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私はこうしてお客様に落とされた(2) 〜アイ・バニーガール(26歳)〜

 「あっ、ごめんね」
 「…はい?」

 新規で来店したグループの席に付いて、彼と初めてした会話がこれ。
 どうやら灰皿に置いたタバコを取ろうとした彼の手が、隣にいた私の二の腕に触れてしまったことに対する「ごめんね」だったみたいなんだけど…。彼はここがどんなお店かわかって来ているのだろうか?

 ただのクラブではなく、女の子は全員、タイトなミニスカート姿で、網タイツと11cmのヒールを履いて、頭にはうさぎの耳を付けているバニーガールなんだよ?
 お触り禁止なんて言って触らない客がいないわけないし、女の子も胸やお尻を触られるのなんて日常茶飯事のことなのに。

 ちょっと変わってるのかな? ただ、シャイなだけ?
 そう思いながらも、どこか紳士的な雰囲気がする彼と話せば話すほど、すごく好印象がもてた。

 だって、お触りされまくりで、会話は下品な下ネタ中心。
 それが当然のこの空間で、拳ひとつぶんの距離を常にたもって隣に座る彼との会話が、お互いが飼っている猫の話だったり、高校時代の部活話だったり、とにかく本当に普通すぎる会話だったの。
 多分、他のお客さんが同じ話を振ってきたら、むりやり下ネタに話をもっていくだろうなって思うような面白味も何もない会話を延々と続けてた。

 でも、最初から紳士的なイメージを持っていたからかな? 他の人とは違って、話していただけで落ち着いたし、どんな話題であろうと心から楽しいと思っている自分がいたの。
 気付いたら、延長も含め、会って2時間弱しかたっていないのに、すごく彼のことが気になっちゃてたんだ!

 帰りに恥ずかしいからいいよって照れる彼の胸ポケットに、プライベート用の携帯番号を書いた名刺を無理やり突っ込んでいたことには、自分でもびっくりしたけどね。

取材・構成 LISA
アパレル企業での販売・営業、ホステス、パーティーレセプタントを経て、会話術のノウハウをいちから学ぶ。その後、これまでの経験を活かすため、フリーランスへ転身。ファッションや恋愛心理に関する連載コラムをはじめ、エッセイや小説、メディア取材など幅広い分野で活動中。
http://ameblo.jp/lisa-ism9281/
https://twitter.com/#!/LISA_92819

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