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『美味しんぼ』騒動の地元の反応

 「前町長は東電に一番可愛がられた人物。それが反旗を振りかざして。変われば変わるもんだ」
 『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)5月28日発売に掲載された『美味しんぼ』騒動。原発事故後の福島を訪れた登場人物らが鼻血を出すシーンが描かれ、主人公らとの会話の中で双葉町の井戸川克隆前町長は鼻血の原因について「被ばくしたからですよ。福島に鼻血が出たり、ひどい疲労感で苦しむ人が大勢いる。今の福島に住んではいけないと言いたい」と語り物議を醸したが、冒頭の言葉は、この騒ぎを受けた地元住民の反応だ。

 井戸川氏は町長当時、福島第一原発事故直後の'11年4月に首相官邸を訪れ、事故の収拾や菅直人首相(当時)が打ち出した原発増設見直しの方針に関して時期早尚とするなど、7項目を要請している。つまり、この時点では“脱原発”など微塵も思っていなかったことになる。
 「発電所を誘致すれば、電源三法に基づき地域対策交付金が出るため、双葉町には数千億ともいわれる金が渡った。一方、事故後に東電は地元で何人かを雇用し、反原発の動きに関する情報収集に当たった。それを黙認したのが井戸川さんなんです。ところが、事故補償額の天文学的数字に驚いた東電が、特別扱いしてきた井戸川さんとの関係を断ち切ったわけです」(福島市関係者)

 すると、掌を返したように反東電、脱原発の発言をするようになった井戸川氏は、脱原発世界会議の首長会議に出席、双葉郡に核廃棄物の中間貯蔵施設を建設する方針を審議する地元自治体の会議に欠席するなどして、ついには町長不信任案が議決されたのだ。
 いずれにせよ、真実が明らかにされ、事故の経緯と現状の根拠ある調査結果が求められる。

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