幕が開くと薮下の同期メンバーが集まり、旧チームBIIではおなじみの寸劇からスタートした。薮下の大好きな野球をテーマで、笑顔イッパイでステージに立っていた薮下。同期が揃ったところで、記念すべきオープニング曲は『アーモンドクロワッサン計画』だった。かつてのチームBIIが歌っていた、チームBIIにとって初めてのオリジナル曲である。チームBIIファンにとっても大切な曲であり、そのファンの後押しで『NMB48リクエストアワーセットリスト2014』で1位を獲得。これがチームBIIの代表曲になり、薮下の最後のステージのスタートとしては、これ以外の選曲は無いと思えるほどだ。
1曲目から会場は熱気でヒートアップ。続いて5thシングルの『ヴァージニティー』を歌うのだが、この曲は薮下がシングル初選抜メンバーに選出された思い出の曲であり、当時の薮下の姿を思い浮かべながら見ている人も多かったことだろう。懐かしい楽曲から代表曲まで薮下の歴史がギュッと詰まった内容になっていたが、終盤には薮下・川上千尋・城恵理子・山本彩・谷川愛梨・村瀬紗英・山本彩加が登場。このメンバーは、阪神タイガーズを応援する「TORACO」のメンバーである。ここで阪神タイガースの応援歌でもある『六甲おろし』をステージからジェット風船を飛ばしながら歌うというアイドルのコンサートとは思えない光景が繰り広げられていた。薮下は笑顔で心の底から楽しんでいる様子が伺えた。
しかし楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、薮下とのお別れの時間が刻々と迫ってきた。本編最後は『届かなそうで届くもの』を全員で歌い幕を閉じた。
本編終了後には、アンコールとして「しゅうちゃん」コールが会場に響き渡った。その大きな声援に応えて、薮下は再びステージへ登場。アンコールでは客席から薮下と渋谷凪咲が登場して2人で『桜の花びらたち』を歌うのだが、渋谷が号泣してしまい歌えなくなってしまう一幕もあった。そんな渋谷を見た薮下は、しっかり渋谷をなだめながら歌い、最後の共演であろう「なぎしゅう」の絆を見せてくれた。最後には『未来の扉』・『片思いより思い出を…』を歌い、コンサートの幕は閉じた。
薮下は「私にとってNMB48は青春そのものでした。ちぎれそうになるくらい笑ったのはNMB48やし、ほんまに意味わからないくらいに悔しいと思ったのもNMB48やし、ふとした時に幸せと思うのもNMB48でした。淋しいとは思いますけど、皆さんに今まで私に会いに来て下さって、本当に今まで色々なことを一緒に頑張ってきたじゃないですか。一緒に頑張ってきて色々な夢を叶えて、私に夢を託して同じように悲しんでくれたり、同じように喜んでくれたりしてくれて、本当にすごく応援して頂きました。本当に感謝しています」と話した。
最後に「今日ここから見える景色は最高です。皆さんには本当に感謝しています。今日のライブは私の宝物として追加されました。これからは私も皆さんと一緒で、NMB48のファンの一員になるので、一緒にNMB48の未来を見続けましょうね。皆さんしゅうの笑顔をわすれんといてな。絶対やで」と薮下らしいコメントした。
4月19日のNMB48劇場で行われる卒業公演でNMB48を卒業、そして芸能界を引退してしまうが、薮下柊はNMB48にとってもファンにとってもかけがえの無い存在である。第二の人生でもNMB48の時のように元気な笑顔でいて欲しい。
(C)NMB48 取材/ブレーメン大島