ミステリー
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ミステリー 2020年01月26日 23時00分
天を駆け、太平の世に姿を現す瑞獣「麒麟」とは
今年のNHK大河ドラマは明智光秀を主人公に据えた「麒麟がくる」。 この「麒麟」は日本でもよく知られた伝説的な瑞獣だ。 麒麟は中国で古代より縁起の良い獣とされており、実は雌雄があって雄は麒、雌は麟と性別で呼び分けられている(文献によって諸説ある)。 姿は狼に似た顔で鹿の体に馬の足、牛の尾を持ち、全身が五色の毛と竜の鱗で覆われている。そして、額には肉の角に覆われた一本の角があるというものだった。やがて、時代が下ると麒麟は竜と牛の間に産まれたとされるようになり、竜の体に牛の尾と蹄をもつ姿で描かれるようになった。いかつい顔をしているが、非常に穏やかで慈悲深い性格をしており、虫の一匹も踏まないように歩き、枯れ草しか口にしないと言われている。 ドラマの中で言及があったが、麒麟は善政が行われ天下泰平の世に姿を現すとされている。だが、麒麟の伝承が生まれた中国の文献を見てみると、残念ながら死期が迫っている状態の麒麟が出てくることの方が多い。これは恐らく当時の中国の人々が良い政治が行われていない事を直接書き記す事ができなかったため、麒麟に託して体制批判を行ったものだと考えられている。つまり、本場の中国でも麒麟はそれだけ珍しい生き物であり、人々の夢を託された存在だったと言えるのかもしれない。 ドラマの中で語られた戦乱の世を終わらせられる、平和な世をもたらす「麒麟」はどのように描かれていくのだろうか。今後の展開が楽しみである。(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年01月25日 23時00分
岐阜城の城主は皆短命?「斉藤道三の呪い」
今年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」は、主人公に明智光秀を据えた大河ドラマに定番の戦国時代となる。第一回の舞台は現在の岐阜県可児市の明智荘であり、美濃守護代・斎藤氏の名跡を継ぐ斎藤道三も登場する。 道三と言えば、乱世の梟雄(きょうゆう)として知られた人物であり、岐阜の有名な戦国武将の一人でもあるのだが、地元岐阜には奇妙な伝説が存在しているらしい。 オカルト研究家である筆者が岐阜県で行った地元の妖怪ツアーに参加していた、町歩きの専門家の方から聞いた話によれば、岐阜城には「斎藤道三の呪い」があるのだとか。道三以降に岐阜城の城主になった人物は皆短命であるそうなので、以下に書き出してみよう。 道三の嫡男である義龍は道三を破り、信長を何度も撃退したが、35歳で急死。同じく嫡男の龍興がその後城主となったが、竹中重治らに城を奪われ、返還されるも信長によって再び落城。龍興自身は刀禰坂の戦いで26歳で戦死している。 信長は道三の娘を妻に迎えており、その後城主となった。後に京都本能寺で自害。享年49。この信長の嫡男である信忠は本能寺の変の際に、京都妙覚寺から二条新御所に移動し戦死。享年26。信長の三男である信孝は賤ヶ岳の戦いの後、尾張知多郡内海で自害。彼も享年26。 後に、織田家重臣の池田恒興の嫡男である元助が城主となったが、彼も小牧・長久手の戦いにおいて父子共に討死。享年26。恒興の次男である照政(後の輝政)が岐阜城主になったが、彼は後に三河吉田城主を経て姫路藩初代藩主となる。彼は後に姫路宰相百万石と評され、姫路城を修築しこの地で死去している。享年50。 照政の後に岐阜城主となったのは豊臣秀吉の姉(日秀尼)の子である秀勝だった。彼は総大将として朝鮮出兵で出陣したが、巨済島にて23歳で病死している。そして信長の息子・信忠の嫡男である秀信が城主となるも、高野山を追放された年に死亡。享年26であった。 こうやって書き出してみると、信長と照政以外は、皆20代から30代半ばで早く亡くなっていることになる。 道三は「美濃の蝮」と呼ばれ、主君を追い落として美濃を治めていた、下克上の典型として語り継がれる人物でもある。彼は後に美濃国を、娘婿であり素質を見出していた尾張の信長に譲る事を決めていたのだが、これも因果か自分の息子である義龍に謀反を起こされ、戦に敗れ死ぬ事となる。美濃を信長に譲る事は「国譲状」を生前に書き残していたため、予想外の敗死は彼にとっては非常に無念の残るものだったと思われる。 この時の無念の思いが岐阜城に宿り、岐阜城に入ってこの地を治めていた者に呪いとなって降りかかったのだろうか。だとすると、初めから国を譲られる事が約束されていた信長が50近くまで生きる事ができた事にも説明が付く(残念ながら、彼も天下布武への道半ばで光秀に討たれてしまったが)。 果たして、道三の呪いは存在するのだろうか?(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年01月19日 23時00分
死者を生き返らせた江戸の怪人 電気人間・弥五郎
現在、街中には突然の心停止を起こして倒れた人を救護できる医療機器のAEDが設置されている。我々の体に血液を送っている心臓に異常が起き、血液を流すポンプ機能を失った際に電気ショックを与えることで、心臓の活動を正常に戻すための医療機器だ。 電気ショックで心臓を再び動かす、という事は現代の我々ならば得ている知識だが、そのような医学知識もましてやAEDのような医療機器もなかった江戸時代に、実践してしまった人物が存在している。 その人物の名は弥五郎と言い、武州川越(現在埼玉県川越市)の城主・酒井讃岐守忠勝家中の人間であったという。彼は手や体から電気を出すことができたそうで、「鯉の弥五郎」「鯉抱き弥五郎」とも呼ばれていた。彼の電気を帯びた手にかかれば、水中の鯉は逃げることが出来ないとされ、弥五郎が水中で抱き取った鯉は釣ったり、網で捕獲した鯉とは違って美味しく、三代将軍家光に献上されたほどだったという。 せっかくほかの人にはない能力を持っているのに、将軍に認められたのが「鯉を美味しく捕まえる」ことだったのは笑えるが、死んだ自分の母親も体内に蓄積した電気を与え蘇生させたと伝えられており、きちんと人命も救っている。話によると、弥次郎は自分の母だけではなく、難病を抱えた人も抱きつくことにより病気を治すとされており、江戸で非常に人気のあった人物なのである。 今で言うところの電気治療と言うわけであろうか、この人物は何らかの理由で電気を蓄積したり、体内で発電することが可能だったのかもしれない。 実際、電気人間=帯電人間は実在しており、「スライダー体質」と呼ばれる。スライダー体質は、体から電気を発し電球やテレビなど自由に操作できる能力のことである。 この弥五郎の元ネタは、明治末期から大正にかけて活躍した小説家・江見水蔭(1869〜1934)の短編小説『鯉を抱く男』(『現代大衆文学全集・江見水蔭集』平凡社)であるようだ。もっとも、電気人間はまったくの創作ではなく、江戸時代の随筆『責而者草(せめてはぐさ)』に記載された記事がベースになっている。 江見水蔭の小説では、晩年の弥五郎は、相撲の丸山仁太夫の後見役になったり、酒井の指令を受けて“抱きつき魔の狂人”に扮して、江戸市中の情報収集をしたという。電気人間が狂人に扮し密偵として江戸を駆け巡るとは、まるで現代でも通ずる設定だ。弥五郎が酒井の密偵だったという可能性がまったくないわけでもないし、ストーリーを考えるだけでもワクワクしてしまう話である。
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ミステリー 2020年01月18日 23時00分
第一次世界大戦中に起きた「モンスの天使事件」の正体はUFOだった!?
前回、第一次世界大戦中に起きたある奇跡「モンスの天使事件」について紹介した。 1914年8月23日、第一次世界大戦中にイギリス軍とドイツ軍がベルギーのモンスにて交戦していた時、ドイツ軍に完全包囲されたイギリス軍の前に、金髪で長身、黄金の鎧を身につけた天使たちが出現し、ドイツ軍に向かって矢を放ち始めた。この天使軍の前にドイツ軍は進軍できず、イギリス軍は見事撤退に成功したという話だ。 この事件は、作家のアーサー・マッケンが1914年9月29日『イヴニング・ニューズ』に発表した『弓兵(The Bowman)』という短編小説の内容を元に作られたフィクションである可能性が高いとされている。しかし、21世紀になって、「モンスの天使は実はUFOだった!」とする説が出てきて再注目されることとなった。 この説を唱えたケビン・グッドマン氏は、「モンスの天使」事件の現場に居合わせた兵士ランス・コーポラルの証言がかなり具体的であり、またその内容からは、天使よりむしろ別の何かだったのではないかと考える方が妥当だとしている。 そのランス・コーポラルの証言は以下の通り。 「空中に月のような奇妙な光が出現したのをはっきりと見ることができました。周辺には雲もありませんでした。光は明るくなり、はっきりと3つの形を見ることができました。中央の1つは広げられた翼のように見えましたが、他の2つはそれほど大きくなく、まったく別のものでした」 この時出現したUFOが、人類の敵対行為を止めるために介入したのか、それとも別の意図があったのかは解らない、とグッドマン氏は語る。 また、天使ではなくUFOだったと主張しているのは、あくまでグッドマン氏であり、実際に兵士らが何を見ていたのかも正確には解らない事も付け加えておきたい。極限状況に陥った人間は奇妙なものを「見る」というが、「何を」見たのかはその人にしか解らないだろうからだ。(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年01月12日 23時00分
全滅寸前だったイギリス軍を天使が救った?!第一次世界大戦中に起きた「モンスの天使事件」
「モンスの天使事件」とは、第一次世界大戦中に起きた超常現象の有名な事例だ。 時は1914年8月23日、折りしも第一次世界大戦中のこと、ベルギー軍やフランス軍を助けるためにイギリス軍はドイツ軍とモンスにて交戦していた。だが、ドイツ(プロシア)軍の大型大砲と機関銃砲を主軸にした圧倒的な火力と合理的な戦法により、イギリス軍はドイツ軍に完全包囲され、わずかに生き残った2連隊で全滅を待つ状態であった。すると、どこからからともなく、金髪で長身、黄金の鎧を身につけた天使たちが出現し、ドイツ軍に向かって矢を放ち始めた。(別の目撃談では、白い衣をまとい、無帽の天使たちが宙に浮きながら両手を大きく広げ、ドイツ軍の進軍を制したとも、または、百年戦争当時のイギリス軍の弓兵たち「ロングボウ隊」の亡霊が英国軍に加勢したとも言われている) この謎の軍隊のリーダーは、フランスのガーディアンエンジェル「ジャンヌ・ダルク」だったとも、イギリスのガーディアンエンジェル「聖ジョージ」だったとも、大天使「ミカエル」だったとも言われている。結局、この天使軍の前にドイツ軍は進軍できず、矢で射られたドイツ兵も倒れたものの傷も全くなかったという。つまり、天使はドイツ兵も殺傷していないのだ。 この不思議な出来事は約20分から40分続き、イギリス軍は見事撤退に成功したとされている。現場に居合わせた両軍の兵士たちの大部分が目撃し、国の上層部に報告された。この噂は当時、ヨーロッパ中に広がり、「モンスのエンゼルス」が連合国の側にいたということは、「神は連合国側が正義だとジャッジしている」ことの証明であるとしてイギリス政府は大喜びし、熱狂した国民の多くが軍隊の新人募集に応募、国全体が沸き上がった。このあたり、都市伝説を政治家がうまく利用した感がある。 だが、この事件はフェイクであるとされている。 アーサー・マッケンが1914年9月29日『イヴニング・ニューズ』に発表した『弓兵(The Bowman)』という短編小説の内容が、多くの人々により、まるで事実かのように流布されたというのが真相らしい。小説を事実として流布した犯人も、新聞社とか、神智学協会とか言われている。 では、軍人や戦争現場には関係がなく、ただ単に小説が事実として流されただけなのかというと、そうでもなくて、1931年に発表されたジョン・チャータリス准将の回顧録によると、当時の戦闘現場に天使出現の噂があったのは事実であるという。 また、現場にいたチャータリス准将は、妻に宛てた1914年9月5日付の手紙に、天使に関する話を書いている。やはり、現場でも天使の目撃談が(フォークロアとして)話されていたのは事実のようだ。つまり、元々軍人の間にも天使の噂はあったのだが、小説の影響によって “より面白く盛られた話”がまるで事実であるかのように、流布されたのではないだろうか。(山口敏太郎)
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ミステリー 2020年01月11日 23時00分
江戸時代、ネズミは人々に愛されるペットだった!
2020年の今年は子年、干支はネズミとなる。子年だけに、初詣でお参りする神社やお寺もネズミに関係した所が注目を集めているようだ。 そんなネズミは、実は江戸時代に人々に愛されるペットとして親しまれていたようだ。主に明和年間(1764〜72年)から人気を集め始め、なんと飼い方のマニュアルも発行されていた。安永4(1775)年には「養鼠玉のかけはし」が、天明7(1787)年には「珍翫鼠育草(ちんがんそだてぐさ)」がそれぞれ発行されており、いずれも飼育管理方法や珍しいネズミの品種が紹介されている。現代でいうハムスターやモルモットの感覚で愛玩用として親しまれていたようだ。なお、江戸時代に飼育されていたネズミは「鼠」と「のらこ」の2種類があり、それぞれ今で言うドブネズミとハツカネズミだったとみられている。 しかし、なぜ江戸時代の人々はネズミをペットにしていたのだろうか。ネズミは穀物などの作物を荒らしてしまうため、昔から害獣とみなされることも多かったはずだ。 その点について、前述のネズミの飼育専門書「養鼠玉のかけはし」は以下のように説明している。要約すると「ネズミは七福神のうち大黒天のお使いであり、十二支でも第一位に選ばれている。北の方角を司るため、陰徳すなわち人に知らせずひそかに行う善行や恩徳の象徴でもある。多産であるため子孫が絶えることなく、孝行にもつながる」とのことで、縁起の良い生き物であると考えていたようだ。また、生き物を大切にすることで功徳を積むことができる、という考えとも合致していたものと考えられる。 ちなみに、江戸時代にはネズミ以外にも犬や金魚など、様々なペットの飼育書や園芸関連の専門書が発行され、ベストセラーとなっていたようだ。江戸時代はペットを飼って楽しめるだけの余裕が人々に出てきた時代であったことを示すと同時に、時代が変わってもペットを愛し、大切にしようとする人の心は変わらないものであることを我々に伝えてくれる。(山口敏太郎)
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ミステリー 2019年12月29日 23時00分
牛の体に人間の顔、くだんは不吉の前兆なのか?
人面で身体が牛の妖怪「件(くだん)」から飢饉や戦争、大地震の予言を聞いたり、顔が牛で身体が人間という妖怪「牛女」を目撃したという話は多い。どうやら、我々日本人は天災や紛争の直前に、牛の妖怪を幻視する傾向があるようだ。このような話は近年も報告されている。友人のK君から聞いた話だが、阪神大震災のときも救出活動に当たっていた自衛隊員が、崩壊した街中にたたずむ「件」を目撃したと言われている。 東日本大震災も例外ではない。八戸在住のSさんから投稿された目撃談を紹介してみよう。震災から2日目の朝6時頃、どうやら八戸市に食料やガソリンを運ぶ久慈市からの道路が地震で寸断されていることに気付いた。ガソリンが枯渇するのを心配し、Sさんは近所のガソリンスタンドの様子を見に行くことにしたという。 案の定、歩道には灯油を求める人たちの列があり、スタンド前の左車線にも50メートルほどの車列ができていた。このことを家族に伝え、至急、灯油やガソリンを確保せねばと雪が降る中、トボトボと家に向かって歩いていた。すると40メートルほど前方から誰かが歩いてくることに気が付いた。30メートルほどの距離に接近すると、黒い和服を着ている女性だと気付いた。 「スナックのママさんかな?地震で散らかった店の片付けにでも行くのだろうか」 Sさんはそう思った。少しずつ近付いてくるのだが、妙な違和感に気付いた。女性は丸髷(まげ)を結っているのだが、そこから下の部分が妙に大きい。黒い着物の裾には緑の蔦の刺しゅうがあるが、違和感がある。さらに接近し、Sさんは悲鳴を上げそうになった。 「コイツ、目、鼻、口がない」 コイツ、ムジナか?と一瞬思ったが、横を通り過ぎる時に気が付いた。右目は頭部の真横にあったのだ。そう、妖怪「牛女」であったのだ。 なんとも不気味な話だが、なぜ人は「くだん」のような牛の妖怪を天災の前に見てしまうのだろうか。これは筆者の推論だが、牛は妊娠中にストレスを感じると流産したり、奇形の子牛を産むことがあるというのだ。つまり、人間には感じられない地震の初期微動を感知し続けた母牛が奇形を産んだ後、地震が起きるといった事例が複数回あったのではないか。 また、飢饉に至る前段階の栄養不足状態や、戦争前の人間たちがかもし出す緊張感の中に置かれた母牛が奇形の子牛を産み、その後飢饉や戦争に突入する…。このような事例の積み重ねから、生まれたのが「くだん」伝説だったのではないだろうか。(山口敏太郎)
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ミステリー 2019年12月28日 23時00分
遺伝子操作で新しく生まれるUMAの可能性
一風変わったUMAに「キャビット」というものがいる。「キャビット」はウサギと猫の混同生物であり、後ろ足がウサギで上半身が猫という不思議な生物である。この「キャビット」はかなり大柄な個体であったようで、勇ましく大地を踏み、走る様子の写真が残されている。 この生物はヴァル・チャップマン氏なる人物が、ニューメキシコ州にて、猫とウサギを掛け合わせた結果、生まれたという触れ込みであった。本当にウサギと猫が子供を作ったのであろうか?だが、普通こんなことはあり得ない。もし実在したとしたら猫好き、ウサギ好き双方が飛びつく大人気ペットとなり得るだろう。 このような混同生物は、犬と猫の間に生まれた「猫犬」などが報告されている。カンボジアに住む、ホウ氏の飼っている愛犬ノウちゃん(雌10才)に異変が起こった。ある日に森に住む修行者がホウ氏の家を訪れ、ノウちゃんを指さすと、「この犬は虎と交わった」と告げた。奇妙な内容の予言をホウ氏は不思議に思っていたが、ノウちゃんはしばらくすると子犬を産んだ。だが、その子犬は灰色の仔猫のように見える生き物であったという。単に奇形の犬とも思えるが、日本でも飼い犬が猫のような子犬を産んだという話は報告されている。 ここまでは単なる与太話に過ぎない(と思いたい)が、遺伝子工学が発達してきた現代では、なんでもありの状態になりつつある。科学誌「ネイチャー・メソッズ」が2011年に報道した記事によると、米国の研究チームが、猫エイズを引き起こす猫免疫不全ウイルス(FIV)に耐性のある遺伝子を猿の遺伝子から取り出し、猫の卵母細胞に注入し、その後受精させた。その結果、猫エイズに耐性のある猫の個体が生まれたのだが、研究のため遺伝子操作を行った部分を判別するために、クラゲの発光する遺伝子も入れた。すると、どうだろうか。闇夜に蛍光塗料のように発光する猫が生まれたのだ。 この猫の誕生は、猫エイズの感染防止の対策に使われるし、人間の後天性免疫不全症候群(エイズ)治療にも役立つとみなされている。同時に様々なペットにクラゲの遺伝子を入れた場合、光る犬や光るハムスターなどが生まれる可能性を開いたのだ。 このように遺伝子工学を使えば、見たこともない新種の生物や人間と動物の混同生物?を作り出すことが可能な世の中になっているのだ。今後のUMA=未確認生物は、遺伝子工学の産物ではないかと疑う必要もあるだろう。(山口敏太郎)
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ミステリー 2019年12月22日 23時00分
あの衝撃的な「宇宙人」の真実…ジョークやネタから生まれるオカルト
筆者はオカルト情報を探して海外の情報や報道に目を向けることも多いのだが、記事を翻訳しているとそのニュアンスに悩むことがある。これはジョークや嫌味で書いているのか、リアルな記事として真剣に書いているのか、判断に苦しむことがあるからだ。日本語であれば行間に込められた真意が読み取ることが可能なのだが、外国語ではニュアンスが伝わりづらい。そのため、筆者に限った話ではないが、自国とは別の国のタブロイド紙のジョーク記事や、新聞各社のエイプリルフールの記事を勘違いしてしまい、実際の事件だと思い込んでしまうような事例は多く報告されている。 例えば、日本でも有名な捕まった宇宙人の写真は、筆者が子供の頃から定番の写真として有名であり、猿の皮を剥いで作ったとか、議論の対象になってきた。だが、実際には1950年4月、ドイツ・ケルン市で創刊されたローカル週刊誌「Neue Illustrierte(ノイエ・イルストリーアテ)」の創刊号を飾ったエイプリルフール記事だったことが近年判明している。読者から反響が大きかったのか、翌週号では悪戯であったことを明かし、火星人着陸は嘘だと謝罪記事を掲載しているのだ。 そう思ってよく見ると、宇宙人の両手を掴んでいるFBIみたいなおっさんの背後にいるおばさんの足が妙な形で前に出ている。これらは合成した名残であろうか。また、肝心の宇宙人はスケート選手の写真を小さく加工し、補正したものだったようだ。古い雑誌の記事だったこともあり、今まではかなり画質の悪い画像しか出てきていなかったが、近年では鮮明な画像をネットで確認する事ができる。 同様に世界のタブロイドファンをわくわくさせているのが、「ロシアの声」である。真面目なテイストと見せつつ、とんでもスクープを連発するロシアの東京スポーツなのだ。 筆者お気に入りのネタは、米国コネチカット州イェール大学の研究者グループが「宇宙人が一億年前の地球の地下に生息していた」という仰天記事だ。いきなりこの記事が構成されたとは思えないと、疑問を感じた筆者は、元ネタを探ってみた。 すると、元ネタの事件は、米国ワシントン州にある南ロペス島の海底の地下(約20キロメートル)から、約1億年前のものと思われる鉱物・あられ石を発見した。しかも、今回発見されたあられ石に、生物が生命活動することによって作り出された特殊なメタン(特殊な炭素同位体)が含まれていたというものであった。 この発見は、ごく普通の記事になりうる事実である。一億年前にも生物は活動しているだろうし、生命活動がなされた地表も長年の地殻変動で海底の地下になることはあるだろう。だが、これが「ロシアの声」に掛かると、一億年前に地球の地下に宇宙人がいた?という大ネタになるのだ。いやはや、このボケ倒しには脱帽だ。読者諸兄は「ロシアの声」に、“なんでやねん”とツッコミを入れてあげるべきである。(山口敏太郎)
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ミステリー 2019年12月21日 23時00分
宇宙人の写真に全裸のものが多いのはなぜなのか?
筆者はオカルト研究家のため、宇宙人の死体とされる写真などを見ることもままあるが、この宇宙人が全裸だったりすると本当にげんなりする。屋外を全裸で移動する知的生命体などはいない。これでは下等生物だ。もしいたとしても、ヌーディストの宇宙人か露出狂の宇宙人であろうか。 そもそも、地球上のウイルスに耐性など持ってないだろうし、大気の構成比率も違うはずである。それが宇宙スーツもつけずに、酸素マスクをせずして全裸・素顔で歩くなどありえない。そんな話をここ何年間も『ビートたけしの超常現象Xファイル』(テレビ朝日)で主張してきたところ、たま出版の韮澤潤一郎社長も最近同じような意見を言ってくれるようになった。うれしい限りである。 そもそも、大槻義彦早稲田大学名誉教授ですら宇宙人の存在は認めている。実は、大槻教授と肯定派の論争は、宇宙人がいるかいないかではなく、宇宙人が地球に来ているかいないかという部分に焦点が移っているのだ。当然、大槻教授は宇宙人はこの宇宙の何処かに存在はしているが、地球に来ていないと発言している。 筆者の個人的な意見は、宇宙人は存在しているし、この地球にも本当に少ない回数だが来訪していると思っている。勿論、宇宙人が住民票を持っていたり、地球人に化けてハリウッド俳優のバイトをしているとは思わない。しかし、彼らは何処からひっそり見守っている可能性が高いと推測している。 一方で、まったく縁もゆかりのない宇宙人が遠路はるばるこの地球にやって来ているとも思えない。筆者は彼らは時間や空間を高度なテクノロジーで超えて、我々の地球に飛来している未来人ではないかと思っているのだ。つまり、人類の発展により宇宙中に移民した我々の子孫が先祖に会うために、21世紀の地球を観察に来ていると思っている。 だとすれば、宇宙人が地球でうろついても地球上で死なない理由や、人類の前に姿を現さない理由も納得がいく。宇宙人が全裸や酸素マスクがなくても平気なのは、地球の生命体の子孫であるからであって、人前に姿を曝さないのは歴史を捻じ曲げてしまうからだ。これが筆者が思う合理的な宇宙人の解釈である。 このように理屈っぽく説明させて頂いているが、勿論そんな宇宙人の写真等の大半にフェイクの疑惑があることも付け加えておく。(山口敏太郎)
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