎の霊的な予言の詳細についてはまたの機会に譲ろう。(山口敏太郎)
-
ミステリー 2020年03月01日 23時00分
夢を見ることで未来を覗く?眠れる巨人・エドガー・ケイシー
数年前にスピリチュアル業界でアカシック・レコード・リーダーが話題になった。今は既に定着している感もあるが、アカシック・レコードとは元始からの全ての事象、想念、感情が記録されているという世界記憶の概念であり、宇宙誕生以来の全ての存在に関するあらゆる情報が詰まっていると言われている。そんなアカシック・レコードにアクセスし、内容を読み解ける人のことをアカシック・レコード・リーダーと言うのだ。 彼らが出てきたことで、元祖アカシック・レコード・リーダーとも言われている一人の予言者が再注目されることとなった。「眠れる予言者」エドガー・ケイシーである。 エドガー・ケイシーは、1877年3月18日にアメリカのケンタッキー州にある農場の息子として生を受け、眠りながら行うリーディングで多くの人を救ったと言われている。夢の中でアカシック・レコードにアクセスし、相談者の問題の原因を探り当てていたというのだ。 1945年1月3日、バージニア・ビーチで天寿を全うしたが、その業績に関しては、賛否両論がある。当たっていることもあれば、完全に見当外れの時も多かった。また、未来の世界を夢で見ていた、として予言しているのだが、その予言の内容が現在ではほとんど外れているという点も大きい。 例えばエドガー・ケイシーは、1998年頃日本が沈没すると予言している。これがノストラダムスの1999年の予言とも合致していたため、多くの人、特に昭和の子供たちを恐怖のどん底にたたき落としたこともあった。だが、結局日本が沈没することはなかったのはわれわれが知る通りだ。彼がこのような予言をした背景には、当時のアメリカと日本との政治的な対立からケイシーが過度な反日感情を抱き、「日本沈没」という予言を生み出した可能性があると言われている。また、彼自身がフリーメイソンのメンバーであったとか、グレート・ホワイト・ブラザーフッド「聖白色同胞団」に取り付かれていたと指摘する声も一部にはある。 もちろん、的中した予言も多く、キクイモによる糖尿病改善策を代表として数多くの難病の治療方法をリーディングによって導き出しており、近年では過去のリーディングデータの中から、エイズ治療に効果的な手法が見つかったと言われている。 果たして彼は夢で何を見ていたのか。彼自身の無意識が生み出したメッセージをそのまま語っていたのか、それとも本当に知識のデータベースにアクセスしていたのか。今となっては分からない。(山口敏太郎)
-
ミステリー 2020年02月29日 23時00分
病気は風の妖怪が運んでくる?江戸時代の人が考えた病気の妖怪たち
洋の東西を問わず、古くから人々は、病気を目に見えない何かによってもたらされるものだと考えていた。病気の悪魔や悪神などが人々に悪さをすることによって、人は病気になると考えられており、薬も医療技術もまだ発達していなかったことから、追儺(ついな)や加持祈祷で病気の悪魔を撃退しようとしていた。この時に退治される病気の悪神は、現在でも「疫病神」という名前で残っている。他にも、病気をもたらす悪魔や悪神、妖怪の姿は多く絵に描かれてきた。これも姿の見えない存在に対して、少しでも理解しようとした結果なのかもしれない。 そんな病気の妖怪で代表的なものが、江戸時代の「絵本百物語」にて紹介されている「風の神」だ。 風の神と言っても、風神雷神のような神聖な存在ではなく、見た目からも神々しさはあまり感じられない。この神は風に乗って様々な所に現れ、物の隙間や暖かさと寒さの隙間を狙って入り込み、人を見れば口から黄色い息を吹き掛けるという。この黄色い息を浴びた者は病気になってしまうとされており、挿絵にも青い腰巻きをした風の神が、口から黄色い風を噴き出している様子が描かれている。 また、同書では「黄なる気を吹くは、黄は土にして湿気なり」と述べられており、これは中国黄土地帯から飛来する黄砂のことであり、雨天の前兆や風による疫病発生を暗示しているものと言われている。 他にも、季節と体調の変化を表したような妖怪は各地に伝わっており、例えば、東京都青梅市には風の妖怪「百いらず」の伝説が存在している。山から吹き下ろす風には、ひときわ寒く冷たい風があり、この風に当たることは非常に不吉であるとされていたため、この風が吹いてきた時は、たとえ道に百文(現代の金額に換算すると、約2万円)が落ちていても拾わず、一目散にその場から逃げ出すべし、と言われていた。これは、空気感染による病気の媒介や蔓延、また風邪の諸症状にある悪寒などを表現した結果生まれた妖怪だと言えるかもしれない。さらに青梅には、当たると不幸を起こす「みさき風」の伝説なども存在している。 昔から日本では、空気の流動は農作物や漁業の結果を左右すると考えられており、いわゆる流行性感冒の「風邪をひく」も、この風に対する民間信仰を元にしていると考えられている。ここから生まれたのが「悪い風」の妖怪たちなのかもしれない。(山口敏太郎)
-
-
ミステリー 2020年02月23日 23時00分
鬼の姿となって病気の悪魔を追い払う 悪疫避けの御札「角大師」
現在、世界中で新型コロナウイルス肺炎が猛威を振るっており、日本でも感染者が確認される事態となっている。以前、リアルライブで筆者は、2月の節分はもともと古代中国で行われていた邪気や悪鬼を打ち払う「追儺」(ついな)の儀式であり、病気の神を追い出そうとした追儺の儀式にあやかって、改めて病気への対策やうがい・手洗いなど、身の回りに気をつけてみるのはいかがだろうかと、提案させて頂いた。 また、新型コロナウイルスの蔓延を阻止するために、春日大社が悪疫退散の特別祈願を行うなどの動きがみられている。勿論、うがいや手洗い、消毒等の予防行為を励行するのは当然であるが、祈祷もまた精神的な疫病対策の一つであると言えるだろう。 昔の人が考えていた疫病対策は、加持祈祷が多かったのは事実であるが、その中には現代まで行事やお守り、御札として伝わっているものもある。中でも悪疫避けの護符として、現代でも有名なものが「角大師」だ。 「角大師」は痩せこけ、頭部に二本の角を備えた鬼神の姿で描かれるもの。一見、不気味にも思えるこの鬼神だが、実は高僧が疫病の神を追い払うために死後、姿を変えたものなのだ。 角大師は、本来は平安時代の比叡山天台座主を務めた元三大師という人間であった。彼は亡くなる前に、病気の神と対面。法力で病気の神を退散させたが、その後も病気の悪鬼たちが襲来することや、衆生を苦しめるであろう事を予測。自らの姿を恐ろしい鬼に変えて、病気の悪鬼たちを追い払ったとされている。それ以降、鬼に変じた元三大師の姿を祀れば、災厄や病気から逃れられると言われるようになった。 この「角大師」は、現在でも日本全国の天台宗のお寺にて「厄除大師」としてお札などが売られている。(山口敏太郎)
-
ミステリー 2020年02月22日 23時00分
雛型で人体が健康に?ツボや経絡の不思議
日本にはあるモノに対して発生する事象を、もっと大きな単位で発生する事象の先触れ(雛型)とみなす“雛型思想”がある。雛型とは見本・模範・手本という意味であり、何らかのサンプルを意味する場合がある。また、雛型思想は日本のみならず、アジア各地でも様々な側面で確認することができる。 人体においても、雛型思想の体現がなされているのはお気づきだろうか。これは筆者が鍼灸やマッサージを受けている時に気が付いたことなのだが、人体におけるツボや反射区が雛型の仕組みになっているのだ。 例えば、ダイエットに効果があると言われている耳ツボの配置は、母親の胎内で丸くなっている赤ちゃんの体のようになっており、耳の下側に頭部のツボが集中し、舌、肺、胃、腸と各ツボを辿っていくと、頭を下向きにした胎児の姿が浮き上がってくる。つまり、我々の耳に展開しているツボは、胎児の体に該当する雛型なのだ。 他にも、台湾でスイス人神父が始めた足の裏マッサージにも、雛型思想が見て取れる。足の裏の場合は、ツボではなく反射区と呼ぶ部位があって、体の各部所と相対していると言われている。この反射区を指や器具で押したり、揉んだりすると体全体が良くなると言われているのだ。 まず、親指に脳の反射区があり、踵の方に下るに連れ、「目」「肩」「胃」「腸」「膝」と続いていく。つまり、足の裏の反射区は、小さな人間が立っている形になっている。このように人間の体というものは、小さな人体の雛型が集まって構成されているように解釈できるのだ。そう意識すると、街中で見るツボマッサージ系の看板が神秘的なものに見えてくるではないか。(山口敏太郎)
-
-
ミステリー 2020年02月16日 23時00分
宇宙人=未来人説について考える
数年前、名古屋大学の実験でニュートリノが光よりも速いということが実験データから判明し、ちょっとした騒動になった。勿論、一回の実験結果から物理学の常識が引っくり返されるわけではなく、今後も実験の積み重ねが必要だが、今までの常識であった“光より速いものは存在しない”という大前提が崩れたわけである。これにより、時間を遡ることが可能性として“あり得る”こととなり、いつか未来にタイムマシンが完成する可能性が高くなった。 筆者はこの20年近く、テレビ・ラジオや著作・講演会にて、「UFO=タイムマシン説」を唱えてきたが、当初はUFO=宇宙人説を唱える研究家から激しい反発を受けてきた。ここ数年、山口敏太郎の名前がマスコミで露出するようにようやく市民権を得るようになってきた「UFO=タイムマシン説」が、いよいよ現実的にもありうる仮説になってきたのだ。 そもそも赤の他人の宇宙人が、遠い星から物凄いテクノロジーでわざわざ地球の人類まで会いに来る動機が不明である。距離的に遠い他のヒューマノイドより、時間的に遠い人類の子孫が未来から会いに来るというのが道理に叶ってはないだろうか。 我々現代人が卑弥呼や神武天皇に会いたいように、30世紀や40世紀の人類が歴史を確認するためにタイムトラベルしているとしたら、彼らが人類に会わない理由もよくわかるだろう。歴史の観察者であるタイムトラベラーが、歴史を変えることがあってはいけないからである。 また、彼らが異星人であるとしたら、自由自在にマスクもつけず地球上の大気で活動できるわけがない。中には、地球人の生活に紛れ込んで生活している者もいるという事例も理解不能の情報である。大気マスクをつけない異星人はたちまち地球上のウイルスにより死んでしまうのが普通の論理であるし、いくらなんでも人類に紛れて生活するなど不可能ではないだろうか。 それがもし、未来の人類だとしたらどうだろうか。彼らは我々と同じ地球上に住む“未来の地球人”である。彼らが地球の大気を吸っても大丈夫だろうし、ちょっと時代考証を勉強すれば、21世紀に馴染むことも可能であろう。彼らは間違いなく、我々のそばに、時というカーテンの向こうに存在しているのだ。(山口敏太郎)
-
ミステリー 2020年02月09日 23時00分
陰謀論か、そこにある危機か 人工ウイルス都市伝説
現在、中国を中心に世界中で問題視されている、新型コロナウイルスによる肺炎。 その発生の過程や爆発的な感染力から、一部では「秘密裏に開発されていた人工ウイルスが漏れ出たのではないか」などという噂も流れている。 もちろん噂にしか過ぎないが、このような噂は割と昔から存在していた。 あくまで都市伝説に過ぎないが、有名どころでは現在のインフルエンザは、1918年に世界中で死者4000〜5000万人を出したスペイン風邪を元に人工的に創られたものであるという話がある。アラスカの永久凍土に埋められたスペイン風邪の犠牲者の遺体からウイルスを取り出して、研究が進められ、90年代に完成したとされている。 他にも、現代の我々が治療に苦慮しているエイズやエボラが、人工ウイルスだという都市伝説がある。幾つかの説が唱えられているが、エイズは生物兵器として米国政府サイドが開発した可能性が高いというものだ。 興味深い説によると、「オリンポスの神々」と名乗る一部のエリートや欧米の富裕層、大企業が中心となって練られた、“アルフレッド大王計画”("King Alfred Plan")という黒人やゲイを大量に殺すプランがあり、メリーランド州フォートデトリック、ニューメキシコ州ロスアラモスに位置する米国化学細菌兵器研究所が人工的に創り出したと言われており、WHOが天然痘の予防接種に混ぜて人工的に創られた「エイズ・ウイルス」をばら撒いたとも言われている。 繰り返しになるが、これらはあくまで都市伝説や陰謀論に過ぎないし、ことさらに騒ぎ立てたり忌避すべきものでもない。ウイルスが恐ろしくて陰謀論に飛びつくくらいなら、ちゃんとした予防方法で衛生的な対策を行う方がずっと有効的だ。 しかし、知識さえあれば個人や中小企業でも、人工ウイルスの開発と流布が可能になっているというのもまた事実であり、各国はその結果起きる可能性のあるバイオテロに対して危惧していることも、付け加えておきたい。(山口敏太郎)
-
ミステリー 2020年02月08日 23時00分
節分の「鬼」の正体は「疫病神」だった
2月のイベントと言えば節分。立春の前日に当たる節分は今年は2月3日で、「鬼は外、福は内」と言いながら豆まきをしたり、恵方巻きを食べたりした人も多いだろう。 そんな節分の行事は古代中国で生まれ、日本に入ってきて宮中行事として行われていたものが民間に浸透していったものだ。 古代中国、宮廷では新年の前日である大晦日に邪気や悪鬼を打ち払い、新たに年を迎える行事として「追儺」(ついな)の儀式が行われていた。日本でもかなり古くから宮中行事として行われていたようで、『続日本紀』には「天下諸国疫疾、百姓多死、始作二土牛一大儺」の記述がある。これは慶雲3年(706年)頃に日本全国に疫病が流行し、人々が大勢亡くなった国難が起きた事を記しており、この疫病の鬼を払うために追儺が行われたそうだ。 洋の東西を問わず、古くから人々は病気を目に見えない何かによってもたらされるものだと考えていた。病気の悪魔や悪神などが人々に悪さをさせているというもので、日本の場合は古代中国の病気を司る鬼神「疫鬼」の伝説が伝わった事も影響しているとされている。つまり、節分で追い払われる鬼はたいていが病気の神だったわけだ。 疫鬼や悪鬼を払う存在として追儺の儀式に登場するのが方相氏だ。方相氏は4つの目を持つ四角い仮面を被り、右手に杖、左手に大きな楯を持ち、熊の革をかぶるという恐ろしい格好で登場する。そして、侲子と呼ばれる子供の従者を引き連れて儀式を行い、最後には門の外に疫鬼や悪鬼を追い出すとされていた。 しかし、日本では9世紀頃からは日本独自の「鬼」に対する認識から、儀式の中で目に見えない鬼を恐ろしい格好で追い立てる方相氏自体を「鬼」と認識するように移り変わっていく。こうして、豆を撒いて鬼を追い立てる現在の「節分」の行事になったわけだ。 現在、世界中で新型コロナウィルス肺炎が猛威を振るっており、日本でも感染者が確認される事態となっている。病気の神を追い出そうとした追儺の儀式にあやかって、改めて病気への対策やうがい・手洗いなど、身の回りに気をつけてみるのはいかがだろうか。(山口敏太郎)
-
ミステリー 2020年02月02日 23時00分
獣人UMAは我々とは別の進化をした人類なのか?
人類の進化は、アウストラロピテクスから現生人類(ホモサピエンス)の歴史が始まり、ジャワ原人や北京原人を経て、ネアンデルタール人、クロマニヨン人、現生人類と進化してきたという。我々の認識では、ネアンデルタール人に代表される旧人類と、ホモサピエンスと呼ばれる我々現生人類との間には交雑はなかったと解釈されてきた。だが、最近次々と新しいことが判明している。ネアンデルタール人とクロマニヨン人が共存しており、両者の間で交雑が行われていたらしいのだ。現にイスラエルのカルメル山周辺で、ネアンデルタール人とホモサピエンスが共同で暮らしていた遺跡がいくつも確認されている。 ネアンデルタール人にはいくつもハンディがあった。出産の時に頭部が大きく死んでしまうことが多々あり、知能ではホモサピエンスに劣る上、寿命は短く、30代40代で死亡したと推測されているのだ。結果的にネアンデルタール人の女性は、ホモサピエンスの男性を選び、時間を掛けてネアンデルタール人はホモサピエンスに吸収されていったと思われる。 因みに、現在の我々のDNAを分析すると、アフリカ人を除き、多くの地域の住民にネアンデルタール人のDNAが含まれていることがわかった。ホモサピエンスとネアンデルタール人は交雑していたのだ。 さらに最近、第3の人類として注目されているのがデニソワ人である。このデニソワ人はヨーロッパやアジアの寒冷地域に住んでいた、寒さに強い種族であり、頭蓋骨から判断すると、ネアンデルタール人やホモサピエンスよりはるかに身長が高い巨人であったというのだ。古くから語り継がれる各地の巨人伝説は、このデニソワ人と我々の先祖が遭遇した経験から生まれたのではないだろうか。 このデニソワ人だが、氷河期が終わり各地のホモサピエンスが台頭してくると、やはりホモサピエンスと交雑した。現在でもメラネシア系の人たちは、デニソワ人に由来する遺伝子を受け継いでいることがわかっている。 また、最近注目を集めている、インドネシアのフローレス島に住んでいたフローレス人も、数万年前までホモサピエンスと共存しており、ここで交雑が行われた可能性も高い。因みに、フローレス人は1メートル弱しか身長がなく、これまた世界中に残る小人伝説のもとになった可能性がある。 このように我々人類・ホモサピエンスは、旧人類である、フローレス人、デニソワ人、ネアンデルタール人らと交雑を繰り返し、彼らを生物的に吸収合併しながら進化したのは間違いない。この交雑はホモサピエンスに有益に働いたらしく、ネアンデルタール人由来の遺伝子はホモサピエンスの免疫力を高め、デニソワ人由来の遺伝子は酸素が少ない高地での活動を可能にした。つまり、我々人類はいくつもの人類が混血して生まれたハイブリット生物なのだ。 ここで一つ、疑問が出てくる。本当に全てのフローレス人、デニソワ人、ネアンデルタール人がホモサピエンスに吸収されたり、死に絶えたりしたのであろうか。彼らの一部が密かに生き残っていることはあり得ないのだろうか。ひょっとしたら、その生き残りこそが類人猿系UMAの正体ではないだろうか。(山口敏太郎)
-
-
ミステリー 2020年02月01日 23時00分
信長の首塚が静岡県・西山本門寺にある?
戦国時代で一、二を争う大きな事件であり、数多くの謎を秘めた事件、本能寺の変。昔から創作の題材となり、近年ではこれをモチーフにしたお笑い動画が人気を博している。しかし、天下布武まであと一歩の所に迫っていた織田信長が、家臣である明智光秀に討たれたという根幹を除けば、未だに不明であったり不可解な点の多い事件なのである。この事件にまつわる多くのミステリー要素やドラマチックさが、現代まで多くの人を引きつけて来たのかも知れない。 織田信長は本能寺で自決したとされているが、実は死体が発見されていない。ところが、信長の首が静岡県富士宮市の西山本門寺に安置されているという説が存在しているのである。 信長の首は、初代本因坊算砂「日海」の指示で、第18世住職日順上人の父である原宗安(原志摩守)によって密かに静岡県に運ばれたという。この時、首は誰にも見つからないように、仏像の中に入れて運ばれたとも言われている。 昭和54年1月の読売新聞には、宗門研究家である山口稔氏の研究結果が記事として掲載されている。それによると、まず前述の日順上人の内過去帳に、旧暦6月2日の日付で『惣見院信長』の記述が存在しているという。また、地元では、古くから信長公の首塚が西山本門寺の本堂奥にある大柊のもとに安置されているということが口伝として存在していた。 そして、本能寺の変で信長公と一緒に討ち死にした原家に伝わる文献「原家記」によれば、日順上人の父である原志摩守が混乱の中から父と兄、そして信長の首を持ち出すことに成功、山道伝いに駿河まで逃げ延びて、本門寺の本堂裏手に三人の首を埋めたと記されているという。 本因坊算砂は、京都寂光寺本因坊の住僧であった。本能寺の変が起きる前夜、信長は算砂と鹿塩利賢に囲碁の対局をさせていた事が知られている。本因坊算砂はこの流れで本能寺に泊まる事になったため、事件に巻き込まれる事となってしまったのだろう。そして、せめて信長公の首だけでも供養してほしいと、旧知の仲であった原志摩守に託したのではないだろうか。そう、作家の安部龍太郎氏は著書「謎に迫る・富士山麓に埋められた信長の首」の中で推測している。 本因坊算砂と原志摩守にとって、この西山本門寺と関係が深いものであったことは、算砂が本門寺の境内に本因坊という坊舎を作って住んでいた事実や、原志摩守の子、日順が寺の第18代上人となっている事からも解るという。前述の日順上人が記した過去帳には、『天正十年六月、惣見院信長、為明智被誅』と記されている。日順上人は慶長七(1602)年の生まれであり、天正十(1582)年に起きた本能寺の変を知る事は出来ないが、父親や先代の本因坊算砂から事件の内容を聞いて、書き記していたのではないだろうか。(山口敏太郎)
-
ミステリー
古墳は古代の宇宙人から伝わった!?火星の前方後円墳とは
2019年06月09日 23時00分
-
ミステリー
明治まで生きた新撰組伝説 死亡したはずの美男隊士が日清戦争で活躍していた?
2019年06月08日 23時00分
-
ミステリー
明治政府が封印した謎の古文書『阿波風土記』に何が書かれていたのか?
2019年06月02日 23時00分
-
ミステリー
不老不死を求めた秦の始皇帝が探した「蓬莱国」
2019年06月01日 23時00分
-
ミステリー
咲くのは不吉の前兆?「竹の花」開花が全国で相次ぐ
2019年05月26日 23時00分
-
ミステリー
平家盛伝説 実は壇ノ浦の合戦の後で五島列島に逃げていた!?
2019年05月25日 23時00分
-
ミステリー
日本最大の古墳に埋葬されているのは誰なのか?巨大古墳に隠された大きなミステリー
2019年05月19日 23時00分
-
ミステリー
桂原古墳に「飛行するロケット?」の壁画がある?
2019年05月18日 23時00分
-
ミステリー
木曽義仲の使った火牛の計は嘘だった?
2019年05月12日 23時00分
-
ミステリー
三代将軍・徳川家光の父は徳川家康で母は春日局だった?
2019年05月11日 23時00分
-
ミステリー
坂本龍馬も挑んだ?「蝦夷の埋蔵金伝説」
2019年04月28日 23時00分
-
ミステリー
司馬遼太郎と大村益次郎に関する不思議な話
2019年04月27日 23時00分
-
ミステリー
ノートルダム大聖堂を守っていた?奇妙な怪物の彫刻「ガーゴイル」
2019年04月21日 23時00分
-
ミステリー
タイムマシンの原理はブラックホールにあり!?未来人ジョン・タイター
2019年04月20日 23時00分
-
ミステリー
ザビエルの弟子が作った?禁忌の風習が存在する?謎に満ちた「クロ宗」
2019年04月14日 23時00分
-
ミステリー
日本初のマラソン大会「安政遠足」
2019年04月13日 23時00分
-
ミステリー
新元号「令和」に関連の深い場所と現代も続く「飛び梅」の伝説 太宰府のパワースポット
2019年04月07日 23時00分
-
ミステリー
改元は菅原道真の怨霊を止めるため 平安時代に起きた改元騒動
2019年04月06日 23時00分
-
ミステリー
トラウマが日本妖怪の総称を生んだ? 妖怪の呼び名にまつわる諸説
2019年03月31日 23時00分
特集
-
リニューアル後も坂上忍の暴走は止められず? 2020年も発言が物議となった大物MC
芸能ニュース
2021年01月03日 19時00分
-
「浅い知識で反対している」政治的発言でイメージダウン? 2020年話題となった女優・歌手
芸能ニュース
2021年01月03日 18時00分
-
-
「もみ消せる権力を持っている」メディアの報道格差も物議、芸能界を賑わせた2020年の3大不倫騒動
芸能ニュース
2021年01月02日 21時00分
-
2020年ドラマワースト3 低視聴率ながらドラマファンから絶賛の作品ばかり?
芸能ニュース
2021年01月01日 18時00分
-
「やって良いことと悪いことがある」悪ノリがすぎて批判噴出 2020年のユーチューバー大炎上
芸能ニュース
2021年01月01日 16時00分