妖怪
-
ミステリー 2023年03月05日 22時30分
妖怪は時代を反映する
古来妖怪というのは、その時代を反映するものであるらしい。平安時代は、貴族がこの世の春を謳歌する半面、平将門の反乱、天然痘の流行、飢餓に苦しむ庶民たちがいて、京の都では夜な夜な鬼が出て人を喰ったという。鎌倉時代は武士の時代だ。流行った妖怪は、山岳修行者から転じて何やらエラそうな天狗である。江戸時代は平和の時代になり庶民の時代になると、キュウリが好きで、相撲好きな河童となる。そして20世紀になると宇宙人の登場。1970年代末になると、学習塾に通う小学生が増えてきた。子ども達は暗い夜道を1人で帰らないといけなくなる。都市部では得体のしれない大人がうようよし、田舎では誰も人がいない。どちらにせよ子供には怖い空間だ。そんな時代に現れたのが岐阜発祥の口裂け女である。学習塾は学区を超えているので、噂は学校の壁を超えて広まっていった。口裂け女の噂は、わずか半年で岐阜から全国に広まったという。80年代から90年代には、トイレの花子さんがブームになる。トイレの花子の原型やモデルとされているのはたくさんある。80年代や90年代のトイレはまだボットン便所と言われるものが多く、暗くて怖かった。昔のトイレは異界との境界線でもあったのだ。英国の『ハリーポッター』にもトイレに住んでいる女の子が登場するのは、そのためだろう。よって昔から「中から手が出て来て引きずり込まれそうなった」とか「変質者に襲われておちんちんを切られた子がいる」などという噂や都市伝説がたくさんあったのだ。80年代から90年初頭は、バブル景気という空前の好景気で、異世界や闇との境界は、学校のトイレくらいしかなかったのかもしれない。妖怪ではないが、家庭用ビデオが普及するとすぐに呪いのビデオの噂が出てくる。携帯電話が普及すると、たちまち「この番号からかかってきたら出てはいけない。なぜなら・・・」という噂がでる。人間とはそういう生き物らしい。さて、これから出てくる妖怪はどんなものだろうか? さしずめ人工知能(AI)の擬人化だろうか?プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
-
ミステリー 2020年03月08日 23時00分
江戸時代に現れた妖怪がコロナウィルス騒動で再注目!?「アマビエ」
現在、Twitter上で奇妙な生物を描いたイラストが多くのユーザーによって投稿されている。その生物は「アマビエ」。その昔、江戸時代に肥後の国に出たという妖怪だ。 アマビエは弘化3(1846)年、肥後国(現在の熊本県)の海に現れたという。4月中旬、毎晩のように海中に光るものが現れたため、役人が現場に赴いた。そこには光り輝く奇妙な生物がいたという。足、ないしは尾ひれは三つ股に分かれ、全身はうろこで覆われており、頭部には長い髪があった。顔にはくちばし、目はひし型をした、人と魚を合わせたような姿をしていた。 生物は役人に、自分は海中にすむ『アマビエ』であるといい、6年間の豊作の後に疫病がはやると予言。自分の姿を写した絵があれば病を防ぐことができると予言して去った。その後、江戸時代にこの生物の姿を描いた絵が広まったようだ。 同様の生物は他の地域でも目撃されている。日向国(現在の宮崎県)イリノ浜沖には「尼彦入道」なる妖怪が出没したそうで、熊本士族の芝田忠太郎という人物の前に現れた尼彦入道は「これから6年、大豊作が続く」、「悪病が蔓延する」と予言したとされている。そんな尼彦入道の外見は、顔はしわも深く眉毛とひげの濃い、はげ頭の男性だが、胴体はペンギンのようで、大きな一対のヒレないしは翼を備えており、体表面をびっしりとうろこが覆っている。そして、細い鳥のような足がなんと9本も生えている。 この尼彦入道は前述のアマビエと予言の内容も似通っているため、アマビエの伝説が変形したものではないかと考えられている。 また、熊本には明治期にも同じ三本足の『アマビコ』なる妖怪が出現して予言したといわれる。妖怪研究家の湯本豪一氏は『アマビコ』は『天響』で、神と人とをつなぐ存在とされたのだろう、との説を掲げている。 江戸から明治にかけてたびたびアマビエとその派生妖怪の報告があったということは、それだけ人気だったのだろうか。それとも、妖怪の名を借りなければならないほど不安に満ちた社会だったのだろうか。 いずれにせよ、江戸時代に話題になった妖怪が現代に再度注目されるというのは興味深いことである。(山口敏太郎)
-
ミステリー 2020年02月29日 23時00分
病気は風の妖怪が運んでくる?江戸時代の人が考えた病気の妖怪たち
洋の東西を問わず、古くから人々は、病気を目に見えない何かによってもたらされるものだと考えていた。病気の悪魔や悪神などが人々に悪さをすることによって、人は病気になると考えられており、薬も医療技術もまだ発達していなかったことから、追儺(ついな)や加持祈祷で病気の悪魔を撃退しようとしていた。この時に退治される病気の悪神は、現在でも「疫病神」という名前で残っている。他にも、病気をもたらす悪魔や悪神、妖怪の姿は多く絵に描かれてきた。これも姿の見えない存在に対して、少しでも理解しようとした結果なのかもしれない。 そんな病気の妖怪で代表的なものが、江戸時代の「絵本百物語」にて紹介されている「風の神」だ。 風の神と言っても、風神雷神のような神聖な存在ではなく、見た目からも神々しさはあまり感じられない。この神は風に乗って様々な所に現れ、物の隙間や暖かさと寒さの隙間を狙って入り込み、人を見れば口から黄色い息を吹き掛けるという。この黄色い息を浴びた者は病気になってしまうとされており、挿絵にも青い腰巻きをした風の神が、口から黄色い風を噴き出している様子が描かれている。 また、同書では「黄なる気を吹くは、黄は土にして湿気なり」と述べられており、これは中国黄土地帯から飛来する黄砂のことであり、雨天の前兆や風による疫病発生を暗示しているものと言われている。 他にも、季節と体調の変化を表したような妖怪は各地に伝わっており、例えば、東京都青梅市には風の妖怪「百いらず」の伝説が存在している。山から吹き下ろす風には、ひときわ寒く冷たい風があり、この風に当たることは非常に不吉であるとされていたため、この風が吹いてきた時は、たとえ道に百文(現代の金額に換算すると、約2万円)が落ちていても拾わず、一目散にその場から逃げ出すべし、と言われていた。これは、空気感染による病気の媒介や蔓延、また風邪の諸症状にある悪寒などを表現した結果生まれた妖怪だと言えるかもしれない。さらに青梅には、当たると不幸を起こす「みさき風」の伝説なども存在している。 昔から日本では、空気の流動は農作物や漁業の結果を左右すると考えられており、いわゆる流行性感冒の「風邪をひく」も、この風に対する民間信仰を元にしていると考えられている。ここから生まれたのが「悪い風」の妖怪たちなのかもしれない。(山口敏太郎)
-
特集
-
少年隊・錦織、東山ジャニーズ新社長就任に意味深投稿? 植草とのYouTubeもストップ、現在の活動は
芸能ネタ
2023年09月18日 12時00分
-
ジャニーズ最大のタブー? 嵐メンバー4人と“男女の仲”報道、セクシー女優の死【芸能界、別れた二人の真相】
芸能ネタ
2023年09月17日 12時00分
-
-
Snow Man向井、ジャニー氏お小遣い秘話が拡散? グループ不仲説の真相は<実は不仲?【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月16日 12時00分
-
一転しジャニーズ契約継続なし、モス広告Snow Manの顔を紙で隠した画像が拡散「イジメ」「涙出てきた」ファン怒り
芸能ニュース
2023年09月13日 18時00分
-
株上げた井ノ原快彦、年下に嫌われていた? 森田剛から「嫌い」緊張関係続く<芸能界【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月10日 17時00分