スポーツ 2021年07月02日 20時30分
巨人・阿部は“褒め殺し”指導で覚醒? 元コーチが育成秘話を告白、「過去の苦労も影響してそう」驚きの声も
野球解説者の片岡篤史氏(元阪神他)が1日に自身の公式ユーチューブチャンネルに投稿した動画に、野球解説者の西山秀二氏(元広島他)がゲスト出演。動画内での発言が、ネット上のプロ野球ファンの間で話題となっている。 今回の動画で西山氏は、現役・広島時代(1987-2004)の思い出や過去にコーチを務めた(2006-2010)巨人の捕手事情をテーマにトーク。配球を巡りコーチと口論になった話や、巨人・小林誠司が抱える課題について語った。 その中で、西山氏は巨人一軍バッテリーコーチ時代(2008-2010)に阿部慎之助(現巨人二軍監督)を指導した際の裏話を明かす。西山氏は阿部に対し「極力うまくいったところ(プレー)を見つけてそこを(褒める)」という指導方針だったといい、試合後にビデオなどでプレーを振り返る際は「ようお前ここでこの球投げさせたよ、これはファインプレーだよ」とまずは良かった点を称賛していたという。 ミスを指摘する際にも頭ごなしにしかることはせず、「シン、どうやこの(相手打者の)動きは? この動き見たらやっぱりあっちの(配球の)方がよかったよな?」と諭して教えることを重視。こうした指導を続けるうちに、阿部は西山氏が口を開く前に「ここはあれの(別の配球の)方が良かったですよね」と自発的にプレーを振り返るようになっていったという。 また、西山氏は「お前が打ってる間は誰も配球のことは文句言われへんから」と、守備で伸び伸びとプレーするためには打撃も大事だと常々教えていたとのこと。2008~2010年の阿部は本塁打(24本→32本→44本)、打点(67打点→76打点→92打点)を毎年伸ばしたが、西山氏は「すごい数字を残していった」と結果を出したことを評価した。 >>巨人・阿部二軍監督、桁違いの振り込みを徹底させるワケを告白 意外な敵軍選手がきっかけだった?<< 西山氏の発言を受け、ネット上には「褒めて伸ばすやり方を重視して阿部を指導してたのは初耳」、「球界に限った話じゃないだろうけど、高圧的な人間よりは寄り添ってくれる人間の言葉の方が頭に入りやすいよね」、「打てば守備にケチつけられないって考えはめちゃくちゃ分かるな、多少ミスしても『打って取り返せばいい』って臆せずプレーできるようになるし」といった反応が寄せられている。 一方、「とにかくおだてて指導する方法には過去の阿部の苦労も影響してそう」、「表向きには何も言ってないけど、イップス経験者の阿部に気を遣った面もあるんじゃないか」、「イップス再発のリスクも考えてこの指導法を選んだとしたらそれはそれですごいことだな」と、イップスの影響を指摘するコメントも複数見受けられた。 「阿部は2001年のプロ入りから巨人一筋(2001-2019)でプレーし『2282試合・.284・406本・1285打点・2132安打』といった通算成績を残した名捕手ですが、プロ1年目の2001年にファンやマスコミからの批判が原因で一時イップスに陥っていたと本人が過去に明かしています。同僚・上原浩治氏(現野球解説者)から助言を受けるなどして何とか克服したといいますが、ひどい時は指がこわばって投手へのサインもまともに出せなかったそうです。今回の動画で西山氏は阿部のイップスについては言及していないのですが、褒めて伸ばす指導法にはイップスを再発させない狙いもあったのではと推測しているファンも少なくないようです」(野球ライター) 引退後の2020年から巨人二軍監督を務め、次期一軍監督の最有力候補とも目されている阿部。西山氏の“褒め殺し指導”もまた、順風満帆な野球人生を送ることができている一因となっているのかもしれない。文 / 柴田雅人記事内の引用について片岡篤史氏の公式ユーチューブチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UCSFE1o0ihc5mfODf2FybeuA