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今日のキャバ嬢ごはん(19)〜ウインナーの焼き方に拘る洋子〜

真中洋子(仮名・26歳)

 ボイルにすべきか焼くべきか…。今日も私は悩んでいた。それはまさにシェイクスピアの『ハムレット』に出てくる「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」という台詞の如く、キッチンを前にしてなかなか決断できない。

 私はウインナー自体が大好き。ご飯にもパンにも合う最高の食材であり、食べやすさや食感も完璧。お祭りなどで見かけても絶対に買ってしまうのもフランクフルトである。だが食べ方に関してはまだこれといった好みを見つけられていない。

 あの焼いた時のパリッとした絶妙な歯応えは素晴らしいし、かといってボイルした時のツルツルで今にも弾けそうなフォルムの状態も捨てがたい。どちらかを選ぶなんて私にはできない。もしも1本のウインナーしか乗せることのできない小さな船に、必死に助けを求めるボイルウインナー君と丸焼きウインナー君が現れたら、一体私はどちらに手を差し伸べればいいのか。これは人生における最大の命題といっても過言じゃない。

 それほど私にとって、なくてはならない食べ物がウインナーなのだけど、最近、切り口が付けられている本当の理由を知った。なんと箸で摘んだ際の、滑り止めとして切られているのだそうだ。その事実に私は心の底からとても感動した。

 いつもキャバクラで働く時、機嫌が悪い時はお客さんに無愛想になってしまうこともあるのだけど、最近はウインナーの優しさに影響されて、暖かい気持ちで接客するようにしている。だって大好きなウインナーが身を削ってまでがんばっているのだから、私もどれだけ傷ついてもがんばらなきゃって思うでしょ。そこに気付かせてくれたウインナーはやっぱり偉大な食べ物だよ。

(取材/構成・篠田エレナ)

写真・Hobbit_71

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